弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子の読書日記

ジェイムズ・P・ホーガン「未来からのホットライン」

ろうそくのくだり…「この蝋燭は、いま全体の4分の1ほどまで燃えているが、一時間かそこら前の宇宙ではまだちゃんとしたままだ。数時間後の宇宙には、たぶん影もかたちもないだろう。総体的な蝋燭というのは、その各時点のあいだ全体なのだ。」…これって、正法眼蔵の薪と灰の喩えみたい!と読んだとき思ったけど、いま正法眼蔵読み返してみたらちょっと違うのかな。でもなんか相通ずるような気がします。

 

未来からのホットライン (創元SF文庫)

判例時報2328号 遺産分割、遺言無効

・東京高裁平成28年8月12日決定

不動産の換価競売と現金等の分割を命じる審判での分割方法。

・東京地裁平成28年8月25日判決

公正証書遺言を遺言能力なしで遺言無効とした判決です。医師の見解と公証人の見解が詳しく引いてありつつ、公証人に対して「医学的根拠に欠ける」とかけっこうズバッと…

・東京地裁平成28年3月30日判決

作成日付を故意に遡らせた自筆証書遺言を日付記載の要件を欠くものとして無効とした判決です。

判例時報2327号 養子縁組

・東京高裁平成27年2月12日判決

養子縁組について、原告の遺留分を減少させる目的がもっぱらで無効とした原判決を取り消して、有効とした高裁判決です。

・名古屋高裁金沢支部平成28年9月14日判決

養子縁組について養親の意思能力を認め有効とした原判決を取り消して、無効とした高裁判決です。

ジュリスト1507号 労働契約法

座談会 労働契約法の10年を振り返って

特に、合意と合理性、足しも引きもしないことと独り歩きについてなど。

判例タイムズ1435号 争点整理、面会交流

・「民事訴訟の争点整理手続の充実に向けた取組について 新人弁護士でもできる書面上の工夫」

ささやか論文。裁判所を信じている若さを感じつつ圧倒されます。

・大阪高裁平成28年8月31日決定

非監護親(母・中国籍)が求めた面会交流について、監護親(父)の再婚、未成年者らと再婚相手(中国籍)との養子縁組という事情があっても認めた高裁決定です。なお、非監護親も別の男性との人生を選んで、「子はいらない」などと記した誓約書を差し入れたという事情があるようです。

曽野綾子「私日記9 歩くことが生きること」「私日記1 運命は均される」「堕落と文学 作家の日常、私の仕事場」

最新刊が私日記9。お元気だなーと感心しながら読んでいくと、講演中に倒れかけて講演はやめることにしたり、そして終盤、朱門さん入院と息子さん手術のあたりの緊迫感。ガラリと優先順位がいれかわるこの透徹した感じ。

これまでの刊行ペースだと続刊は3年後くらい…と、待ちどおしい思いで、私日記1に戻ってみました。20年前。元気も元気だし、文章の調子や内面の感じが1と9とで20年の経過を感じさせないのがどう言ってよいかわからないけどすごい。

 

私日記〈9〉歩くことが生きること (私日記 9)

私日記〈1〉運命は均される (私日記 1)

堕落と文学―作家の日常、私の仕事場

石井光太「世界の産声に耳を澄ます」

奥様の出産をきっかけに世界の出産をめぐる旅に出るって業が深いなー。曽野綾子さんがいつも書いてるような厳しい現実です。

世界の産声に耳を澄ます