弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子の読書日記

単行本

南直哉・来住英俊「禅と福音 仏教とキリスト教の対話」

急にkindleなしで数時間過ごすことになったときとっさにつかんだこれ。帯に、「輪廻や復活は本当にあるのか、三位一体は矛盾ではないか、無我ならば倫理の責任主体はどうなるのか」なんて、ぐっとくるじゃないですか! 南さんは最初っからこりゃ変わり者だな…

村木厚子、秋山訓子編「女性官僚という生き方」

必要に迫られないとそこまで跳躍できないような超高密度な働き方って現実にあるんです。それをわたしは知ったなあとつくづく思うこのごろ(ごめんなさい自慢です)。それがどんなにどんなにかって、見せてあげたいくらいだけど、言ってもそれだけじゃ伝わら…

LAZAK編「ヘイトスピーチはどこまで規制できるか」

会務の関係でいただいたので読みました。わいせつ表現規制との対比とか、なるほどって感じです。

渡辺和子「強く、しなやかに」

そういえばここには書いていないけど、「置かれた場所で咲きなさい」なども読んでました。もともとこの言葉は、ヒラリークリントンが大統領選に敗れて、オバマのもとで国務長官を務めるときに引用していたのが印象に残っています。 この方が鬱病をわずらい入…

伊藤彩子「仕事は行動がすべて」、平田静子「そういえば、いつも目の前のことだけやってきた」、大瀧純子「女、今日も仕事する」

なんと2ヶ月近く放置してしまいました! 新生児育児中も副会長激務中もそんなことなかったのにいったいどうしたのか、われながら謎です。ここを放置したからといってなにも読んでなかったわけではなくて、なにかを読むこととそれをブログにアップすることと…

服部みれい「わたしらしく働く!」

これも働く女性一代記ものですね。読んだ時期は上の3冊とはズレてました。マッチョさはないというか、編集者時代の働き方はマッチョかもだけど精神性は違うところにありそうで、不思議ちゃん系とでもいおうか。

室井佑月「息子ってヤツは」

まだ見ぬ道ですが、すっごく身につまされる箇所がいくつかありました。

村田沙耶香「コンビニ人間」

まあ普通に読みやすいブンガクじゃない?という程度に思いつつ、書評をいろいろ読んでみると、「普通」に抗う系の既存の作品と違って主人公が「普通」を内包していないことが特異というような指摘になるほどと思いました。といいつつ神林とかそういうコンセ…

髙橋大輔「漂流の島」

書評いろいろ出ていましたが、これは広く読まれてほしい! 必読書と思います。 漂流民を負う調査や探検自体の魅力もさることながら、流木で船を作ったり、米を積んだ船が漂着したりそれが芽を吹いたり!という鳥島生活での奇跡っぷりと二重写しになって、「…

高山文彦「生き抜け、その日のために-長崎の被差別部落とキリシタン」

「水平社」の副産物と思われる本書。長崎…中でも浦上。部落、キリシタン、被爆。重いテーマを3つ寄せたもので掘り下げと求心力はいまいちな感じがしつつ、うなりながら読んだのでした。 いき

蟻川恒正「尊厳と身分 憲法的思惟と「日本」という問題」

裁判例やほかの人の立場を批判するとき、相手が謙虚さを欠くという言い方をする人は、その人自身にとって謙虚さが課題(要はご同類)ってことだよなとこのごろ考えていて、あと、事件記録を見ないで判決だけ読んでする批判はどうしても限界があるって法曹で…

鈴木大介「脳が壊れた」

観察力筆力+出来事の希有な出会い。書評やamazonレビューにあるとおりで付け加えることはないんだけどとにかく読むべしです。

岸見一郎「幸せになる勇気」

ちょっと必要があってとある人の著作を続けて読み込んでるんだけど、それでつくづく思うのは、書いてる本人が怒って書いてる文章は読み手を引き込むより逆に気持ちを冷まさせるだけだっていうこと。準備書面とか、そうなりがちのことがどうしてもたびたびあ…

南和行「僕たちのカラフルな毎日」

LGBTの講演などで親不孝と言われるというエピソードがあったけど、そのあたりがきっと一番きびしいギャップなんだろう。というのは、自らが子持ちゾーンに入ってみてはじめてわかる孫パワーというのがあると私は思っていて、私は人間関係に恵まれていた…

「本林塾講演録 新時代を切り拓く弁護士」

どの方のお話しもよかったです。 「優れた弁護士になるためには、優れた弁護士になりたいと強く思って行動すること」そのことよ。 そして、「宇宙の一員」「人類の歴史が目の前で焦点を結ぶ」とか…、加藤良夫先生のご本もそうですが、つきつめて仕事をしてゆ…

伊東秀子「父の遺言 戦争は人間を狂気にする」

秀子先生からご恵贈いただきました。貴重な記録と思います。

奥野修司「ねじれた絆 赤ちゃん取り違え事件の17年」

取り違え事件自体のショッキングさとは別に、一方の家庭の内情がこれまたすごくて、これ、よく世に出せたなあと思います。血を分けた親子であることの不思議さ、育てる日々の蓄積から生まれるもの、などなど…。

