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弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子の読書日記

判例タイムズ1432号 面会交流、医療訴訟、離婚

・「間接強制可能な面会交流審判の実情と留意点」 どのような場合にすべきか、どのように決めるべきか。 ・「医療訴訟における要件事実の整理に向けての検討」 ・東京高裁平成28年5月25日判決 妻が夫の暴言暴力を理由に別居して求めた離婚請求について…

ケース研究328号 破産と財産分与、認知症、子の心理、子の引渡、面会交流支援

「家事審判手続と破産手続の開始 財産分与を例に」 「時代の中で変革が進む認知症の人のとらえ方、生き方、支え方~超高齢社会の課題と希望」 「夫婦の紛争下における子の心身・言動について 児童精神医学の観点から」 「子の引渡しを求める審判前の保全事件…

判例時報2315号 医療訴訟

「カンファレンス尋問 複数専門家による口頭での知見提供の新しい方法」 カンファレンス鑑定とどう違うのかがいまいちピンとこなかったんですが。鑑定書で「特に定まった見解はない」と書かれていたがカンファレンス鑑定の場で、それは当たり前すぎて文献に…

村上春樹「騎士団長殺し」

ライトノベルかと思うような上っつらな人物像や舞台装置のこっぱずかしさを我慢しながら読んでいくと最終的には言わんとすることの核はわかるしそうだねって思うけど、読ませるための仕掛けをこんなにもちりばめなきゃだめなのかなあって思ってしまう。 でも…

藤沢数希「損する結婚儲かる離婚」

まあありていに言えばそういうことよね、ということが書いてある本です。当事者向け。弁護士は綺麗事しか言わないからこういうことを言ってくれないってあるけど、私はこれくらいはけっこう言いますけどね…。 普通の人は○○と誤解しているがこうだ、という箇…

小島信夫「靴の話/眼 小島信夫家族小説集」

保坂と庄野潤三と島尾敏雄が読めっていうのでとうとう読んでみた小島信夫のよさがまったくもって分からない我が身の悲しさよ。 視野狭窄的な文体が神林っぽい。「この世に2、3人しかいないと思ってるんじゃないの?」と妻に言われる場面なんて、ほんとそう…

江國香織「なかなか暮れない夏の夕暮れ」

何が起きるわけでもない日常の描写ですが(大竹氏の身の上には大変なことが起きますが扱いは気の毒なほど脇筋)、妙におもしろい。これ、好きです。USキッズランドなんていう読書向きでない空間で立ったり座ったりしながらこれを読んでると、読書中毒の稔…

久保利英明「久保利英明ロースクール講義 君は正義のために闘えるか?」

なんとなく読みましたがまあ別に勧めません。登場してるひとに興味があればという感じでしょうか。私は自分が個人のミニマム事務所でいくと決めているので田中早苗先生の個人事務所の勧めに励まされました。

吉田勝次「洞窟ばか」

おもしろかった!バカパワーすごい。洞窟とか謎のけもの道に入ってみたい心が満足させてもらえました。

上間陽子「裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち」

良書。著者の活動の良さも伝わってきます。

日弁連「法的交渉の技法と実践」

特に目新しいことは書いてなくおさらい程度に。

古賀史健「20歳の自分に受けさせたい文章講義」

「嫌われる勇気」は対話式叙述が読んでてかったるいけど、おばかな青年をばかだなあと思って脳内反論しつつ読み進めるうちに、自分でわかった気になる対話式特有の作用があって、押し付けられる主張より自ら見いだす理屈に愛着を持つ裁判官の性質をふまえた…

金融法務事情2059号 死後認知と遺産分割後の価額請求

東京地裁平成28年10月28日判決 死後認知の訴訟係属中に相続人ら(被相続人の妻と子)が遺産を妻が全て取得する旨の遺産分割協議を行い、その後に認知子が妻に対して民法910条に基づく価額請求したことについて、配偶者と子は法定相続分が別系統とい…

判例タイムズ1431号 監護者指定、遺言、遺留分減殺

・名古屋高裁金沢支部平成28年4月7日決定 別居中の父母宅を行き来し共同監護的な状態にある子の監護者指定申立を却下した原審判を取り消し、差し戻した高裁決定です。似たような却下例は大阪家裁でもありましたね。 ・東京地裁平成28年3月25日判決 …

梯久美子「狂うひと 『死の棘』の妻・島尾ミホ」

庄野の太宰もどき問題がまだ私の中でモヤモヤしているうちに読み始めたとこで庄野がけっこう登場してくるのでへえ~となって、しかし、この世代のひとたちって私生活で無茶やってそれをそのまま書くのがブンガクってほんとに思ってたんだろうか。ただ書いた…

高中正彦「弁護士の経験学 事件処理・事務所運営・人生設計の実践知」

ちょっと古典スタイルという感もありますが、わたしが座談スタイルの読み物が好き(行間から本音が立ち上るので)ということもあってか、けっこう参考になりました! おすすめです。

