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弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子の読書日記

曽野綾子「私日記8 人生はすべてを使いきる 悪い運もいい運も」

曽野綾子はかなり昔は小説をそれなりに読んでたもののこのごろはよくトンデモ発言が取り上げられ叩かれてるのを見てなんとなくわざわざ読む人じゃない感じでいたけど、たまたま書店で見かけて、日記ならおもしろいかもと(作家の日記が好きなので)手を出し…

庄野潤三「鳥の水浴び」

書いてることがいよいよ同じことの繰り返しで、前のような題材と題材のマジカルなつながりなんかもなくて、枯淡恬淡という感じ。

山中伸弥ほか「僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう」

このひとたちの話がおもしろくないわけはないので読む価値はあるのですが、しかし読んでもやっぱり、どなたも最初から何者かではあったと思えてしまうのでタイトルには偽りがあるような。永田氏は理系の論理と文学をあわせもっていろいろ語れる方だとあらた…

金融法務事情2065号 相続預金

「相続預貯金の遺産分割に関する家裁実務 最大決平28.12.19を受けて」 運用、書式など。

原田國男「裁判の非情と人情」

「日本のどこかに私を待ってる事件がある」

判例タイムズ1434号 間接被害、監護者指定

・「間接被害者の損害賠償請求」 ・大阪高裁平成28年8月31日決定 母からの監護者指定、引渡申立を却下した原審について、双方の監護体制の調査を尽くすべきとして取り消して差し戻した高裁決定です。母側には、監護していた当時、男性関係、父に「子ど…

論究ジュリスト21号 名誉毀損、発信者情報開示

「インターネット上の表現に関する名誉毀損訴訟・発信者情報開示訴訟」 飲食店の評価などは名誉毀損に当たらない方向で解釈できないかという方向性、などなど。

判例時報2323号 面会交流、間接強制

・東京地裁立川支部平成28年2月5日判決 面会交流を命じる審判が未確定(抗告中)段階での不実施について原告(父)からの損害賠償請求を認めず、また、原告が審判記録中の書面を謄写して担任教諭や小学校当に郵送したことについて、プライバシー侵害で損…

松浦理英子「最愛の子ども」

長距離バス車内にて。 女子高校生の群像劇、若者の自意識、いくら鮮烈でももはやあんまり興味ないなあと思いつつサラサラと読んでいて、中盤、「あの人」のくだりで急にぐっときて(若者の生々しい生きざまより時間差をつけて振り返るこの部分の感じ!)、そ…

こだま「夫のちんぽが入らない」

怪作。こういうふうにしか生きられないものか?もうちょっと手前でなんとかして無難な人生になれなかったものだろうか??と思ってしまうけど、きっとそうなんだろうし、本人的に昇華できたからこうやって書けているんだよね? リアルには他人のことって、つ…

保坂和志「試行錯誤に漂う」

12月から半年かけて読んだ。いろんなことがあった半年であった。 「出来事や行為には現在という時点から前に向かうプロセスしかない。」「生徒根性」「山の向こうに山以上の何かがあるのではなく、山がある。山を見て人が山より大いなる何かを予感したのだ…

堀江貴文「すべての教育は洗脳である」

子どもを枠にはめつつ個性を保たせつつのあんばいって難しいと思い読んでみたけどそういう参考にはならず。

竹内久美子「本当は怖い動物の子育て」

動物の子育ての怖い部分と、人間の行動がそれで説明ついてしまう部分は、身もふたもなく言えばそのとおりで、だからこそ衣食足りて動物に堕ちない保障をどうやって実現していくか。

キャスリーン・フリン「ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室」、土井善晴「一汁一菜でよいという提案」

ダメ女の、丸鶏をさばくのくだりは、日本だったら魚をおろすという感じでしょうか。 一汁一菜は、一周回った着地点。おみそしるの画像がちっともおいしそうじゃないのはこれでよいというわざとなんだと思うけど、やっぱりおいしそうじゃない…

西村匡史「悲しみを抱きしめて 御巣鷹・日航機墜落事故の30年」

論究ジュリスト20号 相続改正、菅野労働法

「特集 相続法制の見直しに向けた課題」 「菅野和夫先生に聴く」 温泉地にカンヅメになって執筆とか楽しそうです。

村上春樹・川上未映子「みみずくは黄昏に飛びたつ」

「能動的に待ち受ける」「僕よりうまく書けるやつは少ない」「どや、悪いようにはせんかったやろ」「高揚感とどうだ感」 集合的無意識って神林も言ってたなとか、保坂はなんだかんだいって物語が書けないからなー、とか。言いたいことを言いたいままに言うの…

