弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子の読書日記

判例タイムズ1207号 最判・親権争い中の子の奪取

最高裁平成17年12月6日判決
妻と離婚係争中の夫が、妻が監護している2歳の子を連れ去った行為について、未成年者略取誘拐罪が成立するとしたものです。
以下、骨子を。
・夫婦は別居中、子は当時2歳
・子が祖母に連れられて保育園から帰宅中であったのを、抱きかかえて自動車に乗せ、祖母の制止を振り切り自動車を発進させて連れ去った
・同日中に発見され通常逮捕
→構成要件該当性は明らか。では、違法性は阻却されるか?
・離婚訴訟係属中であったが、監護者指定はされていなかった
・子の監護養育上、奪取が必要とされるような特段の事情はないから、親権者による行為であっても正当なものといえない
・行為態様が粗暴かつ強引
・子が2歳の幼児で、生活環境について判断・選択能力備わっていない
・奪取後の監護養育について確たる見通し無し
→以上から家族間における行為として社会通念上許容され得る枠内にとどまるものと評することができない
→違法性阻却されず未成年者略取罪成立