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弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子の読書日記

判例タイムズ1420号 事故調査報告書と文書提出命令、親権者変更

・松本展幸「事故調査報告書等に対する文書提出命令について(医療事故を中心に)」 ・福岡高裁平成27年1月30日決定 協議離婚時に定めた親権者の変更申立について、事情変更がないとして却下した原審判を取り消して親権者の変更を認めた高裁決定です。…

判例タイムズ1419号 訴訟指揮

須藤典明「高裁から見た民事訴訟の現状と課題 自由平等社会における民事裁判の役割」 特に本人訴訟への対応の部分など。共済年金返還事件は最高裁で破棄されてしまって残念です。

論究ジュリスト2016年冬号 非訟事件

「研究会 非訟事件手続法 事実の調査・証拠調べ・裁判」 179頁からの「裁判官の感覚」の項。実体的真実、弁論主義、裁判官のマインド、10年前に予測したように今がなっていないこと、当事者に任せるほど漂流、ルールメイキング、スポーティングセオリー…

判例時報2281号 清算条項

・最高裁平成27年9月15日判決 特定調停の清算条項について、過払金債権は清算対象としないものと解釈した最判です。判時の解説と、ジュリスト2月号の「最高裁時の判例」の解説が同じ文章ですね。 ・東京高裁平成27年10月15日判決 裁判外の和解の…

判例時報2280号 手技ミス

・大阪高裁平成27年5月29日判決 大腸癌術後大量出血による死亡事案で手技ミスを認めた裁判例です。結果から概括的に推認するスタイルの一例といえるかと。

家庭の法と裁判 2016年4月号 家事事件手続法

「座談会 家事事件手続法施行後3年の現状と今後の展望」 もう10年ほど前に家事調停官の任務を終えて調停の運営からは離れていたのですがこの4月からゴニョゴニョで調停運営を再び自らの当為とする前提で読むといろいろと思うところがあり何度も読み直し…

判例時報2276号 家事調停

篠田省二「家事調停への要望 事実認定と合理的解決案の策定」 家事調停の規範性をもっと高めよという方向の注文です。

判例時報2278号 改姓、遺留分減殺、大学教授セクハラ

・東京高裁平成26年10月2日決定 婚氏続称で15年経過後に婚姻前の氏に改姓する申立を却下した原審判を取り消してこれを認めた高裁決定です。こういうのって担当裁判官によって妙に厳しいときがありますよね! ・仙台高裁平成27年9月16日判決 相続…

ケース研究325号 家事調停

京都家庭裁判所「家事調停技法」 聞き返しの技法とかそういうの。けっこうハイレベルな要求です。 育児書は読んでもここには書かないもののたとえば「子どもが聴いてくれる話し方と子どもが話してくれる聴き方大全」とかそれ系の本を読んで実地で試すと子ど…

金融法務事情2034号 貸金庫

「貸金庫の相続」 事実実験公正証書、遺言書がある場合、雑保管、内容物の相続についてなど。

判例時報2274号 特別縁故者、寄与分、婚姻費用と学費と負債

・東京高裁平成26年1月15日決定 特別縁故者の申立を却下した原審を維持した高裁決定です。身寄りがいない被相続人に法要や庭木の管理などはしていたのですが認められなかったものです。なおこの裁判例、判時は解説ありで原審掲載なし、判タ(1418)…

判例タイムズ1418号 遺産、祭祀、産科

・「東京家庭裁判所家事第5部における遺産分割事件の運用」 東京家裁の運用の解説、統計、当事者への提供書式、他の参考文献の紹介。問題ある代理人のふるまいや代理人に望むことも。 ・「産科医療補償制度の補償金と損害賠償金の調整等について」 制度の説…

判例時報2273号 内縁・面会交流

・東京地裁平成27年5月19日判決 内縁の夫の交通事故死につき内妻の扶養請求権侵害の損害(月額6万円として平均余命の2分の1の期間)と慰謝料500万円を認めた裁判例です。 ・仙台家裁平成27年8月7日審判 離婚後の面会交流審判申立につき、申立…

