弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子の読書日記

単行本

日本弁護士連合会「日弁連研修叢書現在法律実務の諸問題 平成27年度研修版」「日弁連研修叢書現在法律実務の諸問題 平成26年度研修版」

山田知司「控訴審の審理と主張立証のあり方」(平成27年度版)と森野俊彦「最新版民事控訴審における主張と立証」(平成26年度版)を続けて読みました。 ・ 山田「控訴審の審理で争われているのは原判決ではないはずです。それに私の感覚でも、原判決が…

高城剛「多動日記(1) 健康と平和 欧州編」

移動中に読むのにちょうど。

河合隼雄「河合隼雄の幸福論」

幸福であると感じるための条件は、将来に対して希望が持てる、自分を越える存在とつながっているあるいは支えられていると感じることができるという二点。個より普遍に至る道がある。感情の火を適温に保つ。幸福は副産物。

筒井功「日本のアジールを訪ねて 漂泊民の居場所」

おおざっぱにはいわゆるサンカの系統の本ですが考察部分のサンカ批判はネチネチしているのでスルー。事実部分を興味深く読みました。

丸谷才一「笹まくら」

本当に「打ちのめされるようなすごい本」でした。 思考どおりに流れる文体と自在な回想が保坂みあり。戦中の明るさと戦後の冥さ!こまかな描写の昭和感!とにかくうまいしすごい、打ちのめされるというとおり!

ジェイムズ・P・ホーガン「創世記機械」

電気羊のあとに読んだのでよけいにやっぱりこういうのが好きだと思った。ホーガンならではの読み味の良さを指摘している人が多いけどほんとにそう。

フィリップ・K・ディック「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」

SFはライトノベル系が地雷でしかし選ぶ眼がないので何をよんでよいかわからず、とりあえず古典を読んでみようと思っててきとうに。しかしホーガンの後には薄すぎで、書き割りの舞台の悪い夢のようというか、わたしはこういう視野狭窄モノローグ暴走系はい…

ジェイムズ・P・ホーガン「未来からのホットライン」

ろうそくのくだり…「この蝋燭は、いま全体の4分の1ほどまで燃えているが、一時間かそこら前の宇宙ではまだちゃんとしたままだ。数時間後の宇宙には、たぶん影もかたちもないだろう。総体的な蝋燭というのは、その各時点のあいだ全体なのだ。」…これって、…

曽野綾子「私日記9 歩くことが生きること」「私日記1 運命は均される」「堕落と文学 作家の日常、私の仕事場」

最新刊が私日記9。お元気だなーと感心しながら読んでいくと、講演中に倒れかけて講演はやめることにしたり、そして終盤、朱門さん入院と息子さん手術のあたりの緊迫感。ガラリと優先順位がいれかわるこの透徹した感じ。 これまでの刊行ペースだと続刊は3年…

石井光太「世界の産声に耳を澄ます」

奥様の出産をきっかけに世界の出産をめぐる旅に出るって業が深いなー。曽野綾子さんがいつも書いてるような厳しい現実です。

石井光太「津波の墓標」

ネヴィル・シュート「渚にて 人類最後の日」

曽野綾子さんが日記で触れてたからという理由でのコレ。WEBで感想などみると、科学的にはナンセンスらしいですが、読み物としてはよかったです。

壇蜜「泣くなら、ひとり」

作家の日記がもっと読みたい!と思ってしかしちょっと違うだろうと思いつつのコレ…。で、私は、益田ミリとか角田光代みたいな自虐卑下系の女性エッセイはイヤなんだけど世の中にそういう需要が強いのかそういうのって本当に多くて、これもやっぱりそれ系でし…

杉江松恋「ある日うっかりPTA」

小学生母になったので勉強のために。シゴトじゃないコミュニティの人間関係って大変よね、と、PTA以外のアレコレのことなど思い起こしながら、良書です。

曽野綾子「私日記8 人生はすべてを使いきる 悪い運もいい運も」

曽野綾子はかなり昔は小説をそれなりに読んでたもののこのごろはよくトンデモ発言が取り上げられ叩かれてるのを見てなんとなくわざわざ読む人じゃない感じでいたけど、たまたま書店で見かけて、日記ならおもしろいかもと(作家の日記が好きなので)手を出し…

