弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子(ラベンダー法律事務所)の読書日記

江國香織「旅ドロップ」

江國らしいオシャレでルーズで自由な感じのエッセイ集。この人にはやっぱり、ひえたバターをふんだんにたべていてほしくて、スタバ的なカフェに気後れして1人で入れないみたいな自虐系女性作家エッセイみたいなことは書いてほしくなかった(そういうのが1…

東畑開人「野の医者は笑う 心の治療とは何か?」

「居るのはつらいよ」の東畑先生をもっと読んでみようと思いつつ、この「野の医者」は単なる行ってみた試してみた式の軽薄な本かもと先入観があって、より噛みごたえがありそうな「日本のありふれた心理療法」を読み始めたら、どうも先に「野の医者」を読む…

ブレイディみかこ「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」

イギリスの元底辺中学校の日常がこんなにもネタの宝庫。ライトな日常エッセイみたいなものかと気軽に読んだらとんでもなかったです。ミクロは焼き鳥の肉でマクロは焼き鳥の串。

ケース研究335号 DVと面会交流

・「医学的見地からのDV被害者の状況等について」 DVと母子それぞれのPTSDについて。Kita論文を引いて、DV家庭における親子の面会交流は慎重に判断されるべきである、と。 kita論文の全文↓(購入必要) ・「スモールステップの調査について~子ど…

西野博之「居場所のちから 生きてるだけですごいんだ」

人権擁護委員だからってことで送られてきてる「人権のひろば」2019年3月号でインタビューが載っててほおっとなったので。敵じゃあない、くらいのスタンスってのは田中康雄先生もよく書かれているような。「場」論は「居るのはつらいよ」も思い出しつつ…

こころの科学206号 子育て支援と虐待予防

人はこころの奥に隠された小部屋を持ち、足を踏み入れる唯一の人間は子どもである

判例タイムズ1460号 相続預金、移送、セクハラ懲戒解雇、実父の養育費、賃貸保証人

・「預貯金の共同相続に関する幾つかの問題」 ・最高裁平成31年2月12日決定 離婚訴訟の被告が提起した不貞相手への慰謝料請求訴訟について、人訴法8条1項の関連訴訟とした最高裁決定です(地裁に提訴→家裁へ移送)。 ・東京高裁平成31年1月23日…

こころの科学204号 子どもの”困った”感情

定期購読誌をふやした。「こころの科学」。必要があってバックナンバーを読んだらその他連載もよくて直近号も読んでこれは毎号読もうと。著者名読まずに記事読んで、これは!と著者名ふりかえってやはり!と納得とか折ったり線引いたり一人でさわがしい。 20…

京野哲也ら編著「Q&A若手弁護士からの相談 374 問」

拾い読みで、へー知らなかったがいくつかあったので勢いで通読しました。「チェックポイント」シリーズもそうですが定番の文献の紹介もあるのがよいです。

判例時報2403号 物価水準と婚姻費用

東京高裁平成30年4月19日決定 中国在住妻(中国国籍)から日本在住夫(日本国籍)への婚費請求で、物価水準を考慮すべきという夫主張を入れなかった原審判(算定表の枠内で考慮すべき)を変更して日本100:中国70で算定(生活費指数で考慮)するも…

二弁フロンティア2019年7月号 成年後見

「成年後見実務の運用と諸問題」 マニアックめだけど知りたいようなテーマのQ&A。 ・対立親族の本人囲い込みや本人が受診拒否事例での申立 ・死後事務委任契約 ・後見人報酬確保 ・終了後の計算報告の範囲、対象 ・対応困難本人と辞任

堂薗幹一郎ら編著「概説改正相続法」

このあいだ他会で改正相続法の講義の依頼があったけど結果としてお断りしてしまったのが申し訳なしですが、私は、講師が講師である必然性がなく単にお勉強の成果を披露するだけの研修、定例で何かやらなきゃいけないし若手に場数を踏ませておくかみたいな研…

判例時報2402号 医療訴訟における高齢者の死亡慰謝料

「医療訴訟における高齢者が死亡した場合の慰謝料に関する一考察」

春日武彦「緘黙 五百頭病院特命ファイル」

中井先生の深遠さにやられた頭直しに春日の小説に手を出してみました。春日臭すごくて、いい頭直しになりました。

中井久夫「治療文化論 精神医学的再構築の試み」

解説によれば中井先生の「全ての発想が流れ込んだ合流点」という本書。語りはやわらかいのに語られていることの難しさ、わかるようでわからなさを全体として受け止めることによって読後の意識には不可逆的な変容が生じているマジカル。 ・二次的疾病利得と正…

