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弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子の読書日記

曽野綾子「私日記8 人生はすべてを使いきる 悪い運もいい運も」

曽野綾子はかなり昔は小説をそれなりに読んでたもののこのごろはよくトンデモ発言が取り上げられ叩かれてるのを見てなんとなくわざわざ読む人じゃない感じでいたけど、たまたま書店で見かけて、日記ならおもしろいかもと(作家の日記が好きなので)手を出し…

庄野潤三「鳥の水浴び」

書いてることがいよいよ同じことの繰り返しで、前のような題材と題材のマジカルなつながりなんかもなくて、枯淡恬淡という感じ。

山中伸弥ほか「僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう」

このひとたちの話がおもしろくないわけはないので読む価値はあるのですが、しかし読んでもやっぱり、どなたも最初から何者かではあったと思えてしまうのでタイトルには偽りがあるような。永田氏は理系の論理と文学をあわせもっていろいろ語れる方だとあらた…

原田國男「裁判の非情と人情」

「日本のどこかに私を待ってる事件がある」

松浦理英子「最愛の子ども」

長距離バス車内にて。 女子高校生の群像劇、若者の自意識、いくら鮮烈でももはやあんまり興味ないなあと思いつつサラサラと読んでいて、中盤、「あの人」のくだりで急にぐっときて(若者の生々しい生きざまより時間差をつけて振り返るこの部分の感じ!)、そ…

こだま「夫のちんぽが入らない」

怪作。こういうふうにしか生きられないものか?もうちょっと手前でなんとかして無難な人生になれなかったものだろうか??と思ってしまうけど、きっとそうなんだろうし、本人的に昇華できたからこうやって書けているんだよね? リアルには他人のことって、つ…

保坂和志「試行錯誤に漂う」

12月から半年かけて読んだ。いろんなことがあった半年であった。 「出来事や行為には現在という時点から前に向かうプロセスしかない。」「生徒根性」「山の向こうに山以上の何かがあるのではなく、山がある。山を見て人が山より大いなる何かを予感したのだ…

堀江貴文「すべての教育は洗脳である」

子どもを枠にはめつつ個性を保たせつつのあんばいって難しいと思い読んでみたけどそういう参考にはならず。

竹内久美子「本当は怖い動物の子育て」

動物の子育ての怖い部分と、人間の行動がそれで説明ついてしまう部分は、身もふたもなく言えばそのとおりで、だからこそ衣食足りて動物に堕ちない保障をどうやって実現していくか。

キャスリーン・フリン「ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室」、土井善晴「一汁一菜でよいという提案」

ダメ女の、丸鶏をさばくのくだりは、日本だったら魚をおろすという感じでしょうか。 一汁一菜は、一周回った着地点。おみそしるの画像がちっともおいしそうじゃないのはこれでよいというわざとなんだと思うけど、やっぱりおいしそうじゃない…

西村匡史「悲しみを抱きしめて 御巣鷹・日航機墜落事故の30年」

今野勉「宮澤賢治の真実」

なんとなく流して読んでしまっていた詩句を深掘りした解釈になるほどとうなるばかり。「この命題は可逆的にもまた正しく」のところとか…そうか。といいつつ、いまいろいろ見ていたらこの「可逆的」を違く深掘りしているブログもあって、それも、なるほどそう…

奥野修司「魂でもいいから、そばにいて」

河野裕子「体あたり現代短歌」

山本潤「13歳、「私」をなくした私」

ルポ児童相談所

村上春樹「騎士団長殺し」

ライトノベルかと思うような上っつらな人物像や舞台装置のこっぱずかしさを我慢しながら読んでいくと最終的には言わんとすることの核はわかるしそうだねって思うけど、読ませるための仕掛けをこんなにもちりばめなきゃだめなのかなあって思ってしまう。 でも…

藤沢数希「損する結婚儲かる離婚」

まあありていに言えばそういうことよね、ということが書いてある本です。当事者向け。弁護士は綺麗事しか言わないからこういうことを言ってくれないってあるけど、私はこれくらいはけっこう言いますけどね…。 普通の人は○○と誤解しているがこうだ、という箇…

小島信夫「靴の話/眼 小島信夫家族小説集」

保坂と庄野潤三と島尾敏雄が読めっていうのでとうとう読んでみた小島信夫のよさがまったくもって分からない我が身の悲しさよ。 視野狭窄的な文体が神林っぽい。「この世に2、3人しかいないと思ってるんじゃないの?」と妻に言われる場面なんて、ほんとそう…

