弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子の読書日記

日本弁護士連合会「日弁連研修叢書現在法律実務の諸問題 平成27年度研修版」「日弁連研修叢書現在法律実務の諸問題 平成26年度研修版」

山田知司「控訴審の審理と主張立証のあり方」(平成27年度版)と森野俊彦「最新版民事控訴審における主張と立証」(平成26年度版)を続けて読みました。 ・ 山田「控訴審の審理で争われているのは原判決ではないはずです。それに私の感覚でも、原判決が…

ケース研究329号 財産分与、対応困難者

・「財産分与に関する覚書」 東京家裁の財産分与の実務について。要チェックです。 退職金について「従前は、退職までに相当間があるような場合には分与対象とならないかのような議論があり、かつそれが有力であるような文献が散見されたが、現在の実務では…

金融法務事情2068号 弁護士受任と時効

東京地裁平成28年7月29日判決 債務整理の受任弁護士からの方針の回答が「民事再生か任意和解」というものでも、時効中断事由たる債務の承認とはならず、受任弁護士の放置による時効完成を受任弁護士自ら援用する場合でも信義則違反といえないという裁判…

判例時報2329号 未到来の養育費と仮差押

最高裁平成29年1月31日三小法廷決定 公正証書による養育費の支払期限未到来分を被保全債権として不動産に対する仮差押を却下した原審判断を是認した最高裁決定です。

高城剛「多動日記(1) 健康と平和 欧州編」

移動中に読むのにちょうど。

二弁フロンティア2017年7月号 時間外、成年後見

・残業代請求事件対応の基礎と最新実務~労働者側から~ ・東京三会合同研修会「成年後見実務の運用と諸問題」

河合隼雄「河合隼雄の幸福論」

幸福であると感じるための条件は、将来に対して希望が持てる、自分を越える存在とつながっているあるいは支えられていると感じることができるという二点。個より普遍に至る道がある。感情の火を適温に保つ。幸福は副産物。

筒井功「日本のアジールを訪ねて 漂泊民の居場所」

おおざっぱにはいわゆるサンカの系統の本ですが考察部分のサンカ批判はネチネチしているのでスルー。事実部分を興味深く読みました。

丸谷才一「笹まくら」

本当に「打ちのめされるようなすごい本」でした。 思考どおりに流れる文体と自在な回想が保坂みあり。戦中の明るさと戦後の冥さ!こまかな描写の昭和感!とにかくうまいしすごい、打ちのめされるというとおり!

ジェイムズ・P・ホーガン「創世記機械」

電気羊のあとに読んだのでよけいにやっぱりこういうのが好きだと思った。ホーガンならではの読み味の良さを指摘している人が多いけどほんとにそう。

フィリップ・K・ディック「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」

SFはライトノベル系が地雷でしかし選ぶ眼がないので何をよんでよいかわからず、とりあえず古典を読んでみようと思っててきとうに。しかしホーガンの後には薄すぎで、書き割りの舞台の悪い夢のようというか、わたしはこういう視野狭窄モノローグ暴走系はい…

ジェイムズ・P・ホーガン「未来からのホットライン」

ろうそくのくだり…「この蝋燭は、いま全体の4分の1ほどまで燃えているが、一時間かそこら前の宇宙ではまだちゃんとしたままだ。数時間後の宇宙には、たぶん影もかたちもないだろう。総体的な蝋燭というのは、その各時点のあいだ全体なのだ。」…これって、…

判例時報2328号 遺産分割、遺言無効

・東京高裁平成28年8月12日決定 不動産の換価競売と現金等の分割を命じる審判での分割方法。 ・東京地裁平成28年8月25日判決 公正証書遺言を遺言能力なしで遺言無効とした判決です。医師の見解と公証人の見解が詳しく引いてありつつ、公証人に対し…

判例時報2327号 養子縁組

・東京高裁平成27年2月12日判決 養子縁組について、原告の遺留分を減少させる目的がもっぱらで無効とした原判決を取り消して、有効とした高裁判決です。 ・名古屋高裁金沢支部平成28年9月14日判決 養子縁組について養親の意思能力を認め有効とした…

ジュリスト1507号 労働契約法

座談会 労働契約法の10年を振り返って 特に、合意と合理性、足しも引きもしないことと独り歩きについてなど。

判例タイムズ1435号 争点整理、面会交流

・「民事訴訟の争点整理手続の充実に向けた取組について 新人弁護士でもできる書面上の工夫」 ささやか論文。裁判所を信じている若さを感じつつ圧倒されます。 ・大阪高裁平成28年8月31日決定 非監護親(母・中国籍)が求めた面会交流について、監護親…

