弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子の読書日記

判例タイムズ1220号 報告文書特に陳述書

・研究会「事実認定と立証活動2 陳述書の光と影−報告文書を中心として」
裁判官が書証をどう評価するか等の理解が深まり、ためになりました。是非読むべきです。
メール、テープ反訳、医学文献、新聞雑誌、ビラ、中傷文書、統計資料、他の事件の判決書について。弁護士の期待と裁判官の受け止めが違うところや、各類型の文書を扱うときの注意点。
また、陳述書については、反対尋問を経ない陳述書や、当事者がこだわって出してきている陳述書で明らかに反論を要しないと思われるものでも、裁判官がまともに取り合ってしまうのではないかという危惧があることについて、そうでもないという結論になっています。
不十分な陳述書提出のサンクションというところで、尋問前に出てきた陳述書が不十分で裁判所も反対当事者も困ることがあるという村田判事の発言に対し、加藤新太郎判事が、そういうときは不十分にしか書けないなら負けという心証をとるんでないかと何度も突っ込んで、あげくに、「加藤さんなら強く言って当事者の理解も得られるのでしょうけれども、なかなか普通の裁判官には言えないこともあるように思います。」と言われているところがおもしろい。加藤判事のような方が自著で書かれる持論と、現場の実情との落差は大きいのでしょう。理屈として語られない「そういうわけにはいかない」の根強さというか…