弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子の読書日記

星野博美「のりたまと煙突」

のりたまと煙突
「転がる香港に苔は生えない」の人です(これは読んだことないのですが)。
ショートエッセイ集、と聞くと、女性誌に見開き1頁で連載したのをまとめたようなものかなと偏見を持ちますがそうではなく、書き下ろしでショートエッセイが60コくらい、きちんと構成されていて贅沢な読みものです。
一見するとあたりは柔らかいのですが、全体のテーマは「死」のようです。
たとえば…、“野良猫が息を引き取った猫小屋”の項からすこしあと、“母の最期のふとん”の項があり、2つのモチーフが連続していたことに読み終わってから気付いたりすると本当、ううううとなります。
あと、私も中央線沿線に住んでいたので、風景の中央線沿線っぽさも良いところ。
「中央線の呪い」という項もあり。言わずと知れた、中央線で自殺が多いことについてですが、やはり独特の着地点をみせてくれます。