弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子の読書日記

藤子不二雄A「トキワ荘青春日記」

正月に実家で原稿落としまくってというダメっぷりと、ほされてからの復活。

松永正訓「運命の子トリソミー 短命という定めの男の子を授かった家族の物語」

倫理は思弁ではない、行動である。

ダニエル・オーフリ「医師の感情 平静の心がゆれるとき」

医療過誤事件を扱う弁護士として、医師の責任と弁護士の責任の相似と相違はよく考えるし、考えながら読みました。弁護士の描かれ方に、反省もあったり。

小島慶子「るるらいらい 日豪往復出稼ぎ日記」

オーストラリアに住めばいいんじゃない?とひらめく瞬間のひらめき感がまぶしく、すべてを言葉にせずにいられない業のふかさがつらそう。読み切りと連載、絆と溝。

家庭の法と裁判10号 不貞慰謝料、面会交流、遺産分割

・「不貞行為慰謝料に関する裁判例の分析(1)」 ・東京高裁平成28年5月17日決定 別居中で子を監護している妻が夫に対して求めた面会交流申立を却下した原審判を取り消して、差し戻した高裁決定です。妻は夫の勤務先に押しかけたり、子の汚物の写真を…

判例タイムス1436号 争点整理、時間外手当、高額所得者の婚姻費用

・「争点整理手続における口頭議論の活性化について」 口頭議論が活性化されていない理由が6コあげられてますが、「裁判官が記録を読み込めていない」ってはっきり書いてない(挙げられている「裁判所が十分な時間をとることができていない」って期日の所要…

判例時報2330号 養育費減額

東京高裁平成28年7月8日決定 公正証書により合意された養育費について、再婚相手との子の出生という事情変更により減額を認め、標準算定方式による金額に公正証書による合意の趣旨を反映(もともと算定表より高くなっている部分を固定額として、再婚相手…

日本弁護士連合会「日弁連研修叢書現在法律実務の諸問題 平成27年度研修版」「日弁連研修叢書現在法律実務の諸問題 平成26年度研修版」

山田知司「控訴審の審理と主張立証のあり方」(平成27年度版)と森野俊彦「最新版民事控訴審における主張と立証」(平成26年度版)を続けて読みました。 ・ 山田「控訴審の審理で争われているのは原判決ではないはずです。それに私の感覚でも、原判決が…

ケース研究329号 財産分与、対応困難者

・「財産分与に関する覚書」 東京家裁の財産分与の実務について。要チェックです。 退職金について「従前は、退職までに相当間があるような場合には分与対象とならないかのような議論があり、かつそれが有力であるような文献が散見されたが、現在の実務では…

金融法務事情2068号 弁護士受任と時効

東京地裁平成28年7月29日判決 債務整理の受任弁護士からの方針の回答が「民事再生か任意和解」というものでも、時効中断事由たる債務の承認とはならず、受任弁護士の放置による時効完成を受任弁護士自ら援用する場合でも信義則違反といえないという裁判…

判例時報2329号 未到来の養育費と仮差押

最高裁平成29年1月31日三小法廷決定 公正証書による養育費の支払期限未到来分を被保全債権として不動産に対する仮差押を却下した原審判断を是認した最高裁決定です。

高城剛「多動日記(1) 健康と平和 欧州編」

移動中に読むのにちょうど。

二弁フロンティア2017年7月号 時間外、成年後見

・残業代請求事件対応の基礎と最新実務~労働者側から~ ・東京三会合同研修会「成年後見実務の運用と諸問題」

河合隼雄「河合隼雄の幸福論」

幸福であると感じるための条件は、将来に対して希望が持てる、自分を越える存在とつながっているあるいは支えられていると感じることができるという二点。個より普遍に至る道がある。感情の火を適温に保つ。幸福は副産物。

筒井功「日本のアジールを訪ねて 漂泊民の居場所」

おおざっぱにはいわゆるサンカの系統の本ですが考察部分のサンカ批判はネチネチしているのでスルー。事実部分を興味深く読みました。

丸谷才一「笹まくら」

本当に「打ちのめされるようなすごい本」でした。 思考どおりに流れる文体と自在な回想が保坂みあり。戦中の明るさと戦後の冥さ!こまかな描写の昭和感!とにかくうまいしすごい、打ちのめされるというとおり!