曽野綾子「私日記9 歩くことが生きること」「私日記1 運命は均される」「堕落と文学 作家の日常、私の仕事場」

最新刊が私日記9。お元気だなーと感心しながら読んでいくと、講演中に倒れかけて講演はやめることにしたり、そして終盤、朱門さん入院と息子さん手術のあたりの緊迫感。ガラリと優先順位がいれかわるこの透徹した感じ。 これまでの刊行ペースだと続刊は3年…

石井光太「世界の産声に耳を澄ます」

奥様の出産をきっかけに世界の出産をめぐる旅に出るって業が深いなー。曽野綾子さんがいつも書いてるような厳しい現実です。

石井光太「津波の墓標」

ネヴィル・シュート「渚にて 人類最後の日」

曽野綾子さんが日記で触れてたからという理由でのコレ。WEBで感想などみると、科学的にはナンセンスらしいですが、読み物としてはよかったです。

壇蜜「泣くなら、ひとり」

作家の日記がもっと読みたい!と思ってしかしちょっと違うだろうと思いつつのコレ…。で、私は、益田ミリとか角田光代みたいな自虐卑下系の女性エッセイはイヤなんだけど世の中にそういう需要が強いのかそういうのって本当に多くて、これもやっぱりそれ系でし…

杉江松恋「ある日うっかりPTA」

小学生母になったので勉強のために。シゴトじゃないコミュニティの人間関係って大変よね、と、PTA以外のアレコレのことなど思い起こしながら、良書です。

判例時報2325号 面会交流と親権者指定

・東京高裁平成29年1月26日判決 例の面会100日で親権者父判決の控訴審判決です。親権者母とし、母による連れ出し別居は親権者指定の障害とはならないと。

曽野綾子「私日記8 人生はすべてを使いきる 悪い運もいい運も」

曽野綾子はかなり昔は小説をそれなりに読んでたもののこのごろはよくトンデモ発言が取り上げられ叩かれてるのを見てなんとなくわざわざ読む人じゃない感じでいたけど、たまたま書店で見かけて、日記ならおもしろいかもと(作家の日記が好きなので)手を出し…

庄野潤三「鳥の水浴び」

書いてることがいよいよ同じことの繰り返しで、前のような題材と題材のマジカルなつながりなんかもなくて、枯淡恬淡という感じ。

山中伸弥ほか「僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう」

このひとたちの話がおもしろくないわけはないので読む価値はあるのですが、しかし読んでもやっぱり、どなたも最初から何者かではあったと思えてしまうのでタイトルには偽りがあるような。永田氏は理系の論理と文学をあわせもっていろいろ語れる方だとあらた…

金融法務事情2065号 相続預金

「相続預貯金の遺産分割に関する家裁実務 最大決平28.12.19を受けて」 運用、書式など。

原田國男「裁判の非情と人情」

「日本のどこかに私を待ってる事件がある」

判例タイムズ1434号 間接被害、監護者指定

・「間接被害者の損害賠償請求」 ・大阪高裁平成28年8月31日決定 母からの監護者指定、引渡申立を却下した原審について、双方の監護体制の調査を尽くすべきとして取り消して差し戻した高裁決定です。母側には、監護していた当時、男性関係、父に「子ど…

論究ジュリスト21号 名誉毀損、発信者情報開示

「インターネット上の表現に関する名誉毀損訴訟・発信者情報開示訴訟」 飲食店の評価などは名誉毀損に当たらない方向で解釈できないかという方向性、などなど。

判例時報2323号 面会交流、間接強制

・東京地裁立川支部平成28年2月5日判決 面会交流を命じる審判が未確定(抗告中)段階での不実施について原告(父)からの損害賠償請求を認めず、また、原告が審判記録中の書面を謄写して担任教諭や小学校当に郵送したことについて、プライバシー侵害で損…

松浦理英子「最愛の子ども」

長距離バス車内にて。 女子高校生の群像劇、若者の自意識、いくら鮮烈でももはやあんまり興味ないなあと思いつつサラサラと読んでいて、中盤、「あの人」のくだりで急にぐっときて(若者の生々しい生きざまより時間差をつけて振り返るこの部分の感じ!)、そ…