判例時報2314号 遺族年金

仙台高裁平成28年5月13日判決 DVで別居中に夫が死亡した場合の妻の遺族年金について、受給を認めなかった原判決を取り消し、受給を認めた裁判例です。

判例時報2313号 アメリカ養育費、ムチウチ

・東京地裁平成28年1月29日判決 アメリカ合衆国イリノイ州の裁判所での養育費の確定判決について、執行判決が認められた裁判例です。懲罰的な要素で高額となっているのではないかが争われました。 ・松山地裁今治支部平成28年2月9日判決 交通事故に…

保坂和志「地鳴き、小鳥みたいな」

いまは「試行錯誤に漂う」をずっと読んでて、先に読んだ「地鳴き、小鳥みたいな」はちょっとピンとこなかったんだけど、いま、三田文学の保坂特集をつまみ読みしてるとなるほどそういうふうにすごいのかと納得したり。たしかに「キース・リチャーズはすごい…

北周二ら「弁護士独立・経営の不安解消Q&A」

さすがにこっちも独立して15年にもなるので特に参考にはなりませんでした。立ち入ったことまでしっかり書いてあって若い人にはいいと思うんだけど。誰か読みたいひといたら言ってください。

庄野潤三「愛撫 静物 庄野潤三初期作品集」「絵合わせ」「インド綿の服」

長距離移動中に庄野一気読み。 え!こんなの書いてたの?とびっくり幻滅した初期作品。夫である作家が妻の一人称で、不実な夫に対する妻の気持ちを書く、しかも、「魂が抜けたようになって」という表現は、まさに、太宰治「おさん」の「たましいの、抜けたひ…

家庭の法と裁判2017年1月号 特別縁故、祭祀承継、婚姻費用

・東京高裁平成27年2月27日決定 被相続人のいとこたち5名に合計9500万円の寄与分を認めた原審につき、いずれについても特別縁故者と認めるに足りる客観的事情の存否や程度をさらに審理すべきと差し戻した高裁決定です。 ・大阪家裁平成28年1月…

判例タイムズ1430号 寄与分、間接強制

・大阪高裁平成27年10月6日決定 家業の農業従事の寄与分を遺産総額の30%と認めた原審判を変更し、農地のみの評価額の30%とした決定例です。 ・大阪家裁平成28年2月1日決定 面会交流の間接強制(1回4万)を認めた決定。子は7歳。子が嫌がっ…

判例時報2312号 公正証書による離婚慰謝料と差押え

東京高裁平成28年1月7日決定 離婚給付等契約公正証書による債権差押について、離婚の事実を条件として条件成就執行文が必要とした原決定を取り消し、単純執行文による差押えを認めた高裁決定です。

調停時法195号 寄与分

バヒスバラン(上野)薫「遺産分割の実務~遺産分割事件の法的枠組みを理解するために」 調停委員向けなので、実務のカタいところがわかりやすくまとまっています。

藤田宙靖「裁判と法律学」

蟻川先生が何しゃべってんのかな!という興味だけで手にした本書。しかし対談はもちろんですが本文もエキサイティングでした。 制度準拠的思考、良識、眼差し、平明さ、飾り言葉、裁判と学説、「法は単なる所与ではなく、つねに課題である。」、正義ではなく…

加藤新太郎ほか「裁判官が説く民事裁判実務の重要論点 家事・人事編」

本書の位置付け的に当然ですが、基本的で当然のことが書いてあるだけでした。唯一、不貞相手に対する慰謝料の消滅時効の起算点(不貞終了と離婚に時間差がある場合)について妙に厚く書かれています(100~104頁)。

門口正人ら「訴訟の技能」

門口本2冊。「民事裁判の要領」は連載も読んでたのでまあ特にでしたが、「訴訟の技能」、1ページ1行目から「裁判は、闘争である。」とか、中村節がたまらない。まずはすべて信じてみる、おおらかに、ピンチのときほど楽しむ。などなど。たしかに私も先日…

判例時報2310号 特別縁故者、司法書士と弁護士法

・大阪高裁平成28年3月2日決定 身の回りの世話をしてきた近隣の知人と親族後見人について、特別縁故者であることを否定した原審判を変更して、各500万円を認めた高裁決定です。 ・名古屋高裁金沢支部平成27年11月25日判決 司法書士代理人がした…

判例時報2309号 専門的知見、面会と親権

・「専門的知見獲得のための工夫 座談会方式の経験から」 医療訴訟で鑑定がポシャって私的意見書を出した医師らと被告医師との座談会方式で心証を得たという事例の紹介やパネルです。 ・千葉家裁松戸支部平成28年3月29日判決 前に話題になっていたかと…

判例時報2308号 業務起因性

名古屋高裁平成28年4月21日判決 バス運転手の自殺について業務起因性を否定した原判決を取り消してこれを認めた高裁判決です。地裁も高裁も前提事実はそんなに変わらないのですが、精神的負荷の程度についての結論が違ってきています。

金融法務事情2055号 時効完成後の一部弁済と時効援用

浜松簡裁平成28年6月6日判決 時効完成後の一部弁済があっても時効援用について信義則に反しないという裁判例です。解説では債権者の対応がすごく問題であったという書きぶりですが実際これくらいはごく普通に行われている程度のことなので、一部弁済しち…