ジェイムズ・P・ホーガン「創世記機械」

電気羊のあとに読んだのでよけいにやっぱりこういうのが好きだと思った。ホーガンならではの読み味の良さを指摘している人が多いけどほんとにそう。

フィリップ・K・ディック「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」

SFはライトノベル系が地雷でしかし選ぶ眼がないので何をよんでよいかわからず、とりあえず古典を読んでみようと思っててきとうに。しかしホーガンの後には薄すぎで、書き割りの舞台の悪い夢のようというか、わたしはこういう視野狭窄モノローグ暴走系はい…

ジェイムズ・P・ホーガン「未来からのホットライン」

ろうそくのくだり…「この蝋燭は、いま全体の4分の1ほどまで燃えているが、一時間かそこら前の宇宙ではまだちゃんとしたままだ。数時間後の宇宙には、たぶん影もかたちもないだろう。総体的な蝋燭というのは、その各時点のあいだ全体なのだ。」…これって、…

判例時報2328号 遺産分割、遺言無効

・東京高裁平成28年8月12日決定 不動産の換価競売と現金等の分割を命じる審判での分割方法。 ・東京地裁平成28年8月25日判決 公正証書遺言を遺言能力なしで遺言無効とした判決です。医師の見解と公証人の見解が詳しく引いてありつつ、公証人に対し…

判例時報2327号 養子縁組

・東京高裁平成27年2月12日判決 養子縁組について、原告の遺留分を減少させる目的がもっぱらで無効とした原判決を取り消して、有効とした高裁判決です。 ・名古屋高裁金沢支部平成28年9月14日判決 養子縁組について養親の意思能力を認め有効とした…

ジュリスト1507号 労働契約法

座談会 労働契約法の10年を振り返って 特に、合意と合理性、足しも引きもしないことと独り歩きについてなど。

判例タイムズ1435号 争点整理、面会交流

・「民事訴訟の争点整理手続の充実に向けた取組について 新人弁護士でもできる書面上の工夫」 ささやか論文。裁判所を信じている若さを感じつつ圧倒されます。 ・大阪高裁平成28年8月31日決定 非監護親(母・中国籍)が求めた面会交流について、監護親…

曽野綾子「私日記9 歩くことが生きること」「私日記1 運命は均される」「堕落と文学 作家の日常、私の仕事場」

最新刊が私日記9。お元気だなーと感心しながら読んでいくと、講演中に倒れかけて講演はやめることにしたり、そして終盤、朱門さん入院と息子さん手術のあたりの緊迫感。ガラリと優先順位がいれかわるこの透徹した感じ。 これまでの刊行ペースだと続刊は3年…

石井光太「世界の産声に耳を澄ます」

奥様の出産をきっかけに世界の出産をめぐる旅に出るって業が深いなー。曽野綾子さんがいつも書いてるような厳しい現実です。

石井光太「津波の墓標」

ネヴィル・シュート「渚にて 人類最後の日」

曽野綾子さんが日記で触れてたからという理由でのコレ。WEBで感想などみると、科学的にはナンセンスらしいですが、読み物としてはよかったです。

壇蜜「泣くなら、ひとり」

作家の日記がもっと読みたい!と思ってしかしちょっと違うだろうと思いつつのコレ…。で、私は、益田ミリとか角田光代みたいな自虐卑下系の女性エッセイはイヤなんだけど世の中にそういう需要が強いのかそういうのって本当に多くて、これもやっぱりそれ系でし…

杉江松恋「ある日うっかりPTA」

小学生母になったので勉強のために。シゴトじゃないコミュニティの人間関係って大変よね、と、PTA以外のアレコレのことなど思い起こしながら、良書です。

判例時報2325号 面会交流と親権者指定

・東京高裁平成29年1月26日判決 例の面会100日で親権者父判決の控訴審判決です。親権者母とし、母による連れ出し別居は親権者指定の障害とはならないと。