こだま「夫のちんぽが入らない」

怪作。こういうふうにしか生きられないものか?もうちょっと手前でなんとかして無難な人生になれなかったものだろうか??と思ってしまうけど、きっとそうなんだろうし、本人的に昇華できたからこうやって書けているんだよね? リアルには他人のことって、つ…

保坂和志「試行錯誤に漂う」

12月から半年かけて読んだ。いろんなことがあった半年であった。 「出来事や行為には現在という時点から前に向かうプロセスしかない。」「生徒根性」「山の向こうに山以上の何かがあるのではなく、山がある。山を見て人が山より大いなる何かを予感したのだ…

堀江貴文「すべての教育は洗脳である」

子どもを枠にはめつつ個性を保たせつつのあんばいって難しいと思い読んでみたけどそういう参考にはならず。

竹内久美子「本当は怖い動物の子育て」

動物の子育ての怖い部分と、人間の行動がそれで説明ついてしまう部分は、身もふたもなく言えばそのとおりで、だからこそ衣食足りて動物に堕ちない保障をどうやって実現していくか。

キャスリーン・フリン「ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室」、土井善晴「一汁一菜でよいという提案」

ダメ女の、丸鶏をさばくのくだりは、日本だったら魚をおろすという感じでしょうか。 一汁一菜は、一周回った着地点。おみそしるの画像がちっともおいしそうじゃないのはこれでよいというわざとなんだと思うけど、やっぱりおいしそうじゃない…

西村匡史「悲しみを抱きしめて 御巣鷹・日航機墜落事故の30年」

論究ジュリスト20号 相続改正、菅野労働法

「特集 相続法制の見直しに向けた課題」 「菅野和夫先生に聴く」 温泉地にカンヅメになって執筆とか楽しそうです。

村上春樹・川上未映子「みみずくは黄昏に飛びたつ」

「能動的に待ち受ける」「僕よりうまく書けるやつは少ない」「どや、悪いようにはせんかったやろ」「高揚感とどうだ感」 集合的無意識って神林も言ってたなとか、保坂はなんだかんだいって物語が書けないからなー、とか。言いたいことを言いたいままに言うの…

判例時報2322号 養育費と私立高校、入寮

大阪高裁平成28年10月13日決定 子が私立高校に入学・入寮したこと(食費・光熱費の負担減)、義務者の再婚・養子縁組という事情を前提に、養育費を算定した高裁決定です。私立高校の学費部分について考慮するのみで、入寮による食費・光熱費の負担減を…

家庭の法と裁判2017年春号 預貯金と遺産分割、面会交流

・特集預貯金債権と遺産分割最高裁大法廷平成28年12月19日決定「座談会 大法廷決定をめぐって」 相続後の家賃など入金と基準時、仮分割の仮処分(書式、案内文書案) ・東京高裁平成28年4月26日決定 父が長女(11歳)二女(8歳)との面会を求…

金融法務事情2063号 預貯金と遺産分割

「鼎談 11の事例から考える相続預金大法廷決定と今後の金融実務」

NBL1095号 交渉道

若手実務家のための国際契約交渉の心得 わたしは若手でもなく国際契約なんて関係なしですが、よいことがいろいろ書かれている連載でした。

判例タイムズ1433号 不貞、有責配偶者と婚姻費用

大阪高裁平成28年3月17日決定 不貞行為をした妻からの婚費請求について、妻分も含めた婚費を認めた原審判を変更し、子の養育費部分についてのみ認めた高裁決定です。子が私立学校で音楽を専攻していることによる特別経費(月謝、交通費)、私立学校の学…

新民事執行実務14号 子の引渡執行

特集子の引渡執行の現状と課題 竹田裁判官(当地の家裁所長)が司会の座談会など。

金融法務事情2061号 登録自動車の留保所有権と倒産

大阪地裁平成29年1月13日判決 立替払委託方式で法定代位構成を認めて別除権行使可能とした地裁判決。その他議論状況。

今野勉「宮澤賢治の真実」

なんとなく流して読んでしまっていた詩句を深掘りした解釈になるほどとうなるばかり。「この命題は可逆的にもまた正しく」のところとか…そうか。といいつつ、いまいろいろ見ていたらこの「可逆的」を違く深掘りしているブログもあって、それも、なるほどそう…

奥野修司「魂でもいいから、そばにいて」

河野裕子「体あたり現代短歌」