判例時報2322号 養育費と私立高校、入寮

大阪高裁平成28年10月13日決定 子が私立高校に入学・入寮したこと(食費・光熱費の負担減)、義務者の再婚・養子縁組という事情を前提に、養育費を算定した高裁決定です。私立高校の学費部分について考慮するのみで、入寮による食費・光熱費の負担減を…

家庭の法と裁判2017年春号 預貯金と遺産分割、面会交流

・特集預貯金債権と遺産分割最高裁大法廷平成28年12月19日決定「座談会 大法廷決定をめぐって」 相続後の家賃など入金と基準時、仮分割の仮処分(書式、案内文書案) ・東京高裁平成28年4月26日決定 父が長女(11歳)二女(8歳)との面会を求…

金融法務事情2063号 預貯金と遺産分割

「鼎談 11の事例から考える相続預金大法廷決定と今後の金融実務」

NBL1095号 交渉道

若手実務家のための国際契約交渉の心得 わたしは若手でもなく国際契約なんて関係なしですが、よいことがいろいろ書かれている連載でした。

判例タイムズ1433号 不貞、有責配偶者と婚姻費用

大阪高裁平成28年3月17日決定 不貞行為をした妻からの婚費請求について、妻分も含めた婚費を認めた原審判を変更し、子の養育費部分についてのみ認めた高裁決定です。子が私立学校で音楽を専攻していることによる特別経費(月謝、交通費)、私立学校の学…

新民事執行実務14号 子の引渡執行

特集子の引渡執行の現状と課題 竹田裁判官(当地の家裁所長)が司会の座談会など。

金融法務事情2061号 登録自動車の留保所有権と倒産

大阪地裁平成29年1月13日判決 立替払委託方式で法定代位構成を認めて別除権行使可能とした地裁判決。その他議論状況。

今野勉「宮澤賢治の真実」

なんとなく流して読んでしまっていた詩句を深掘りした解釈になるほどとうなるばかり。「この命題は可逆的にもまた正しく」のところとか…そうか。といいつつ、いまいろいろ見ていたらこの「可逆的」を違く深掘りしているブログもあって、それも、なるほどそう…

奥野修司「魂でもいいから、そばにいて」

河野裕子「体あたり現代短歌」

山本潤「13歳、「私」をなくした私」

ルポ児童相談所

判例タイムズ1432号 面会交流、医療訴訟、離婚

・「間接強制可能な面会交流審判の実情と留意点」 どのような場合にすべきか、どのように決めるべきか。 ・「医療訴訟における要件事実の整理に向けての検討」 ・東京高裁平成28年5月25日判決 妻が夫の暴言暴力を理由に別居して求めた離婚請求について…

ケース研究328号 破産と財産分与、認知症、子の心理、子の引渡、面会交流支援

「家事審判手続と破産手続の開始 財産分与を例に」 「時代の中で変革が進む認知症の人のとらえ方、生き方、支え方~超高齢社会の課題と希望」 「夫婦の紛争下における子の心身・言動について 児童精神医学の観点から」 「子の引渡しを求める審判前の保全事件…

判例時報2315号 医療訴訟

「カンファレンス尋問 複数専門家による口頭での知見提供の新しい方法」 カンファレンス鑑定とどう違うのかがいまいちピンとこなかったんですが。鑑定書で「特に定まった見解はない」と書かれていたがカンファレンス鑑定の場で、それは当たり前すぎて文献に…

村上春樹「騎士団長殺し」

ライトノベルかと思うような上っつらな人物像や舞台装置のこっぱずかしさを我慢しながら読んでいくと最終的には言わんとすることの核はわかるしそうだねって思うけど、読ませるための仕掛けをこんなにもちりばめなきゃだめなのかなあって思ってしまう。 でも…

藤沢数希「損する結婚儲かる離婚」

まあありていに言えばそういうことよね、ということが書いてある本です。当事者向け。弁護士は綺麗事しか言わないからこういうことを言ってくれないってあるけど、私はこれくらいはけっこう言いますけどね…。 普通の人は○○と誤解しているがこうだ、という箇…

小島信夫「靴の話/眼 小島信夫家族小説集」

保坂と庄野潤三と島尾敏雄が読めっていうのでとうとう読んでみた小島信夫のよさがまったくもって分からない我が身の悲しさよ。 視野狭窄的な文体が神林っぽい。「この世に2、3人しかいないと思ってるんじゃないの?」と妻に言われる場面なんて、ほんとそう…