庄野潤三「鳥の水浴び」

書いてることがいよいよ同じことの繰り返しで、前のような題材と題材のマジカルなつながりなんかもなくて、枯淡恬淡という感じ。

山中伸弥ほか「僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう」

このひとたちの話がおもしろくないわけはないので読む価値はあるのですが、しかし読んでもやっぱり、どなたも最初から何者かではあったと思えてしまうのでタイトルには偽りがあるような。永田氏は理系の論理と文学をあわせもっていろいろ語れる方だとあらた…

原田國男「裁判の非情と人情」

「日本のどこかに私を待ってる事件がある」

松浦理英子「最愛の子ども」

長距離バス車内にて。 女子高校生の群像劇、若者の自意識、いくら鮮烈でももはやあんまり興味ないなあと思いつつサラサラと読んでいて、中盤、「あの人」のくだりで急にぐっときて(若者の生々しい生きざまより時間差をつけて振り返るこの部分の感じ!)、そ…

こだま「夫のちんぽが入らない」

怪作。こういうふうにしか生きられないものか?もうちょっと手前でなんとかして無難な人生になれなかったものだろうか??と思ってしまうけど、きっとそうなんだろうし、本人的に昇華できたからこうやって書けているんだよね? リアルには他人のことって、つ…

保坂和志「試行錯誤に漂う」

12月から半年かけて読んだ。いろんなことがあった半年であった。 「出来事や行為には現在という時点から前に向かうプロセスしかない。」「生徒根性」「山の向こうに山以上の何かがあるのではなく、山がある。山を見て人が山より大いなる何かを予感したのだ…

堀江貴文「すべての教育は洗脳である」

子どもを枠にはめつつ個性を保たせつつのあんばいって難しいと思い読んでみたけどそういう参考にはならず。

竹内久美子「本当は怖い動物の子育て」

動物の子育ての怖い部分と、人間の行動がそれで説明ついてしまう部分は、身もふたもなく言えばそのとおりで、だからこそ衣食足りて動物に堕ちない保障をどうやって実現していくか。

キャスリーン・フリン「ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室」、土井善晴「一汁一菜でよいという提案」

ダメ女の、丸鶏をさばくのくだりは、日本だったら魚をおろすという感じでしょうか。 一汁一菜は、一周回った着地点。おみそしるの画像がちっともおいしそうじゃないのはこれでよいというわざとなんだと思うけど、やっぱりおいしそうじゃない…

西村匡史「悲しみを抱きしめて 御巣鷹・日航機墜落事故の30年」

今野勉「宮澤賢治の真実」

なんとなく流して読んでしまっていた詩句を深掘りした解釈になるほどとうなるばかり。「この命題は可逆的にもまた正しく」のところとか…そうか。といいつつ、いまいろいろ見ていたらこの「可逆的」を違く深掘りしているブログもあって、それも、なるほどそう…

奥野修司「魂でもいいから、そばにいて」

河野裕子「体あたり現代短歌」

山本潤「13歳、「私」をなくした私」

ルポ児童相談所

村上春樹「騎士団長殺し」

ライトノベルかと思うような上っつらな人物像や舞台装置のこっぱずかしさを我慢しながら読んでいくと最終的には言わんとすることの核はわかるしそうだねって思うけど、読ませるための仕掛けをこんなにもちりばめなきゃだめなのかなあって思ってしまう。 でも…

藤沢数希「損する結婚儲かる離婚」

まあありていに言えばそういうことよね、ということが書いてある本です。当事者向け。弁護士は綺麗事しか言わないからこういうことを言ってくれないってあるけど、私はこれくらいはけっこう言いますけどね…。 普通の人は○○と誤解しているがこうだ、という箇…

小島信夫「靴の話/眼 小島信夫家族小説集」

保坂と庄野潤三と島尾敏雄が読めっていうのでとうとう読んでみた小島信夫のよさがまったくもって分からない我が身の悲しさよ。 視野狭窄的な文体が神林っぽい。「この世に2、3人しかいないと思ってるんじゃないの?」と妻に言われる場面なんて、ほんとそう…

江國香織「なかなか暮れない夏の夕暮れ」

何が起きるわけでもない日常の描写ですが(大竹氏の身の上には大変なことが起きますが扱いは気の毒なほど脇筋)、妙におもしろい。これ、好きです。USキッズランドなんていう読書向きでない空間で立ったり座ったりしながらこれを読んでると、読書中毒の稔…