江國香織「なかなか暮れない夏の夕暮れ」

何が起きるわけでもない日常の描写ですが(大竹氏の身の上には大変なことが起きますが扱いは気の毒なほど脇筋)、妙におもしろい。これ、好きです。USキッズランドなんていう読書向きでない空間で立ったり座ったりしながらこれを読んでると、読書中毒の稔…

久保利英明「久保利英明ロースクール講義 君は正義のために闘えるか?」

なんとなく読みましたがまあ別に勧めません。登場してるひとに興味があればという感じでしょうか。私は自分が個人のミニマム事務所でいくと決めているので田中早苗先生の個人事務所の勧めに励まされました。

吉田勝次「洞窟ばか」

おもしろかった!バカパワーすごい。洞窟とか謎のけもの道に入ってみたい心が満足させてもらえました。

上間陽子「裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち」

良書。著者の活動の良さも伝わってきます。

日弁連「法的交渉の技法と実践」

特に目新しいことは書いてなくおさらい程度に。

古賀史健「20歳の自分に受けさせたい文章講義」

「嫌われる勇気」は対話式叙述が読んでてかったるいけど、おばかな青年をばかだなあと思って脳内反論しつつ読み進めるうちに、自分でわかった気になる対話式特有の作用があって、押し付けられる主張より自ら見いだす理屈に愛着を持つ裁判官の性質をふまえた…

梯久美子「狂うひと 『死の棘』の妻・島尾ミホ」

庄野の太宰もどき問題がまだ私の中でモヤモヤしているうちに読み始めたとこで庄野がけっこう登場してくるのでへえ~となって、しかし、この世代のひとたちって私生活で無茶やってそれをそのまま書くのがブンガクってほんとに思ってたんだろうか。ただ書いた…

高中正彦「弁護士の経験学 事件処理・事務所運営・人生設計の実践知」

ちょっと古典スタイルという感もありますが、わたしが座談スタイルの読み物が好き(行間から本音が立ち上るので)ということもあってか、けっこう参考になりました! おすすめです。

保坂和志「地鳴き、小鳥みたいな」

いまは「試行錯誤に漂う」をずっと読んでて、先に読んだ「地鳴き、小鳥みたいな」はちょっとピンとこなかったんだけど、いま、三田文学の保坂特集をつまみ読みしてるとなるほどそういうふうにすごいのかと納得したり。たしかに「キース・リチャーズはすごい…

北周二ら「弁護士独立・経営の不安解消Q&A」

さすがにこっちも独立して15年にもなるので特に参考にはなりませんでした。立ち入ったことまでしっかり書いてあって若い人にはいいと思うんだけど。誰か読みたいひといたら言ってください。

庄野潤三「愛撫 静物 庄野潤三初期作品集」「絵合わせ」「インド綿の服」

長距離移動中に庄野一気読み。 え!こんなの書いてたの?とびっくり幻滅した初期作品。夫である作家が妻の一人称で、不実な夫に対する妻の気持ちを書く、しかも、「魂が抜けたようになって」という表現は、まさに、太宰治「おさん」の「たましいの、抜けたひ…

藤田宙靖「裁判と法律学」

蟻川先生が何しゃべってんのかな!という興味だけで手にした本書。しかし対談はもちろんですが本文もエキサイティングでした。 制度準拠的思考、良識、眼差し、平明さ、飾り言葉、裁判と学説、「法は単なる所与ではなく、つねに課題である。」、正義ではなく…

加藤新太郎ほか「裁判官が説く民事裁判実務の重要論点 家事・人事編」

本書の位置付け的に当然ですが、基本的で当然のことが書いてあるだけでした。唯一、不貞相手に対する慰謝料の消滅時効の起算点(不貞終了と離婚に時間差がある場合)について妙に厚く書かれています(100~104頁)。

門口正人ら「訴訟の技能」

門口本2冊。「民事裁判の要領」は連載も読んでたのでまあ特にでしたが、「訴訟の技能」、1ページ1行目から「裁判は、闘争である。」とか、中村節がたまらない。まずはすべて信じてみる、おおらかに、ピンチのときほど楽しむ。などなど。たしかに私も先日…

加藤陽子「それでも、日本人は「戦争」を選んだ」

帯の鶴見俊輔氏の評で「目がさめるほどおもしろかった。こんな本がつくれるのか? この本を読む日本人がたくさんいるのか?」とあるのが、まさにそのとおりで、とにかく日本人なら!読んで知って考えてほしい歴史です。

