弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子(ラベンダー法律事務所)の読書日記

単行本

日本テレビ報道局天皇取材班「昭和最後の日 テレビ報道は何を伝えたか」

平成最後の日を前に、ということで家にあったので読みました。報道や取材のありかたをいろいろ正当化しているものの、こういうありさまがまさにマスコミの悪いところとしか思えず、共感できないままでした。時系列をなぞっているだけで深みはなく特におもし…

里見清一「見送ル」

読み途中も含めてコレ系を洋モノばかり読んできたのでたまに和モノも。 あまりエキセントリックだったり悲憤慷慨調や露悪的にすぎるものには触れたくないので冒険でしたが、これは文体が自分に酔った男調紙一重ながらそういう意味ではセーフで内容もごもっと…

Jerome Groopman MD「決められない患者たち」

「誰かをそのまま死なせてやることはとても簡単だが、誰かを救い、生きていると実感させるには努力と決意そしてスタミナがいる」 「自立性」「与益」「無危害」 「信じる者と疑う者」「最大限主義者と最小限主義者」「自然志向と技術志向」 「治療必要数」「…

中野信子「ヒトは「いじめ」をやめられない」

なぜいじめは起こるのでしょうか。なぜ人は人をいじめてしまうのでしょうか。 これは、脳科学ばかりでなく数理社会学や行動社会学などの見解も、いじめをはじめとする社会的排除行為が、ヒトが種として存続することを有利にしてきたことを示唆しています。 …

曽野綾子「夫の後始末」

強者礼賛の気があったことを認めつつ、そうはいかない状況の自分を振り返っているところ、最後のあがき、あがくことを、必要なこととして肯定しているところが印象的でした。

高梨ゆき子「大学病院の奈落」

「ラーニングカーブ」は仕方ない、ではなく、十分な指導体制、管理体制で回避すべきこと。

仲野徹「こわいもの知らずの病理学講義」

通読するとかしこくなったような気になれます。

ダン・オルヴェウス「オルヴェウス・いじめ防止プログラム」

オルヴェウスいじめ防止プログラム読み中。まだ序盤。アメリカでいじめ対策が進んだきっかけは、学校での銃乱射事件と。いじめを受けた子どもによる銃乱射多発で。そ、そうか…posted at 15:48:21いじめている生徒どうしのグループ対応は逆効果。いじめている…

ケイト・コーエン・ポージー「いじめられっ子の流儀」

普通に交渉術本の一種としても参考になりました。

川内有緒「パリの国連で夢を食う。」

パリに住んで国連に勤める生活を追体験できる楽しさもありつつ、人生の転機の小さい小石のくだりはほんとにそう。

佐久間裕美子「ピンヒールははかない」

セキュアであること、「comfortable in you own skin」。

シェリル・サンドバーグ「OPTION B 逆境、レジリエンス、そして喜び」

「Unfinished Business」が「LEAN IN」を超えているあいだに、シェリルもその先に行っているという感じ。

柴﨑哲夫、牧田謙太郎「裁判官はこう考える 弁護士はこう実践する 民事裁判手続」

書かれていることは志高めのスタンダード、変だったり鼻につくようなところもなく、感覚的に思ってることを、やっぱりそうよね、とスイスイ読めてところどころ参考になるので、それなりに年数経った者も読んでおくとよい本です。

アン=マリー・スローター「仕事と家庭は両立できない? 女性が耀く社会のウソとホント」

個人事務所で弁護士業やってるなんてのは組織の中のキャリアアップと比べればまことにお気楽なもので、しかし傍目からは仕事と家庭を見事に両立していると見えるようでそう言われるとそれは別に否定しない、いちいち謙遜するのもまだるっこしいのでそんなこ…

浜屋祐子、中原淳「育児は仕事の役に立つ」

かくありたい状態と足元の現実と、考えると心もとないけど、理想論の部分が現実的にどうかはともかく、書かれていることはそのとおりと思います。 ひとさまの感想を見ていたときに出てきたこちら。 「育児は仕事の役に立つ」を読んで、モヤモヤがやってきた…

桜木紫乃「砂上」

この著者らしい乾いた情感がさらにハードになってるような。桐野が今よりもっとキレてたころ、ミロシリーズの最後の方みたいな感じ。よいです!

