弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子の読書日記

柴﨑哲夫、牧田謙太郎「裁判官はこう考える 弁護士はこう実践する 民事裁判手続」

書かれていることは志高めのスタンダード、変だったり鼻につくようなところもなく、感覚的に思ってることを、やっぱりそうよね、とスイスイ読めてところどころ参考になるので、それなりに年数経った者も読んでおくとよい本です。

判例タイムズ1439号 ガイドラインと医療訴訟、免責不許可

・「第9回 医療界と法曹界の相互理解のためのシンポジウム」 今回の読後感は裁判所に文句を言いたいというのではなく、展開が難しそうなテーマをうまく提案してよい読み物にしたなあという感想。 血栓症予防なんてみんなやってないみたいな話しが続く中、予…

ジュリスト1511号 医療訴訟

「裁判官に聴く訴訟実務のバイタルポイント 医療訴訟(2)」 東京地裁の審理運営指針(平成25年)の読み方など。平成19年指針との違いの背景、提訴前準備、計画審理は心がけはあれど現実問題として難しい、など。

家庭の法と裁判 2017年11月号 不貞慰謝料

・不貞行為慰謝料に関する裁判例の分析(2) 間接事実からの不貞事実の認定と経験則について。

アン=マリー・スローター「仕事と家庭は両立できない? 女性が耀く社会のウソとホント」

個人事務所で弁護士業やってるなんてのは組織の中のキャリアアップと比べればまことにお気楽なもので、しかし傍目からは仕事と家庭を見事に両立していると見えるようでそう言われるとそれは別に否定しない、いちいち謙遜するのもまだるっこしいのでそんなこ…

二弁フロンティア2017年10月号 面会交流

講演録「別居・離婚と親子の面会交流」 調停官の方の講演。面会親側が陳述書に書くべき項目。

浜屋祐子、中原淳「育児は仕事の役に立つ」

かくありたい状態と足元の現実と、考えると心もとないけど、理想論の部分が現実的にどうかはともかく、書かれていることはそのとおりと思います。 ひとさまの感想を見ていたときに出てきたこちら。 「育児は仕事の役に立つ」を読んで、モヤモヤがやってきた…

桜木紫乃「砂上」

この著者らしい乾いた情感がさらにハードになってるような。桐野が今よりもっとキレてたころ、ミロシリーズの最後の方みたいな感じ。よいです!

神林長平「いま、集合的無意識を」

もうこのさい神林じゃなくてもいいから「膚の下」みたいなSFが読みたい。黙って「膚の下」を再読してよう。

神澤志万「国会女子の忖度日記」

働く女子モノ枠、アタマ休めに。

ブレィディみかこ「子どもたちの階級闘争 ブロークン・ブリテンの無料託児所から」

地べたからしか書けないという著者の柔軟な文体でつづられる衝撃的なエピソードたち。 イギリスの底辺がヴィクトリア朝状態で、しかしそこで底辺の人たちを救おうとする気骨のある人たちがいて捨てたものでないのもまたイギリスの底力。 たくさん書評出てい…

カーリー・フィオリーナ「私はこうして受付からCEOになった」

原題は「Tough Choices」。まさしくそうだなあ!

判例タイムズ1438号 訴訟充実促進、外壁タイル、遺産分割、転倒事故、フェイスリフト、婚姻予約

・古閑裕二「審理の充実・訴訟促進の中興方策案」 「有効な求釈明がされないなどの理由により、当事者の主張がかみ合わないまま、相手方の主張に対する反論が繰り返され、その準備書面を、裁判所が無制限に陳述させているという批判」「もし、現代の裁判官の…

ジュリスト1510号 医療訴訟

・裁判官に聴く訴訟実務のバイタルポイント 医療訴訟(1) 集中部のデメリットを格別感じることはないとありますが、そりゃやってる方はそうでしょうけど、ユーザー側がどうかっていう問題として考えてほしいです。