判例タイムズ1429号 養育費、不貞慰謝料と非免責債権

・東京高裁平成28年1月29日決定 義務者が自身の収入減少、相手方の収入増加を理由に申し立てた養育費減額調停中に失職し、雇用保険を受給して求職しつつも再就職できないという事情を前提に、義務者の稼働能力をセンサスによって認定した原審を取り消し…

加藤陽子「それでも、日本人は「戦争」を選んだ」

帯の鶴見俊輔氏の評で「目がさめるほどおもしろかった。こんな本がつくれるのか? この本を読む日本人がたくさんいるのか?」とあるのが、まさにそのとおりで、とにかく日本人なら!読んで知って考えてほしい歴史です。

塩田武士「罪の声」

珍しくこういうのを。自分に酔った男調すぎたり、ソードマスターヤマトばりのムリヤリな謎解きだったり、そこまでしなくていいからというくらいの細かすぎて余白がない伏線回収だったり、という私がイヤに思うポイントはなくってよかったです。こういうタイ…

遙洋子「私はこうしてストーカーに殺されずにすんだ」

著者の激しい実体験からの教訓など。

ケース研究327号 ハーグ条約、子の意思、増減額

・「「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約」(ハーグ条約)における外務省の業務」 特に、執行現場における子の利益について。回復力や適応力の促進という視点。 ・「家事調停における対話促進スキルの適合性」 参考文献リストも。 ・「家事調停に…

南直哉・来住英俊「禅と福音 仏教とキリスト教の対話」

急にkindleなしで数時間過ごすことになったときとっさにつかんだこれ。帯に、「輪廻や復活は本当にあるのか、三位一体は矛盾ではないか、無我ならば倫理の責任主体はどうなるのか」なんて、ぐっとくるじゃないですか! 南さんは最初っからこりゃ変わり者だな…

村木厚子、秋山訓子編「女性官僚という生き方」

必要に迫られないとそこまで跳躍できないような超高密度な働き方って現実にあるんです。それをわたしは知ったなあとつくづく思うこのごろ(ごめんなさい自慢です)。それがどんなにどんなにかって、見せてあげたいくらいだけど、言ってもそれだけじゃ伝わら…

LAZAK編「ヘイトスピーチはどこまで規制できるか」

会務の関係でいただいたので読みました。わいせつ表現規制との対比とか、なるほどって感じです。

金融法務事情2051号 Death Law

座談会「Death Law(デス・ロー)をめぐる金融実務の諸問題」 デス・ローなんてまとまるとかっこいいみたいですが、要は後見と相続です。 寄与について、報いることの是非とそれが消極のために泣いている無数の当事者のジレンマ! 嫁の踏んだり蹴ったり状態。…

渡辺和子「強く、しなやかに」

そういえばここには書いていないけど、「置かれた場所で咲きなさい」なども読んでました。もともとこの言葉は、ヒラリークリントンが大統領選に敗れて、オバマのもとで国務長官を務めるときに引用していたのが印象に残っています。 この方が鬱病をわずらい入…

判例タイムズ1427号 婚費減額

名古屋高裁平成28年2月19日決定 調停成立後に他女とのあいだに子が出生したことを理由とする婚姻費用減額申立につき、婚姻費用減額は不貞行為を助長追認するも同然で信義則に反するとして却下した原審判を取り消して、減額を認めた高裁決定です。

伊藤彩子「仕事は行動がすべて」、平田静子「そういえば、いつも目の前のことだけやってきた」、大瀧純子「女、今日も仕事する」

なんと2ヶ月近く放置してしまいました! 新生児育児中も副会長激務中もそんなことなかったのにいったいどうしたのか、われながら謎です。ここを放置したからといってなにも読んでなかったわけではなくて、なにかを読むこととそれをブログにアップすることと…

服部みれい「わたしらしく働く!」

これも働く女性一代記ものですね。読んだ時期は上の3冊とはズレてました。マッチョさはないというか、編集者時代の働き方はマッチョかもだけど精神性は違うところにありそうで、不思議ちゃん系とでもいおうか。

E.A.パーリー「弁護の技術と倫理 弁護の道の七燈」

先に読んだ夫が一人一冊と言って私にも買ってくれて、折り目と傍線だらけになって座右コーナー入りの本書です。いままた開いてみたらしばし読みふけってしまった。引用したいところがたくさんあるけど時間がないので、みんな読んで! あと、解説で法曹人口に…

室井佑月「息子ってヤツは」

まだ見ぬ道ですが、すっごく身につまされる箇所がいくつかありました。

村田沙耶香「コンビニ人間」

まあ普通に読みやすいブンガクじゃない?という程度に思いつつ、書評をいろいろ読んでみると、「普通」に抗う系の既存の作品と違って主人公が「普通」を内包していないことが特異というような指摘になるほどと思いました。といいつつ神林とかそういうコンセ…

論究ジュリスト2016年夏号 非訟事件

研究会 非訟事件手続法 座談会の最終回。抗告状の送付について規則がチグハグになっていることなど。

判例タイムズ1425号 介護事故

「医療・介護施設における高齢者の事故についての損害賠償請求に係る諸問題」