判例時報2272号 和解無効、不貞

・東京高裁平成26年7月17日判決 原審での訴訟上の和解を無効として自判した判決です。和解期日後のfaxの内容など見ると、これで無効?しかも訴訟上の和解を?ええ~~~? ま、裁判長を見るとフーン、と… ・東京地裁平成27年2月3日判決 不貞行為…

判例時報2271号 相当程度の可能性、顛末報告、監護者指定

・広島高裁平成27年5月27日判決 特別老人ホーム入居者の肺血栓塞栓症による死亡につき、ワーファリンを処方していた配置医について、添付文書に従った凝固能検査等を行う注意義務違反を認めつつ因果関係は否定し、相当程度の可能性で300万円を認めた…

ジュリスト1487号 夫婦間の労働契約

東京地裁平成27年2月20日判決 被告(夫)は勤務弁護士で、原告(妻)を青色専業従事者として礼状送付、スケジュール管理などの労務の提供を受けていたところ、夫婦が別居し、妻が夫に未払賃金を請求した事件。判決は、労基法上の労働契約があるとして請…

判例タイムズ1417号 扶養料、AVM、特別縁故者

・札幌高裁平成26年7月2日決定 母から子に対する扶養料請求審判事件です。月額として原審9万→抗告審11万。基本的な考え方は同じながら、計算方法が相違するもの。 ・東京地裁平成25年8月8日判決 脳動静脈奇形(AVM)摘出術後の後遺障害につき…

判例時報2270号 交替監護・国際裁判管轄

・東京地裁平成27年1月29日判決 別居中の夫婦が子を1週間交替で監護していたところ、被告(妻)が交替監護の合意に違反して引き渡さなくなったとしてした慰謝料等請求が棄却された裁判例です。面会交流というを超えて1週間交替での監護であった状況が…

ケース研究324号 渉外家事・再婚と面会・調停に代わる審判・市民後見

本号は全体的に読みごたえがありました。・大谷美紀子「渉外家事事件について」外国人当事者の関わる家事事件について、どちらが正しいというわけではないがどうしてこうなのかを知っておくと役に立つ、というスタンスから特性がわかりやすく説明されていま…

判例時報2269号 遺産分割の錯誤無効・術後誤嚥窒息・自由診療と説明義務

・東京地裁平成27年4月22日判決 遺産の全容を知らないままにした遺産分割協議について錯誤無効と認めた裁判例です。 ・東京地裁平成26年9月11日判決 くも膜下出血術後の食事で蒸しパンを詰まらせ窒息して後遺障害を負った件につき、適切な食事介護…

論究ジュリスト2015年秋号 非訟事件、家事事件

・研究会 非訟事件手続法 ・特別座談会 家事事件の新たな展開に向けて 最高裁・第6回迅速化検証報告書を受けて 家事の方は特に、裁判官関与の充実、資料の相互開示、閲覧謄写、双方立会手続説明、調停に代わる審判、電話会議・テレビ会議についてなどなど、…

判例タイムズ1416号 調停に代わる審判、特別縁故、婚費減額、祭祀承継

・「家事事件における調停に代わる審判の活用について」 東京家裁における調停に代わる審判の活用例(合意型、欠席型、不一致型)など。 ・東京高裁平成26年5月21日決定 被相続人の従兄が、被相続人の親族の葬儀を被相続人の代わりに執り行ったり、害虫…

二弁フロンティア2015年11月号 内部公益通報、成年後見

・山口利昭「コンプライアンス実現のための内部(公益)通報のポイント」 ・東京三弁護士会合同研修会「成年後見実務の運用と諸課題」

二弁フロンティア2015年10月号 専門委員

・「専門委員制度アンケート結果報告書」を公表 医療関係訴訟における専門委員制度運用の現状と、代理人となる弁護士が注意すべき点について 専門委員制度アンケート結果報告書|第二東京弁護士会ひまわり 東京地裁医療集中部で行われている簡易鑑定的利用の…

