弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子の読書日記

単行本

南直哉、為末大「禅とハードル」

南師(呼び方!)は、自分のようなものの言葉に惹かれる人はあぶないというけどやっぱりぐっとくるのよね。ほんとぐっとくるな~南師はすごいなあ好きだ!と思いつつ、もし自分の子どもが南師だったら途中経過は母としてはつらいだろうなあなど。 例えば神を…

神林長平「フォマルハウトの三つの燭台」

だから内向的モノローグ系の作品はもう読みたくないんだってば、と思いつつ、最後の壮大感は好きでした。

YM「KSN」

読み切ってないし悪口なのでイニシャル化。 アタマ休めのSFを求めてなんとなく買ったけど描写の陳腐さに耐えきれず18%くらいまで読んで断念。ひどかった。 ビジネスの場面での登場人物のセリフがありえない感じないのとか、60代半ばのひとを「かくし…

伊坂幸太郎「AX」

最初は読んでも読んでも退屈な内容でどうしたかと思ったけど、最後はまあ伊坂だねってなりました。わかりやすいおもしろさを打ち出すのを控えているのかな、それとも恐妻エピソードが私にとって別におもしろく思えないだけなのか。

ジェーン・スー「今夜もカネで解決だ」

ほんとにやわらかいものしか読みたくない精神状態で(今回の更新群に文句が多いのもこのあたりがなんかあるのかもだけど)。こんなジプシー状態にならないで決まったところに定期的に通えばいいのにとしか思えなくて、こういう自虐風味の、わかっちゃいるけ…

野島梨恵「私の愛すべき依頼者たち」

内容的には普通にフムンというか中村先生の前説の言い当てっぷりがさすがと思いつつ、めんどくさいとか自分の仕事の範囲はここまでとか、依頼者層が読むとどうかと思いそうな微妙なことをすごく正直に書くのね…。

国谷裕子「キャスターという仕事」

中井久夫「いじめのある世界に生きる君たちへ」

大人に相談することは最後の尊厳を明け渡すことだからできないというくだり。 人は誰でも子どもでも持っている尊厳意識。私の胎から出ただけの何者でもない子でも、いつの間にか自分なりの侵すべからざる尊厳意識を持っているのだなーと不思議に思うことがあ…

河原理子「フランクル夜と霧への旅」

フランクルの立場の難しさ、告発しないこと、新訳誕生のくだり。

テッド・チャン「あなたの人生の物語」

ハードSFと叙情と哲学と信仰と! これがデビューからの全作品集というのがすごい! そして特に、「地獄とは神の不在なり」。信仰とは神の実在ではなくその不条理さを受け入れることという本質がSF的手法によってきわめて巧みに表現されています。いるか…

沼田真佑「影裏」

マイノリティとかはちょっとした味つけでそんなに取り上げることだろうかと思えて、語りの加減が、語られないけれど影のように浮かび上がる事情とか、絶妙。

三砂ちづる「死にゆく人のかたわらで ガンの夫を家で看取った二年二ヶ月」

主張部分はアレレ?という部分も多いので、そういう前提で。

藤子不二雄A「トキワ荘青春日記」

正月に実家で原稿落としまくってというダメっぷりと、ほされてからの復活。

松永正訓「運命の子トリソミー 短命という定めの男の子を授かった家族の物語」

倫理は思弁ではない、行動である。

ダニエル・オーフリ「医師の感情 平静の心がゆれるとき」

医療過誤事件を扱う弁護士として、医師の責任と弁護士の責任の相似と相違はよく考えるし、考えながら読みました。弁護士の描かれ方に、反省もあったり。

小島慶子「るるらいらい 日豪往復出稼ぎ日記」

オーストラリアに住めばいいんじゃない?とひらめく瞬間のひらめき感がまぶしく、すべてを言葉にせずにいられない業のふかさがつらそう。読み切りと連載、絆と溝。

日本弁護士連合会「日弁連研修叢書現在法律実務の諸問題 平成27年度研修版」「日弁連研修叢書現在法律実務の諸問題 平成26年度研修版」

山田知司「控訴審の審理と主張立証のあり方」(平成27年度版)と森野俊彦「最新版民事控訴審における主張と立証」(平成26年度版)を続けて読みました。 ・ 山田「控訴審の審理で争われているのは原判決ではないはずです。それに私の感覚でも、原判決が…

高城剛「多動日記(1) 健康と平和 欧州編」

移動中に読むのにちょうど。

河合隼雄「河合隼雄の幸福論」

幸福であると感じるための条件は、将来に対して希望が持てる、自分を越える存在とつながっているあるいは支えられていると感じることができるという二点。個より普遍に至る道がある。感情の火を適温に保つ。幸福は副産物。

筒井功「日本のアジールを訪ねて 漂泊民の居場所」

おおざっぱにはいわゆるサンカの系統の本ですが考察部分のサンカ批判はネチネチしているのでスルー。事実部分を興味深く読みました。

丸谷才一「笹まくら」

本当に「打ちのめされるようなすごい本」でした。 思考どおりに流れる文体と自在な回想が保坂みあり。戦中の明るさと戦後の冥さ!こまかな描写の昭和感!とにかくうまいしすごい、打ちのめされるというとおり!

ジェイムズ・P・ホーガン「創世記機械」

電気羊のあとに読んだのでよけいにやっぱりこういうのが好きだと思った。ホーガンならではの読み味の良さを指摘している人が多いけどほんとにそう。

フィリップ・K・ディック「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」

SFはライトノベル系が地雷でしかし選ぶ眼がないので何をよんでよいかわからず、とりあえず古典を読んでみようと思っててきとうに。しかしホーガンの後には薄すぎで、書き割りの舞台の悪い夢のようというか、わたしはこういう視野狭窄モノローグ暴走系はい…

ジェイムズ・P・ホーガン「未来からのホットライン」

ろうそくのくだり…「この蝋燭は、いま全体の4分の1ほどまで燃えているが、一時間かそこら前の宇宙ではまだちゃんとしたままだ。数時間後の宇宙には、たぶん影もかたちもないだろう。総体的な蝋燭というのは、その各時点のあいだ全体なのだ。」…これって、…

曽野綾子「私日記9 歩くことが生きること」「私日記1 運命は均される」「堕落と文学 作家の日常、私の仕事場」

最新刊が私日記9。お元気だなーと感心しながら読んでいくと、講演中に倒れかけて講演はやめることにしたり、そして終盤、朱門さん入院と息子さん手術のあたりの緊迫感。ガラリと優先順位がいれかわるこの透徹した感じ。 これまでの刊行ペースだと続刊は3年…

石井光太「世界の産声に耳を澄ます」

奥様の出産をきっかけに世界の出産をめぐる旅に出るって業が深いなー。曽野綾子さんがいつも書いてるような厳しい現実です。

石井光太「津波の墓標」

ネヴィル・シュート「渚にて 人類最後の日」

曽野綾子さんが日記で触れてたからという理由でのコレ。WEBで感想などみると、科学的にはナンセンスらしいですが、読み物としてはよかったです。

壇蜜「泣くなら、ひとり」

作家の日記がもっと読みたい!と思ってしかしちょっと違うだろうと思いつつのコレ…。で、私は、益田ミリとか角田光代みたいな自虐卑下系の女性エッセイはイヤなんだけど世の中にそういう需要が強いのかそういうのって本当に多くて、これもやっぱりそれ系でし…

杉江松恋「ある日うっかりPTA」

小学生母になったので勉強のために。シゴトじゃないコミュニティの人間関係って大変よね、と、PTA以外のアレコレのことなど思い起こしながら、良書です。