久保利英明「久保利英明ロースクール講義 君は正義のために闘えるか?」

なんとなく読みましたがまあ別に勧めません。登場してるひとに興味があればという感じでしょうか。私は自分が個人のミニマム事務所でいくと決めているので田中早苗先生の個人事務所の勧めに励まされました。

吉田勝次「洞窟ばか」

おもしろかった!バカパワーすごい。洞窟とか謎のけもの道に入ってみたい心が満足させてもらえました。

上間陽子「裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち」

良書。著者の活動の良さも伝わってきます。

日弁連「法的交渉の技法と実践」

特に目新しいことは書いてなくおさらい程度に。

古賀史健「20歳の自分に受けさせたい文章講義」

「嫌われる勇気」は対話式叙述が読んでてかったるいけど、おばかな青年をばかだなあと思って脳内反論しつつ読み進めるうちに、自分でわかった気になる対話式特有の作用があって、押し付けられる主張より自ら見いだす理屈に愛着を持つ裁判官の性質をふまえた…

梯久美子「狂うひと 『死の棘』の妻・島尾ミホ」

庄野の太宰もどき問題がまだ私の中でモヤモヤしているうちに読み始めたとこで庄野がけっこう登場してくるのでへえ~となって、しかし、この世代のひとたちって私生活で無茶やってそれをそのまま書くのがブンガクってほんとに思ってたんだろうか。ただ書いた…

高中正彦「弁護士の経験学 事件処理・事務所運営・人生設計の実践知」

ちょっと古典スタイルという感もありますが、わたしが座談スタイルの読み物が好き(行間から本音が立ち上るので)ということもあってか、けっこう参考になりました! おすすめです。

保坂和志「地鳴き、小鳥みたいな」

いまは「試行錯誤に漂う」をずっと読んでて、先に読んだ「地鳴き、小鳥みたいな」はちょっとピンとこなかったんだけど、いま、三田文学の保坂特集をつまみ読みしてるとなるほどそういうふうにすごいのかと納得したり。たしかに「キース・リチャーズはすごい…

北周二ら「弁護士独立・経営の不安解消Q&A」

さすがにこっちも独立して15年にもなるので特に参考にはなりませんでした。立ち入ったことまでしっかり書いてあって若い人にはいいと思うんだけど。誰か読みたいひといたら言ってください。

庄野潤三「愛撫 静物 庄野潤三初期作品集」「絵合わせ」「インド綿の服」

長距離移動中に庄野一気読み。 え!こんなの書いてたの?とびっくり幻滅した初期作品。夫である作家が妻の一人称で、不実な夫に対する妻の気持ちを書く、しかも、「魂が抜けたようになって」という表現は、まさに、太宰治「おさん」の「たましいの、抜けたひ…

藤田宙靖「裁判と法律学」

蟻川先生が何しゃべってんのかな!という興味だけで手にした本書。しかし対談はもちろんですが本文もエキサイティングでした。 制度準拠的思考、良識、眼差し、平明さ、飾り言葉、裁判と学説、「法は単なる所与ではなく、つねに課題である。」、正義ではなく…

加藤新太郎ほか「裁判官が説く民事裁判実務の重要論点 家事・人事編」

本書の位置付け的に当然ですが、基本的で当然のことが書いてあるだけでした。唯一、不貞相手に対する慰謝料の消滅時効の起算点(不貞終了と離婚に時間差がある場合)について妙に厚く書かれています(100~104頁)。

門口正人ら「訴訟の技能」

門口本2冊。「民事裁判の要領」は連載も読んでたのでまあ特にでしたが、「訴訟の技能」、1ページ1行目から「裁判は、闘争である。」とか、中村節がたまらない。まずはすべて信じてみる、おおらかに、ピンチのときほど楽しむ。などなど。たしかに私も先日…

加藤陽子「それでも、日本人は「戦争」を選んだ」

帯の鶴見俊輔氏の評で「目がさめるほどおもしろかった。こんな本がつくれるのか? この本を読む日本人がたくさんいるのか?」とあるのが、まさにそのとおりで、とにかく日本人なら!読んで知って考えてほしい歴史です。

塩田武士「罪の声」

珍しくこういうのを。自分に酔った男調すぎたり、ソードマスターヤマトばりのムリヤリな謎解きだったり、そこまでしなくていいからというくらいの細かすぎて余白がない伏線回収だったり、という私がイヤに思うポイントはなくってよかったです。こういうタイ…

遙洋子「私はこうしてストーカーに殺されずにすんだ」

著者の激しい実体験からの教訓など。