弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子(ラベンダー法律事務所)の読書日記

単行本

沼田真佑「影裏」

マイノリティとかはちょっとした味つけでそんなに取り上げることだろうかと思えて、語りの加減が、語られないけれど影のように浮かび上がる事情とか、絶妙。

三砂ちづる「死にゆく人のかたわらで ガンの夫を家で看取った二年二ヶ月」

主張部分はアレレ?という部分も多いので、そういう前提で。

藤子不二雄A「トキワ荘青春日記」

正月に実家で原稿落としまくってというダメっぷりと、ほされてからの復活。

松永正訓「運命の子トリソミー 短命という定めの男の子を授かった家族の物語」

倫理は思弁ではない、行動である。

ダニエル・オーフリ「医師の感情 平静の心がゆれるとき」

医療過誤事件を扱う弁護士として、医師の責任と弁護士の責任の相似と相違はよく考えるし、考えながら読みました。弁護士の描かれ方に、反省もあったり。

小島慶子「るるらいらい 日豪往復出稼ぎ日記」

オーストラリアに住めばいいんじゃない?とひらめく瞬間のひらめき感がまぶしく、すべてを言葉にせずにいられない業のふかさがつらそう。読み切りと連載、絆と溝。

日本弁護士連合会「日弁連研修叢書現在法律実務の諸問題 平成27年度研修版」「日弁連研修叢書現在法律実務の諸問題 平成26年度研修版」

山田知司「控訴審の審理と主張立証のあり方」(平成27年度版)と森野俊彦「最新版民事控訴審における主張と立証」(平成26年度版)を続けて読みました。 ・ 山田「控訴審の審理で争われているのは原判決ではないはずです。それに私の感覚でも、原判決が…

高城剛「多動日記(1) 健康と平和 欧州編」

移動中に読むのにちょうど。

河合隼雄「河合隼雄の幸福論」

幸福であると感じるための条件は、将来に対して希望が持てる、自分を越える存在とつながっているあるいは支えられていると感じることができるという二点。個より普遍に至る道がある。感情の火を適温に保つ。幸福は副産物。

筒井功「日本のアジールを訪ねて 漂泊民の居場所」

おおざっぱにはいわゆるサンカの系統の本ですが考察部分のサンカ批判はネチネチしているのでスルー。事実部分を興味深く読みました。

丸谷才一「笹まくら」

本当に「打ちのめされるようなすごい本」でした。 思考どおりに流れる文体と自在な回想が保坂みあり。戦中の明るさと戦後の冥さ!こまかな描写の昭和感!とにかくうまいしすごい、打ちのめされるというとおり!

ジェイムズ・P・ホーガン「創世記機械」

電気羊のあとに読んだのでよけいにやっぱりこういうのが好きだと思った。ホーガンならではの読み味の良さを指摘している人が多いけどほんとにそう。

フィリップ・K・ディック「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」

SFはライトノベル系が地雷でしかし選ぶ眼がないので何をよんでよいかわからず、とりあえず古典を読んでみようと思っててきとうに。しかしホーガンの後には薄すぎで、書き割りの舞台の悪い夢のようというか、わたしはこういう視野狭窄モノローグ暴走系はい…

ジェイムズ・P・ホーガン「未来からのホットライン」

ろうそくのくだり…「この蝋燭は、いま全体の4分の1ほどまで燃えているが、一時間かそこら前の宇宙ではまだちゃんとしたままだ。数時間後の宇宙には、たぶん影もかたちもないだろう。総体的な蝋燭というのは、その各時点のあいだ全体なのだ。」…これって、…

曽野綾子「私日記9 歩くことが生きること」「私日記1 運命は均される」「堕落と文学 作家の日常、私の仕事場」

最新刊が私日記9。お元気だなーと感心しながら読んでいくと、講演中に倒れかけて講演はやめることにしたり、そして終盤、朱門さん入院と息子さん手術のあたりの緊迫感。ガラリと優先順位がいれかわるこの透徹した感じ。 これまでの刊行ペースだと続刊は3年…

