弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子の読書日記

判例時報1956号 高裁一回結審

最高裁平成18年11月14日判決
出血性ショックで死亡事案について、地裁では輸血の必要性を指摘する医師意見書が出て過失肯定、高裁ではこれを否定する医師意見書が出て過失否定という経過で、最高裁では、高裁が依った意見書の内容を批判し、原審判断を採証法則違反として取り消しました。
原審判断の誤りを指摘する過程で、「このことは、原審が、第1回口頭弁論期日に口頭弁論を終結しており、本件の争点に関係する乙野意見書と戊田意見書の意見の相違点について上告人らに乙野講師の反論の意見書を提出する機会を与えるようなこともしていないことが記録により明らかであること、原審の判示中に乙野意見書について触れた部分が全く見あたらないことからもうかがわれる。」と。
高裁では、地裁の判断の基礎になったと思われる意見書に言及もないというのはひどいですね。この最判控訴審で一回結審を牽制したいときに使えそうです。