かとうよしお「だれもほめてくれない だから じぶんでほめる」

とある会議のあとに加藤良夫先生から出版のご案内をいただき即購入いたしました。加藤先生が詩集を?!と一瞬驚きつつも、たしかあれは平成8年最判の上告理由書だったでしょうか、とても独創的で説得力のある表現をとられていたことなど思い出しつつ、法的…

アナイス・ボルディエ「他人のふたご」

年若い乙女である当事者たちが書いてるのでブログみたいな読後感。ネットニュースあたりでサラっと読んでヘエ~と思うくらいな…ひとの人生の一大事についてこんなふうに批評みたいことするの悪い感じもしますが、それが本にするってことの意味なので…(とナ…

齋藤孝「こども孫子の兵法」

たまには、の育児もの。ネタ的に買ってみたこれですが、意外とヒットしました。見開きの右に載っている原文を親のあとから音読させ、解説はただ読んでやります。なにやらグッとくるらしくて4回も5回も続けて読まされるページがあります。園児も園児なりに…

植本一子「かなわない」

褒めてる書評を見て読んでみたのだけど…ありかたとしては別にいいんですが作品としてすぐれているとかは特に思えず。

湯澤剛「ある日突然40億円の借金を背負う」

事業を投げ出すのは簡単だし割り切ればそんなに怖いことでもないのだけれど、よくぞ投げ出さず乗り切ったですね! 好事魔多し、警告としての出来事の受け止めなどなど。「Never Never Never Give Up」「主体的に生きること、それが道を拓く」

庄野潤三「自分の羽根」

第一章に作品としての文章があって、第二章以下で素に近い文章が並ぶと、作品としての文章は素に見えて作り込まれているとわかります。題材も文章もいかにも自然体に見えてそうではないことのすごさ! 「どうせ大したことは見も、感じも出来るわけではないと…

佐藤伸行「世界最強の女帝メルケルの謎」

「待つことの天才」、「脱政治」、「できるだけ長期間、さまざまな選択肢を保つスタミナ」「時とは恵みのしたたり」「結末をイメージしてからプロセスに入る」「マキャベリストでプラグマティスト」 「ビジョン(幻覚)を見る者は病院に行け」これはメルケル…

井戸まさえ「無戸籍の日本人」

見上げた活動ですごいなあと感心し胸をうたれながら読みました。

星野博美「みんな彗星を見ていた」

一読圧倒される…とちょっと前にも別の本について書いたけど、なんかもう形容しがたい、すごい本でした。読者の目線に近いところから始まったかのようで多数の文献書簡を渉猟してとんでもない歴史のふかみに連れて行ってくれる! でもそれも書かれた歴史のか…

保坂和志「遠い触覚」

読んでぐっときた箇所に折り目をつけたら何十箇所にもなって、主には保坂自身がぐっときた文章や映像について書いてあるんだけど、そのぐっとくる感じ、持っていかれる感じはまさに保坂も私をそうさせるところなので、保坂の文章の思念の固まりがいきなり脳…

米長邦雄「人間における勝負の研究」

自分も勝負師だと思って仕事をしているのでこういう心身の整え方、縁起、などなどすべてを勝負にむけてゆく人生論にひきつけられます。

伊坂幸太郎「サブマリン」

伏線をふくらませてキレイに回収する見事さととぼけた超人の描写と悪意と救われなさとひょっとしたらの救いの気配と。いつもの上手な伊坂。

アンディ・ウィアー「火星の人」

ひさびさにSF欲が。ラノベ風味じゃなくて深遠さがあって気持ちが宇宙に持っていかれる上手なSFがもっと読みたいなあ! これはまあまあよかったけど深遠さ的にはいまいち。

神林長平「だれの息子でもない」

いま、amazonのレビューをそうそうそうだよねと思って見てました。露天風呂で闘う場面が急にコミカルで、私は神林のコミカル系はやはり苦手。いつもの神林なんだけど今回はなぜか慰めがある読後感。

佐藤留美「凄母 あのワーキングマザーが「折れない」理由」

amazonのレビューがやたら悪かったのでしばらく読むのを見送ってたことを読み終わってから思い返し、私もこれらのトンデモ人間の仲間なのに自覚がなかったなと。 こないだ人としゃべってて思い出したんだけど、私が出産前後にほとんど休業してない(出産前日…

滝口悠生「死んでいない者」

何コレすごい好きと思ったら受賞の言葉を読めば保坂の流れをくむ人ってことなのか。空に浮かぶと川に流れるのところが特に!

