弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子(ラベンダー法律事務所)の読書日記

単行本

ローレン・グロフ「運命と復讐」

「オバマが愛読した恋愛小説」と聞いてつい読んでしまった、というような書評に接して私もやっぱりつい読んでしまったのですが、これはほんとに素晴らしかったです。 男と女のありかた、男は単純に信じていれば幸せな生活と女が固く守る秘密と、魅力あり注目…

クリスチャン・ザイデル「女装して、一年間暮らしてみました。」

そんなに友人が離れてったりするものなのかあ。せっかくだからもっと写真とか見てみたいと思ったのですがWEB上にも全然ないのね。

「弁護士が悩む不動産に関する法律相談」「弁護士が悩む高齢者に関する法律相談」

特に不動産の方、へーそんなことがと思うような事例の紹介が多く、読む価値あります。 そして座談会…、なんか迷走したやりとりも含めナマのまま出しすぎで、もうちょっとキレイにしないのかなあと思う部分も。 でもまあ、「家族」も含めたこれらシリーズ3冊…

ジャンナ・レヴィン「重力波は歌う」

訳の関係なのか、叙述は読みやすいとはいえない、わかりやすくも上手でも決してないのですが、我慢して読むと、「果敢で壮大な艱難辛苦の営み」「愚者の野心」のすごさがよくわかります。報われてよかったし実は騒がしいのかもしれない宇宙のことがもっとわ…

神林長平「オーバーロードの街」

有羽が神になるあたり、「膚の下」感があってぐっときました。記者の内向的モノローグとか、記者とスパイの気取った会話とかはいかにも神林な部分ではありますが、私はこういう神林っぽさはイヤなんですよ。でも「人間というのは自分がなりたいと思う人間に…

神林長平「ぼくらは都市を愛していた」

ミウの物語とカイムの物語がどうやってつながるのか、どこに連れて行かれるかわからんと思いつつ読んでたらこうなるとは! さすが神林です。 「情報震」という世界観も、緑の廃墟も、観念上の?都市の情景も美しい。

石光真人「ある明治人の記録 会津人柴五郎の遺書」

明治維新に際し、朝敵の汚名を着せられた会津藩。降伏後、藩士は下北半島の辺地に移封され、寒さと飢えの生活を強いられた。明治三十三年の義和団事件で、その沈着な行動により世界の賞讃を得た柴五郎は、会津藩士の子であり、会津落城に自刃した祖母、母、…

岡口基一・中村真「裁判官!当職そこが知りたかったのです。」

裁判所の内部事情についてフーンとなり、やわらかく読めます。 しかし本当に勉強になるのは「裁判官はこう考える 弁護士はこう実践する 民事裁判手続」の方で、私はこちらを推します。

アビー・スミス「なんで、「あんな奴ら」の弁護ができるのか?」

無罪となった被告人から弁護人へ「あなたのために、本当によかった」 「人は、これまでに人生で行った中で最悪のもの以上の存在である」 「弁護人は、肉体、血、評判、恥、不名誉と名誉を扱うのと同様に、妻、父、母、そして子を扱っているのである」 「「あ…

未就学時期の育児書まとめ

子どもが未就学時期に読んだ育児書をふりかえってまとめてみました。 ほんとはもっと読んでいますが、それなりにお勧めできると思えるもの+kindle内でふりかえれる範囲だけです。 ここで挙げた本はぜんぶkindle版あります。育児中の読書にはkindle必携と思…

日本テレビ報道局天皇取材班「昭和最後の日 テレビ報道は何を伝えたか」

平成最後の日を前に、ということで家にあったので読みました。報道や取材のありかたをいろいろ正当化しているものの、こういうありさまがまさにマスコミの悪いところとしか思えず、共感できないままでした。時系列をなぞっているだけで深みはなく特におもし…

里見清一「見送ル」

読み途中も含めてコレ系を洋モノばかり読んできたのでたまに和モノも。 あまりエキセントリックだったり悲憤慷慨調や露悪的にすぎるものには触れたくないので冒険でしたが、これは文体が自分に酔った男調紙一重ながらそういう意味ではセーフで内容もごもっと…

