先に読んだひとから、弁護士業務に通じるものがあると勧められたので。たしかにそうでした。
弁護士業はそれほどクリエイティブというイメージでないですが、著者の言うクリエイティブも、その言葉からイメージするような、ひらめきで無から有を生み出すということではなくて、自分や相手の中にもとからある答えを見いだすテクニックということなので、それなら弁護士業にも通じてくるのです。
問診で言いたいことの核心を引き出すというくだりは依頼者からのヒアリングに通じます。
「コンテンツからコンテクストをつくる」というくだりも、事件の個々の事象から文脈を見いだして事実経過を流れで語れるようにする、事件のスジを際だたせるという作業に通じます。
また、「他人事を自分事にさせる」というくだりも、頼んだからってお任せになりがちな依頼者のモチベーションを引き出すことに通じます。…どうしてもお任せになってしまう気持ちってありますね。我が身を振り返っても、税理士からいろいろ確認を求められたときに、自分のことなのになんでかめんどくさいので、このシチュエーションに立つたびに、確認を求めたときにサッサとやってくれない依頼者もこんな気持ちなんだろうと、自分のめんどくささを噛みしめるわけで…。
などなど、あっさり読めるわりにためになりました。