判例時報2267号 婚姻費用、キャリーバッグ

・大阪高裁平成26年8月27日決定 子の私立学校における学費を考慮した婚姻費用算定例ですが、学費の加算にあたり、収入比按分ではなく等分処理しています。松本論文を敷衍して解説も詳しいので要参照。 ・東京地裁平成27年4月24日判決 駅構内でキャ…

判例時報2266号 面会交流

・東京高裁平成27年6月12日決定 DV事案の面会交流で直接交流を認めず、間接交流(2ヶ月に1回手紙を受け取る、4ヶ月に1回写真送付)のみとした高裁決定です。

判例タイムズ1415号 婚費減額

東京高裁平成26年11月26日決定 別居中の夫婦間の婚費が前審判で定められていたところ、夫の減収を理由とする減額申立を認めた原審判を取り消して差し戻した高裁決定です。「審判確定後の事情の変更による婚姻費用分担金の減額は、その審判が確定した当…

判例タイムズ1414号 相続と預貯金

「被相続人の生前に引き出された預貯金等をめぐる訴訟について」 被相続人の生前に引き出された預貯金をめぐる問題は、遺産分割とは別途に民事などでやるべきことになるわけですが、その法律構成、事実認定上の問題点など。

判例時報2260号 面会交流

「子ども中心の面会交流論(原則的実施論批判)」 面会交流について原則的実施論といわれるような状況になるに至るまでの流れや、そのことの問題点を指摘するものです。 原則的実施論を「ドグマ」と呼びつつ、反面、FPIC関連のとある文章について「PA…

二弁フロンティア2015年8・9月号 思わせぶり・ゴールデンルールズ

「裁判員裁判における検察官から見た弁護活動」 「思わせぶり冒陳」ってなるほどな〜と思ったのです。マサルさんも書いてるように… 佐藤優「獄中記」332頁 「一級の宣伝工作の場合、「答え」(こちらにとって都合のよいシナリオ)をこちらから提示しては…

判例時報2259号 相続放棄、不貞行為と準拠法

・福岡高裁平成27年2月16日決定 相続放棄の熟慮期間について、遺産に不動産があることの認識があっても、相続債務が存在することを知ったときを起算点として、相続放棄申立を却下した原審判を取り消してこれを受理した高裁決定です。 ・東京地裁平成2…

判例時報2257号 医師の説明義務

近藤昌昭・石川紘紹「医師の説明義務」 我妻学「近藤昌昭・石川紘紹「医師の説明義務」に関する若干のコメント」 医師の説明義務の根拠を患者の自己決定権に求める立場を「自己決定権説」と呼んで、重要なのは適切な医療行為という目的であって、患者の自己…

判例時報2256号 不貞と人格権侵害

・東京地裁平成27年1月7日判決 妻と別居中の男性が既婚者であることを秘して未婚女性と交際したことにつき、交際期間2年間のうち妻との関係修復後もこれを伏せて交際継続した半年分について人格権侵害として慰謝料100万円+弁護士費用10万円を認め…

NBL1054号 従来型契約と倒産法

パネルディスカッション「従来型契約と倒産法」 賃貸借と破産(倒産解除特約、違約金条項、原状回復、敷金)について。理屈と当事者としての当為をつなげて押さえておくべきことと、倒産法って裁判所が勝手に(という言い方もヘンだけど)運用を変えたりもす…

判例タイムズ1412号 争点整理、親権者変更

・「争点整理の現状と課題 大阪発 より充実した審理を目指して」 ・東京家裁平成26年2月12日審判 母を親権者として協議離婚したあと、未成年者が母の実家に身を寄せ、母と母実家の関係は良好ではない、という状況で父からの親権者変更の申立を認めて親…

判例タイムズ1413号 異議をとどめない承諾

・東京地裁平成26年10月3日判決 債務者の異議をとどめない承諾と抗弁についての判決で中身はどうってことないんですが、平成27年6月1日付でこの論点の最高裁判決が出てて掲載のタイミング悪かったというか、頑張ればフォローできるタイミングだった…