Jerome Groopman MD「決められない患者たち」

「誰かをそのまま死なせてやることはとても簡単だが、誰かを救い、生きていると実感させるには努力と決意そしてスタミナがいる」 「自立性」「与益」「無危害」 「信じる者と疑う者」「最大限主義者と最小限主義者」「自然志向と技術志向」 「治療必要数」「…

中野信子「ヒトは「いじめ」をやめられない」

なぜいじめは起こるのでしょうか。なぜ人は人をいじめてしまうのでしょうか。 これは、脳科学ばかりでなく数理社会学や行動社会学などの見解も、いじめをはじめとする社会的排除行為が、ヒトが種として存続することを有利にしてきたことを示唆しています。 …

曽野綾子「夫の後始末」

強者礼賛の気があったことを認めつつ、そうはいかない状況の自分を振り返っているところ、最後のあがき、あがくことを、必要なこととして肯定しているところが印象的でした。

高梨ゆき子「大学病院の奈落」

「ラーニングカーブ」は仕方ない、ではなく、十分な指導体制、管理体制で回避すべきこと。

仲野徹「こわいもの知らずの病理学講義」

通読するとかしこくなったような気になれます。

ダン・オルヴェウス「オルヴェウス・いじめ防止プログラム」

オルヴェウスいじめ防止プログラム読み中。まだ序盤。アメリカでいじめ対策が進んだきっかけは、学校での銃乱射事件と。いじめを受けた子どもによる銃乱射多発で。そ、そうか…posted at 15:48:21いじめている生徒どうしのグループ対応は逆効果。いじめている…

ケイト・コーエン・ポージー「いじめられっ子の流儀」

普通に交渉術本の一種としても参考になりました。

川内有緒「パリの国連で夢を食う。」

パリに住んで国連に勤める生活を追体験できる楽しさもありつつ、人生の転機の小さい小石のくだりはほんとにそう。

佐久間裕美子「ピンヒールははかない」

セキュアであること、「comfortable in you own skin」。

シェリル・サンドバーグ「OPTION B 逆境、レジリエンス、そして喜び」

「Unfinished Business」が「LEAN IN」を超えているあいだに、シェリルもその先に行っているという感じ。

柴﨑哲夫、牧田謙太郎「裁判官はこう考える 弁護士はこう実践する 民事裁判手続」

書かれていることは志高めのスタンダード、変だったり鼻につくようなところもなく、感覚的に思ってることを、やっぱりそうよね、とスイスイ読めてところどころ参考になるので、それなりに年数経った者も読んでおくとよい本です。

アン=マリー・スローター「仕事と家庭は両立できない? 女性が耀く社会のウソとホント」

個人事務所で弁護士業やってるなんてのは組織の中のキャリアアップと比べればまことにお気楽なもので、しかし傍目からは仕事と家庭を見事に両立していると見えるようでそう言われるとそれは別に否定しない、いちいち謙遜するのもまだるっこしいのでそんなこ…

浜屋祐子、中原淳「育児は仕事の役に立つ」

かくありたい状態と足元の現実と、考えると心もとないけど、理想論の部分が現実的にどうかはともかく、書かれていることはそのとおりと思います。 ひとさまの感想を見ていたときに出てきたこちら。 「育児は仕事の役に立つ」を読んで、モヤモヤがやってきた…

桜木紫乃「砂上」

この著者らしい乾いた情感がさらにハードになってるような。桐野が今よりもっとキレてたころ、ミロシリーズの最後の方みたいな感じ。よいです!

神林長平「いま、集合的無意識を」

もうこのさい神林じゃなくてもいいから「膚の下」みたいなSFが読みたい。黙って「膚の下」を再読してよう。

神澤志万「国会女子の忖度日記」

働く女子モノ枠、アタマ休めに。

ブレィディみかこ「子どもたちの階級闘争 ブロークン・ブリテンの無料託児所から」

地べたからしか書けないという著者の柔軟な文体でつづられる衝撃的なエピソードたち。 イギリスの底辺がヴィクトリア朝状態で、しかしそこで底辺の人たちを救おうとする気骨のある人たちがいて捨てたものでないのもまたイギリスの底力。 たくさん書評出てい…

カーリー・フィオリーナ「私はこうして受付からCEOになった」

原題は「Tough Choices」。まさしくそうだなあ!