弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子の読書日記

家庭裁判月報第59巻第2号 相続放棄と特別縁故者・扶養的財産分与

・広島高裁岡山支部平成18年7月20日決定
相続放棄をした相続人を特別縁故者と認めて、相続財産を分与したものです。放棄の経緯は、存否不明の債権について執拗な請求を受けるおそれがあったためとのこと。こういう救い方があるのですね。
名古屋高裁平成18年5月31日決定
離婚後の財産分与申立事件で、妻への扶養的財産分与として自宅への使用貸借を設定したものです。使用貸借の期間として、妻は末子の成人までを求めていましたが、小学校卒業までとされました。一方で、清算的財産分与として自宅の妻の共有持分を使用貸借終了後に夫に分与すべきこととされました。このほか、夫が婚姻中に執筆した書物の将来分の印税の分与を定めていたり、扶養的財産分与を定めるにあたって妻が離婚に応じた心中を斟酌したりしています。事件番号は平成15年ですが決定は平成18年で、論点が多いためなのかもしれませんが、かなり時間が経ってます。