塩田武士「罪の声」

珍しくこういうのを。自分に酔った男調すぎたり、ソードマスターヤマトばりのムリヤリな謎解きだったり、そこまでしなくていいからというくらいの細かすぎて余白がない伏線回収だったり、という私がイヤに思うポイントはなくってよかったです。こういうタイ…

遙洋子「私はこうしてストーカーに殺されずにすんだ」

著者の激しい実体験からの教訓など。

南直哉・来住英俊「禅と福音 仏教とキリスト教の対話」

急にkindleなしで数時間過ごすことになったときとっさにつかんだこれ。帯に、「輪廻や復活は本当にあるのか、三位一体は矛盾ではないか、無我ならば倫理の責任主体はどうなるのか」なんて、ぐっとくるじゃないですか! 南さんは最初っからこりゃ変わり者だな…

村木厚子、秋山訓子編「女性官僚という生き方」

必要に迫られないとそこまで跳躍できないような超高密度な働き方って現実にあるんです。それをわたしは知ったなあとつくづく思うこのごろ(ごめんなさい自慢です)。それがどんなにどんなにかって、見せてあげたいくらいだけど、言ってもそれだけじゃ伝わら…

LAZAK編「ヘイトスピーチはどこまで規制できるか」

会務の関係でいただいたので読みました。わいせつ表現規制との対比とか、なるほどって感じです。

渡辺和子「強く、しなやかに」

そういえばここには書いていないけど、「置かれた場所で咲きなさい」なども読んでました。もともとこの言葉は、ヒラリークリントンが大統領選に敗れて、オバマのもとで国務長官を務めるときに引用していたのが印象に残っています。 この方が鬱病をわずらい入…

伊藤彩子「仕事は行動がすべて」、平田静子「そういえば、いつも目の前のことだけやってきた」、大瀧純子「女、今日も仕事する」

なんと2ヶ月近く放置してしまいました! 新生児育児中も副会長激務中もそんなことなかったのにいったいどうしたのか、われながら謎です。ここを放置したからといってなにも読んでなかったわけではなくて、なにかを読むこととそれをブログにアップすることと…

服部みれい「わたしらしく働く!」

これも働く女性一代記ものですね。読んだ時期は上の3冊とはズレてました。マッチョさはないというか、編集者時代の働き方はマッチョかもだけど精神性は違うところにありそうで、不思議ちゃん系とでもいおうか。

室井佑月「息子ってヤツは」

まだ見ぬ道ですが、すっごく身につまされる箇所がいくつかありました。

村田沙耶香「コンビニ人間」

まあ普通に読みやすいブンガクじゃない?という程度に思いつつ、書評をいろいろ読んでみると、「普通」に抗う系の既存の作品と違って主人公が「普通」を内包していないことが特異というような指摘になるほどと思いました。といいつつ神林とかそういうコンセ…

髙橋大輔「漂流の島」

書評いろいろ出ていましたが、これは広く読まれてほしい! 必読書と思います。 漂流民を負う調査や探検自体の魅力もさることながら、流木で船を作ったり、米を積んだ船が漂着したりそれが芽を吹いたり!という鳥島生活での奇跡っぷりと二重写しになって、「…

高山文彦「生き抜け、その日のために-長崎の被差別部落とキリシタン」

「水平社」の副産物と思われる本書。長崎…中でも浦上。部落、キリシタン、被爆。重いテーマを3つ寄せたもので掘り下げと求心力はいまいちな感じがしつつ、うなりながら読んだのでした。 いき

蟻川恒正「尊厳と身分 憲法的思惟と「日本」という問題」

裁判例やほかの人の立場を批判するとき、相手が謙虚さを欠くという言い方をする人は、その人自身にとって謙虚さが課題(要はご同類)ってことだよなとこのごろ考えていて、あと、事件記録を見ないで判決だけ読んでする批判はどうしても限界があるって法曹で…

鈴木大介「脳が壊れた」

観察力筆力+出来事の希有な出会い。書評やamazonレビューにあるとおりで付け加えることはないんだけどとにかく読むべしです。

岸見一郎「幸せになる勇気」

ちょっと必要があってとある人の著作を続けて読み込んでるんだけど、それでつくづく思うのは、書いてる本人が怒って書いてる文章は読み手を引き込むより逆に気持ちを冷まさせるだけだっていうこと。準備書面とか、そうなりがちのことがどうしてもたびたびあ…

南和行「僕たちのカラフルな毎日」

LGBTの講演などで親不孝と言われるというエピソードがあったけど、そのあたりがきっと一番きびしいギャップなんだろう。というのは、自らが子持ちゾーンに入ってみてはじめてわかる孫パワーというのがあると私は思っていて、私は人間関係に恵まれていた…