江國香織「なかなか暮れない夏の夕暮れ」

何が起きるわけでもない日常の描写ですが(大竹氏の身の上には大変なことが起きますが扱いは気の毒なほど脇筋)、妙におもしろい。これ、好きです。USキッズランドなんていう読書向きでない空間で立ったり座ったりしながらこれを読んでると、読書中毒の稔…

久保利英明「久保利英明ロースクール講義 君は正義のために闘えるか?」

なんとなく読みましたがまあ別に勧めません。登場してるひとに興味があればという感じでしょうか。私は自分が個人のミニマム事務所でいくと決めているので田中早苗先生の個人事務所の勧めに励まされました。

吉田勝次「洞窟ばか」

おもしろかった!バカパワーすごい。洞窟とか謎のけもの道に入ってみたい心が満足させてもらえました。

上間陽子「裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち」

良書。著者の活動の良さも伝わってきます。

日弁連「法的交渉の技法と実践」

特に目新しいことは書いてなくおさらい程度に。

古賀史健「20歳の自分に受けさせたい文章講義」

「嫌われる勇気」は対話式叙述が読んでてかったるいけど、おばかな青年をばかだなあと思って脳内反論しつつ読み進めるうちに、自分でわかった気になる対話式特有の作用があって、押し付けられる主張より自ら見いだす理屈に愛着を持つ裁判官の性質をふまえた…

金融法務事情2059号 死後認知と遺産分割後の価額請求

東京地裁平成28年10月28日判決 死後認知の訴訟係属中に相続人ら(被相続人の妻と子)が遺産を妻が全て取得する旨の遺産分割協議を行い、その後に認知子が妻に対して民法910条に基づく価額請求したことについて、配偶者と子は法定相続分が別系統とい…

判例タイムズ1431号 監護者指定、遺言、遺留分減殺

・名古屋高裁金沢支部平成28年4月7日決定 別居中の父母宅を行き来し共同監護的な状態にある子の監護者指定申立を却下した原審判を取り消し、差し戻した高裁決定です。似たような却下例は大阪家裁でもありましたね。 ・東京地裁平成28年3月25日判決 …

梯久美子「狂うひと 『死の棘』の妻・島尾ミホ」

庄野の太宰もどき問題がまだ私の中でモヤモヤしているうちに読み始めたとこで庄野がけっこう登場してくるのでへえ~となって、しかし、この世代のひとたちって私生活で無茶やってそれをそのまま書くのがブンガクってほんとに思ってたんだろうか。ただ書いた…

高中正彦「弁護士の経験学 事件処理・事務所運営・人生設計の実践知」

ちょっと古典スタイルという感もありますが、わたしが座談スタイルの読み物が好き(行間から本音が立ち上るので)ということもあってか、けっこう参考になりました! おすすめです。

判例時報2314号 遺族年金

仙台高裁平成28年5月13日判決 DVで別居中に夫が死亡した場合の妻の遺族年金について、受給を認めなかった原判決を取り消し、受給を認めた裁判例です。

判例時報2313号 アメリカ養育費、ムチウチ

・東京地裁平成28年1月29日判決 アメリカ合衆国イリノイ州の裁判所での養育費の確定判決について、執行判決が認められた裁判例です。懲罰的な要素で高額となっているのではないかが争われました。 ・松山地裁今治支部平成28年2月9日判決 交通事故に…

保坂和志「地鳴き、小鳥みたいな」

いまは「試行錯誤に漂う」をずっと読んでて、先に読んだ「地鳴き、小鳥みたいな」はちょっとピンとこなかったんだけど、いま、三田文学の保坂特集をつまみ読みしてるとなるほどそういうふうにすごいのかと納得したり。たしかに「キース・リチャーズはすごい…

北周二ら「弁護士独立・経営の不安解消Q&A」

さすがにこっちも独立して15年にもなるので特に参考にはなりませんでした。立ち入ったことまでしっかり書いてあって若い人にはいいと思うんだけど。誰か読みたいひといたら言ってください。

庄野潤三「愛撫 静物 庄野潤三初期作品集」「絵合わせ」「インド綿の服」

長距離移動中に庄野一気読み。 え!こんなの書いてたの?とびっくり幻滅した初期作品。夫である作家が妻の一人称で、不実な夫に対する妻の気持ちを書く、しかも、「魂が抜けたようになって」という表現は、まさに、太宰治「おさん」の「たましいの、抜けたひ…