弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子の読書日記

判例タイムズ1209号 養育費・婚費算定

岡健太郎「養育費・婚姻費用算定表の運用上の諸問題」
以下メモ。
●自営業者の総収入の認定と控除費目
自営業者の総収入の認定は、「課税される所得金額」に「社会保険料控除」以外の控除項目(「配偶者控除」「基礎控除」等)と、「青色申告特別控除額」、現実に支払われていない「専従者給与額」を加算する。これら加算額は、税法上の控除項目であるが現実に支出されていないから。要するに、自営業者の総収入は、「所得金額」から「社会保険料控除」のみを控除し、「青色申告特別控除」及び現実に支払われていない「専従者給与」等を加算して認定する。
●自営業者の総収入の認定における減価償却費の取扱い
減価償却費も税法上の控除であって当該年度における具体的な支出はない。しかし、事業者が借り入れにより事業用資産を取得し返済を行っている場合には相応の支出はあるといえる。したがって、基本的には適正な減価償却費であればその控除を否定しない。減価償却費の額が疑問の場合にはその控除を認めず、そのかわり事業用資産取得のための借入金返済額について控除を検討する。
事業所得と給与所得がある場合の表のあてはめ
一方を他方に換算して合計する。
●子が4人以上の場合、義務者も子を監護している場合、義務者が再婚した場合、義務者の収入が上限を超える場合の計算方法
住宅ローン
義務者が住宅ローンの支払いをしている場合、算定表において考慮されている住居関係費よりたいてい高額である。
住宅ローンは実質的には夫婦共同の債務ということからすると、住宅ローン額を養育費の算定にあたって考慮すべき場合もある。
婚費権利者の居住する自宅の住宅ローンを義務者が払っている場合、算定表上の婚費から住宅ローン額を既払いとして引いてしまうと、算定表が想定している居住費より住宅ローン額はたいてい高額であるため、権利者が現実に手にする婚費が少額となってしまい不相当。さらに住宅ローンの支払いは義務者の資産を形成するという側面もある。
というわけでそれらを調整する計算方法…
●私立学校の学費