石井光太「世界の産声に耳を澄ます」

奥様の出産をきっかけに世界の出産をめぐる旅に出るって業が深いなー。曽野綾子さんがいつも書いてるような厳しい現実です。

石井光太「津波の墓標」

ネヴィル・シュート「渚にて 人類最後の日」

曽野綾子さんが日記で触れてたからという理由でのコレ。WEBで感想などみると、科学的にはナンセンスらしいですが、読み物としてはよかったです。

壇蜜「泣くなら、ひとり」

作家の日記がもっと読みたい!と思ってしかしちょっと違うだろうと思いつつのコレ…。で、私は、益田ミリとか角田光代みたいな自虐卑下系の女性エッセイはイヤなんだけど世の中にそういう需要が強いのかそういうのって本当に多くて、これもやっぱりそれ系でし…

杉江松恋「ある日うっかりPTA」

小学生母になったので勉強のために。シゴトじゃないコミュニティの人間関係って大変よね、と、PTA以外のアレコレのことなど思い起こしながら、良書です。

曽野綾子「私日記8 人生はすべてを使いきる 悪い運もいい運も」

曽野綾子はかなり昔は小説をそれなりに読んでたもののこのごろはよくトンデモ発言が取り上げられ叩かれてるのを見てなんとなくわざわざ読む人じゃない感じでいたけど、たまたま書店で見かけて、日記ならおもしろいかもと(作家の日記が好きなので)手を出し…

庄野潤三「鳥の水浴び」

書いてることがいよいよ同じことの繰り返しで、前のような題材と題材のマジカルなつながりなんかもなくて、枯淡恬淡という感じ。

山中伸弥ほか「僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう」

このひとたちの話がおもしろくないわけはないので読む価値はあるのですが、しかし読んでもやっぱり、どなたも最初から何者かではあったと思えてしまうのでタイトルには偽りがあるような。永田氏は理系の論理と文学をあわせもっていろいろ語れる方だとあらた…

原田國男「裁判の非情と人情」

「日本のどこかに私を待ってる事件がある」

松浦理英子「最愛の子ども」

長距離バス車内にて。 女子高校生の群像劇、若者の自意識、いくら鮮烈でももはやあんまり興味ないなあと思いつつサラサラと読んでいて、中盤、「あの人」のくだりで急にぐっときて(若者の生々しい生きざまより時間差をつけて振り返るこの部分の感じ!)、そ…

こだま「夫のちんぽが入らない」

怪作。こういうふうにしか生きられないものか?もうちょっと手前でなんとかして無難な人生になれなかったものだろうか??と思ってしまうけど、きっとそうなんだろうし、本人的に昇華できたからこうやって書けているんだよね? リアルには他人のことって、つ…

保坂和志「試行錯誤に漂う」

12月から半年かけて読んだ。いろんなことがあった半年であった。 「出来事や行為には現在という時点から前に向かうプロセスしかない。」「生徒根性」「山の向こうに山以上の何かがあるのではなく、山がある。山を見て人が山より大いなる何かを予感したのだ…

堀江貴文「すべての教育は洗脳である」

子どもを枠にはめつつ個性を保たせつつのあんばいって難しいと思い読んでみたけどそういう参考にはならず。

竹内久美子「本当は怖い動物の子育て」

動物の子育ての怖い部分と、人間の行動がそれで説明ついてしまう部分は、身もふたもなく言えばそのとおりで、だからこそ衣食足りて動物に堕ちない保障をどうやって実現していくか。

キャスリーン・フリン「ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室」、土井善晴「一汁一菜でよいという提案」

ダメ女の、丸鶏をさばくのくだりは、日本だったら魚をおろすという感じでしょうか。 一汁一菜は、一周回った着地点。おみそしるの画像がちっともおいしそうじゃないのはこれでよいというわざとなんだと思うけど、やっぱりおいしそうじゃない…