弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子の読書日記

姫野カオルコ「コルセット」

ISBN:4104277029:image:small
何度か、江國を読んでいると錯覚したのは、いかにもな姫野っぽさ(自意識とか羞恥を掘り下げるところ)が薄いのと、お金に困らない暮らしでフワフワしてる雰囲気に江國っぽさがあるためか。
とにかく文章が美しい。
「反行カノン」 終盤、「車の外も、なかも、夜である。ありがとう。」という結びまでたたみかけるような文章の緊張感がすごい。
フレンチ・カンカン」 「そういうことになっているってことみんなに元気をなくしてしまうのが」という、状況の取り出し方、言い当て方が絶妙。
「三幕アリア」 「速やかに助ける」年上男性ならではの細かな機微の描写がうまい。
「輪舞曲」 これが一番姫野っぽくないような気がする。異国で自意識から離れたところで成立する物語だからでしょうか。
公式サイトで「団鬼六賞問題」についてとても詳しく語られているのを今知りました。ここ数年、作者がこだわっていた「団鬼六賞問題」に興味のある方は読んでみては。