家庭の法と裁判20号 ハーグ、少年、親権者変更

・ハーグ子奪取条約の運用状況と課題 芝池先生ほか。 ・自立状態にある少年たちの特徴から見る処遇目標・良好措置における検討事項 不安定だと将来のことがイメージできない。サーチライトが届かない、小さな提灯しかない。 ・東京高裁平成30年5月29日…

加藤寛+最相葉月「心のケア 阪神・淡路大震災から東北へ」

これも「居るのはつらいよ」で引かれていたのだったか。 震災後半年での緊急出版的な趣の本。 PTSDは6年で7割は回復し、治療を受けても受けなくても同様。受けることで早く回復する。治療を受けても受けなくても回復できない人が3割いる。その要因は…

判例タイムズ1459号 医師の職務限定合意、養育費減額、共同経営と労働者性、胃がん結果通知遅れ、施設入所

・広島高裁平成31年1月10日決定 消化器外科部長を解任して新設のがん治療サポート副センター長に任命する配転命令について、雇用契約上の義務がないことの仮地位仮処分を認めた(認めなかった原決定を変更)高裁決定です。経緯を読むとおもしろいです。…

三浦瑠麗「孤独の意味も、女であることの味わいも」

女性の自伝ならひとまず読んでみるというだけだったのですが…びっくりしました。amazonのレビューに同じようなことがたくさん書いてありますが、なんか嫌いと思っている人でも読んでみたらいいのでは。 (追記↓) headlines.yahoo.co.jp この記事、わ…

金融法務事情2114号 相続法改正

「遺産分割前の預貯金債権の行使に関する理論的問題の整理」

ジュリスト1533号 弁護士倫理

「座談会 弁護士報酬と預か金管理」 完全成功報酬制(コンティンジェント・フィー)がどこまで許容されるか、医療事故周りでは気になるところで、どこから暴利なのかの議論など。海外では離婚事件での禁止(離婚を助長するおそれ)など。

判例時報2400号 法人の善意悪意

東京地裁平成29年10月27日 売主の瑕疵担保責任の売主の善意悪意の判断において、「中興の祖」である元代表取締役(現代表取締役の父)の認識をもとに悪意とした裁判例です。

金融法務事情2113号 配偶者居住権

「配偶者居住権と不動産競売」 配偶者居住権と抵当権の実行の対抗関係の整理。 配偶者が債務者である場合? 被相続人の債務を相続して債務者である場合?

片山杜秀「未完のファシズム 「持たざる国」日本の運命」

読めない期にあったときに「必読」と勧められてGWにやっと読んで(改元の読書としてふさわしかった)、そしてやっぱり必読です。第一次世界大戦の教訓として日本が何を得たか、そこからどうして第二次世界大戦につながったか。

判例時報2398号 支援金と不当利得

東京地裁平成30年9月27日判決 被災者生活再建支援法による支援金について、り災証明が修正されたことにより不当利得となるかどうか。本判決は棄却判決ですが、同じ9月に東京地裁で認容判決も出ています。

論究ジュリスト1532号 相続と登記、弁護士倫理

・「相続と登記 相続による不動産物件の承継の対抗要件」 ・「座談会 事件受任における弁護士倫理」

判例時報2395号 間接強制、ハーグ

・大阪高裁平成30年3月22日決定 面会交流の間接強制金を原決定の1回5万円から20万円に変更した高裁決定です。相手方は歯科医師で年収476万円。申立人から相手方への婚姻費用は月額21万円。 ・大阪高裁平成28年8月29日決定 ハーグ条約の子…

金融法務事情2110号 相続法改正

「相続預貯金の無権限払戻し(いわゆる勝手払い)と相続法改正」

ジュリスト1530号 相続法改正

「連載 相続と法実務 預貯金債権の共同相続」

家庭の法と裁判19号 相続法改正、婚姻費用、遺言無効、養育費減額

・「相続法改正における公証実務上の留意点」 ・東京高裁平成29年12月15日決定 高額収入と婚姻費用 ・東京高裁平成29年8月31日判決 認知症の公正証書遺言の遺言無効の認容例 ・大阪高裁平成28年10月13日決定 養育費の変更。私立高校進学し…