南直哉、為末大「禅とハードル」

南師(呼び方!)は、自分のようなものの言葉に惹かれる人はあぶないというけどやっぱりぐっとくるのよね。ほんとぐっとくるな~南師はすごいなあ好きだ!と思いつつ、もし自分の子どもが南師だったら途中経過は母としてはつらいだろうなあなど。 例えば神を…

神林長平「フォマルハウトの三つの燭台」

だから内向的モノローグ系の作品はもう読みたくないんだってば、と思いつつ、最後の壮大感は好きでした。

YM「KSN」

読み切ってないし悪口なのでイニシャル化。 アタマ休めのSFを求めてなんとなく買ったけど描写の陳腐さに耐えきれず18%くらいまで読んで断念。ひどかった。 ビジネスの場面での登場人物のセリフがありえない感じないのとか、60代半ばのひとを「かくし…

伊坂幸太郎「AX」

最初は読んでも読んでも退屈な内容でどうしたかと思ったけど、最後はまあ伊坂だねってなりました。わかりやすいおもしろさを打ち出すのを控えているのかな、それとも恐妻エピソードが私にとって別におもしろく思えないだけなのか。

ジェーン・スー「今夜もカネで解決だ」

ほんとにやわらかいものしか読みたくない精神状態で(今回の更新群に文句が多いのもこのあたりがなんかあるのかもだけど)。こんなジプシー状態にならないで決まったところに定期的に通えばいいのにとしか思えなくて、こういう自虐風味の、わかっちゃいるけ…

野島梨恵「私の愛すべき依頼者たち」

内容的には普通にフムンというか中村先生の前説の言い当てっぷりがさすがと思いつつ、めんどくさいとか自分の仕事の範囲はここまでとか、依頼者層が読むとどうかと思いそうな微妙なことをすごく正直に書くのね…。

国谷裕子「キャスターという仕事」

判例時報2332号 産科事故

高知地裁平成28年12月9日判決 時系列の別紙を略されちゃってるせいで分娩年すらわからない掲載方法はいかがなものかと思いますが、よく読むと、2011年ガイドライン発行のおよそ2ヶ月後が分娩日のようです。ガイドラインの規範性が争われ、認められ…

論究ジュリスト22号 教育と個人情報、菅野労働法、表明保証

・特集 教育と個人情報保護 ・菅野和夫先生に聴く 最高裁判決獲得の背景など。 ・表明保証条項違反を理由とする損害賠償請求訴訟 表明保証の法的拘束力の根拠を合意(損害担保契約)、典型契約の付随効果(瑕疵担保責任の特約)のいずれと見るか。表明保証違…

金融法務事情2071号 濫用的会社分割

・濫用的会社分割・事業譲渡の実務と法理

二弁フロンティア2017年8・9月号 時間外手当

残業代請求事件対応の基礎と最新実務~使用者側から~

裁判の迅速化に係る検証に関する報告書(第7回)

裁判所|裁判の迅速化に係る検証結果の公表(第7回)について 判タの「争点整理手続における口頭議論の活性化について」のようにごまかして書くことなく、裁判所が事前準備を十分に行うべきことを指摘しているので好感を持ちました。統計ですが、件数が多い「…

中井久夫「いじめのある世界に生きる君たちへ」

大人に相談することは最後の尊厳を明け渡すことだからできないというくだり。 人は誰でも子どもでも持っている尊厳意識。私の胎から出ただけの何者でもない子でも、いつの間にか自分なりの侵すべからざる尊厳意識を持っているのだなーと不思議に思うことがあ…

河原理子「フランクル夜と霧への旅」

フランクルの立場の難しさ、告発しないこと、新訳誕生のくだり。

テッド・チャン「あなたの人生の物語」

ハードSFと叙情と哲学と信仰と! これがデビューからの全作品集というのがすごい! そして特に、「地獄とは神の不在なり」。信仰とは神の実在ではなくその不条理さを受け入れることという本質がSF的手法によってきわめて巧みに表現されています。いるか…

沼田真佑「影裏」

マイノリティとかはちょっとした味つけでそんなに取り上げることだろうかと思えて、語りの加減が、語られないけれど影のように浮かび上がる事情とか、絶妙。