弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子の読書日記

ジュリスト1323号 破産と動産売買先取特権、相殺

「新破産法の基本構造と実務第20回」
まず、動産売買先取特権改正後の実務
田原先生から、実務の状況のご紹介。新法下でも旧法下と実務はかわらない。破産管財人はできるだけ速やかに動産を売却する。動産売買先取特権を主張する内容証明がきた場合でも、動産の特定性を欠いている場合はかまわず売却する。
大阪地裁では、破産管財人を相手にして先取特権行使による差押がされた事案が一件ある。動産競売の申立例はほとんどないとのこと。
動産の売り主にとっては物上代位の方がやりやすい。動産を転売先に直接納めていることが多いから。ひるがえって、債務者のところにある動産自体を特定するには占有状況がわからず困難がある。
こうした状況をふまえて破産管財人の職務のあるべき姿について議論。
田原先生から、実務的には、債権者の主張で特定性が明らかで、かついつでも許可の申立ができるという状態で任意の申し出があった場合は、それをふまえて和解的処理と。
あとは、相殺禁止についてとっても詳しい分析が…。
「専ら」の評価、位置づけ、難しいです。
第三者からの口座入金をどう考えるか。文言上、「契約」と「専ら」とどちらも問題で、実務の感覚と条文の素直な評価に乖離がありそうです。
実務で新法で悩む問題って、本ではまだまったくカバーできていないですね。