判例タイムズ1411号 書面による準備手続、医療、枕営業、税理士

・「遠隔地・小規模の支部における書面による準備手続の運用」 ・大阪高裁平成26年3月13日判決 離婚による財産分与の対象財産として、夫が経営する医療法人への夫の母の出資持ち分も考慮し、夫が医師として多額の資産を形成したことに鑑み分与割合を6…

判例時報2255号 歯科、弁護士法人のパワハラ

・東京高裁平成26年9月18日判決 区の実施する後期高齢者医療健康診査による受診当日に後発白内障のレーザー手術を受けて合併症を生じたことにつき、説明義務違反で自己決定権侵害として慰謝料50万円を認めた高裁判決です。請求額は100万円。原審は…

ケース研究323号 遺産分割審判、子の調査、財産分与

・「家事事件手続法の下での遺産分割審判事件等に関する紹介 〜同法施行当初の審判事件の状況を中心に〜」 全体として、そして特に、59頁に「調停は審判の準備手続ではないこと」の項。 ・「家事事件における子の調査の留意点 〜発達心理学の観点から〜」 …

家庭の法と裁判 2015年7月号 監護者指定引渡、面会交流

・福岡家裁平成26年3月14日審判 夫を監護者に指定し、妻から夫に対する子らの引き渡しを命じた審判。妻が精神疾患で子らの世話をできず親族の監護意欲も低く就学時期を迎えた子が就学もできていない、というきわめてシビアなケースです…。 ・京都家裁平…

自由と正義2015年5月号 債権法改正

特集 いよいよ決まった「民法(債権関係)改正」 弁護士実務に即した改正点の解説。

判例時報2251号 手技ミス

前橋地裁平成26年12月26日判決 リンパ節炎でリンパ節生検手術の際、副神経切断を生じさせた手技ミスが認められた裁判例です。適切に手術を実施していれば損傷はともかく切断は起こりえないという医学知見が前提となっていて、手術に関わった医師らの証…

判例時報1410号 裁量免責、産科医療補償、婚姻費用

・東京高裁平成26年3月5日決定 破産者が悪質商法を行ったことが破産原因であること+詐害目的で資産移転行為があったこと←→破産手続開始決定後に破産管財人に協力して善行を積んだことという事情のもとで、裁量免責を認めた原決定を取り消し、免責不許可…

二弁フロンティア2015年5月号 遺留分

湊信明「本当は怖い遺留分」 計算を突き詰めようとすると難しくて周りも意外とわかっていない、遺留分の細かいところについて。

金融法務事情2013号 破産事件の運用状況

佐藤卓「札幌地方裁判所における破産事件の運用状況」 「予納金の額は20万円以上とし(略)、事案に応じ、破産裁判所が定めている。当部では、他庁で行われているような、いわゆる少額管財の運用は行っていない。」とありまして、昔は、予納金20万円の事…

判例時報2248号 親権と後見

大阪家裁平成26年1月10日審判 離婚により親権者となった母が遺言により未成年者後見人を子の祖母(母の母)と指定したケースで、父からの親権者変更申立を認めた審判です。

判例時報2247号 未成年後見の横領と国賠

宮崎地裁平成26年10月15日判決 未成年後見人の横領につき、家事審判官の著しい監督義務違反を認めて国賠を認めた裁判例です。

金融法務事情2015号 管財

中井康之「破産管財人との付き合い方」 金融機関に向けて破産管財人との付き合い方を講演した内容ですが、破産管財人に求められている当為という読み方でも参考になります。

ケース研究322号 離婚慰謝料、離婚と子ども、遺産分割

・神野泰一「離婚訴訟における離婚慰謝料の動向」 慰謝料について実質的な争いがあった判決203件を裁判官が分析した論文です。慰謝料事由ごとに(不貞、暴力、粗暴な言動、精神的圧迫、悪意の遺棄、経済的事情、子との交流阻害、性的不調和)、事実認定の…

NBL1045号 債権法改正

潮見佳男「売買・請負の担保責任 契約不適合構成を介した債務不履行責任への統合・一元化」 要綱を眺めるだけでは分からない、理論的な転換点がよくわかります。