本谷有希子「異類婚姻譚」

結婚あるあるのおかしみで読ませて途中に病みが入って最後はブンガクっぽくキレイに昇華、という感じ。

庄野潤三「夕べの雲」

庄野潤三の文章の独特のトリップ感と、保坂和志の文章の概念が直接脳に来る感じとは似ているようでちょっと違うのだけど、このたびこれを読んで、描写の脈絡に共通するものを感じた(と書きつつ庄野と保坂でググってみたら、保坂スレで庄野のことを書いてい…

堀江貴文「本音で生きる 一秒も後悔しない強い生き方」

この人ならこう言うよねという予定調和な内容なんですが、こう書くと恥ずかしいような感じもしますがまことにそのことよ同意同意と思ってしまう私です。わかるわかるって読むひとには当たり前の内容だし、わかんないひとには言ってもわかんないよね。

岸見一郎「嫌われる勇気」

堀江本で触れられてたのと、あとここではそういうのも紹介しないんだけど私は実はけっこう育児書も読んでてアドラー派の育児書を続けて読んだものだから、今さらながらで読んでみたのでした。いま書きながらわかったけど続刊がもうすぐ出るのね。

最相葉月「絶対音感」

絶対音感だけならそんなに興味ないのですが、早期教育の功罪みたいなテーマ性があると知って読んでみました。本人の選択以前の早くから教えこまないと開かない扉もあるようだけどそのことの是非だったり、そうでなくても多かれ少なかれ親が決めるひとつひと…

前川修満「会計士は見た」

内容は雑誌のコラムを集めたようなライトさですが、まあなるほどと。

医療の安全に関する研究会「市民が詠んだ医療の安全川柳集」

医療事故情報センターの会議にて名古屋の加藤良夫先生からご恵贈いただきました。医療安全についての川柳集。最後の選評も含めてなるほどなるほどとおもしろく読ませていただきました。ありがとうございます。

神林長平「絞首台の黙示録」

意識と命と科学と神と信仰と父と子と!! 意識は人にのみ属するか環境とともに成り立つのかとか!!! 思わずハアハアしてしまう神林節なのと(フムンは1回)、また思想的には保坂ワールドもあわせて思い出したり(言いたいことは2人とも似てるっぽいのに…

アリアナ・ハフィントン「サード・メトリック しなやかにつかみとる持続可能な成功」

わたしは読んだもののほんとの全てをここに書いているわけではなくてたとえば自己啓発系のも意外と読んでるもののそういうのはあえて書いてなかったりします。で、これもそういう書かない系統とちょっと紙一重なのですが、女性の自伝枠としてあげておきます。…

堀川惠子「原爆供養塔 忘れられた遺骨の70年」

「教誨師」もそうだったのですが一読圧倒される本です。広島市ってもっとこういう、遺骨の特定とかそういうの頑張ってやってきたのかという勝手なイメージがあったのですが、40年ものあいだノートと骨箱の中の紙片の照合もしないで、帰るべき遺骨が帰らな…

東京弁護士会親和全期会「こんなところでつまずかない!弁護士21のルール」

エレベータのボタンとか女子力とか、どんなこと書いてあるんだろと思わせる惹句がうまいですね。オーソドックスなんですけど、たしかに踏まえておきたいことが書いてあります。私も若いときに読んでいればと思ったポイントがいくつか。オススメです。 これと…

野尻千里「心臓外科医がキャリアを捨ててCEOになった理由」

39歳で心臓外科医からメーカー勤務に転身、41歳で結婚、42歳で出産(前日まで働き産後1週間で職場復帰)という自伝。ワオ、マッチョ! 私はこういうの大好物ですよ~~でも読む人を選ぶかも。オトコ社会であることを前提に、ルサンチマン風味なく現実…

杉田成道「願わくは、鳩のごとくに」

妻なる人の気迫がスゴイです。医学生として出産し産後3日で授業に出て、年子で3人をとかスゴすぎ。そのあたり私も人にはスゴすぎと言われる部類でありつつ別にスゴイと言われるためにやってきてるわけじゃなくてこの方もナチュラルな道行きとしてそうなっ…

北海道新聞社「弁護士―北海道の人脈・事件・裁判 (1981年)」

弁護士―北海道の人脈・事件・裁判 (1981年)作者: 北海道新聞社出版社/メーカー: 北海道新聞社発売日: 1981/10メディア: ?この商品を含むブログ (1件) を見る鳴鐘社の「平成4年版北海道の弁護士」は当事務所の自慢の蔵書ですが、それよりさらに遡るコレ! 巻…

永田淳「評伝・河野裕子:たつぷりと真水を抱きて」

息子が自分の評伝を書く、若いころの日記(しかもセロテープで三辺をとめた袋とじも!)を読む、なんて、ヒョエーという感じ! さすが歌人一家…。北杜夫の「青年茂吉」を読んだときのこともちょっと思い出しましたが、息子→父と息子→母は関係性がまた違うも…

つんく「だから、生きる。」

このごろ軟派な本ばかり読んでるようですが! と見えて、こういうのって夫婦や親子で読んで感想を言い合うと、お互いの医療観や死生観がわかったりすりあわせが出来たりするのでけっこう良いなあと思うんですよ。読んだこと自体より、そういう副効用が大事だ…

又吉直樹「火花」、羽田圭介「スクラップ・アンド・ビルド」

自宅に文藝春秋があったので読んでみました。 「火花」は、田中慎弥や西村賢太のような昔っぽい、ニオイのしそうなブンガクですよね。オチがグロテスクであり、この終わり方である必然性はどうなのか。終わらせ方がわからなかったのでは、とは誰の選評だった…