神林長平「いま、集合的無意識を」

もうこのさい神林じゃなくてもいいから「膚の下」みたいなSFが読みたい。黙って「膚の下」を再読してよう。

神澤志万「国会女子の忖度日記」

働く女子モノ枠、アタマ休めに。

ブレィディみかこ「子どもたちの階級闘争 ブロークン・ブリテンの無料託児所から」

地べたからしか書けないという著者の柔軟な文体でつづられる衝撃的なエピソードたち。 イギリスの底辺がヴィクトリア朝状態で、しかしそこで底辺の人たちを救おうとする気骨のある人たちがいて捨てたものでないのもまたイギリスの底力。 たくさん書評出てい…

カーリー・フィオリーナ「私はこうして受付からCEOになった」

原題は「Tough Choices」。まさしくそうだなあ!

南直哉、為末大「禅とハードル」

南師(呼び方!)は、自分のようなものの言葉に惹かれる人はあぶないというけどやっぱりぐっとくるのよね。ほんとぐっとくるな~南師はすごいなあ好きだ!と思いつつ、もし自分の子どもが南師だったら途中経過は母としてはつらいだろうなあなど。 例えば神を…

神林長平「フォマルハウトの三つの燭台」

だから内向的モノローグ系の作品はもう読みたくないんだってば、と思いつつ、最後の壮大感は好きでした。

YM「KSN」

読み切ってないし悪口なのでイニシャル化。 アタマ休めのSFを求めてなんとなく買ったけど描写の陳腐さに耐えきれず18%くらいまで読んで断念。ひどかった。 ビジネスの場面での登場人物のセリフがありえない感じないのとか、60代半ばのひとを「かくし…

伊坂幸太郎「AX」

最初は読んでも読んでも退屈な内容でどうしたかと思ったけど、最後はまあ伊坂だねってなりました。わかりやすいおもしろさを打ち出すのを控えているのかな、それとも恐妻エピソードが私にとって別におもしろく思えないだけなのか。

ジェーン・スー「今夜もカネで解決だ」

ほんとにやわらかいものしか読みたくない精神状態で(今回の更新群に文句が多いのもこのあたりがなんかあるのかもだけど)。こんなジプシー状態にならないで決まったところに定期的に通えばいいのにとしか思えなくて、こういう自虐風味の、わかっちゃいるけ…

野島梨恵「私の愛すべき依頼者たち」

内容的には普通にフムンというか中村先生の前説の言い当てっぷりがさすがと思いつつ、めんどくさいとか自分の仕事の範囲はここまでとか、依頼者層が読むとどうかと思いそうな微妙なことをすごく正直に書くのね…。

国谷裕子「キャスターという仕事」

中井久夫「いじめのある世界に生きる君たちへ」

大人に相談することは最後の尊厳を明け渡すことだからできないというくだり。 人は誰でも子どもでも持っている尊厳意識。私の胎から出ただけの何者でもない子でも、いつの間にか自分なりの侵すべからざる尊厳意識を持っているのだなーと不思議に思うことがあ…

河原理子「フランクル夜と霧への旅」

フランクルの立場の難しさ、告発しないこと、新訳誕生のくだり。

テッド・チャン「あなたの人生の物語」

ハードSFと叙情と哲学と信仰と! これがデビューからの全作品集というのがすごい! そして特に、「地獄とは神の不在なり」。信仰とは神の実在ではなくその不条理さを受け入れることという本質がSF的手法によってきわめて巧みに表現されています。いるか…