弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子の読書日記

津島美知子「回想の太宰治」

回想の太宰治 (講談社文芸文庫 つH 1)
妻であるこの人もただ者ではなかったのだとわかります。津軽の家でお経を唱和して感心な嫁だと褒められたけど、娯楽のない田舎でコーラス気分で声を出していただけとか、宮尾登美子自伝みたいなとぼけた愉快なかんじもあり、また、戦中のとぼしい時代から戦後の繁栄まで通り抜けてきた人から振り返った、繁栄を見ずに死んでしまった人の哀れさというのも感じました。伊藤比呂美の解説が、本当にそうだと思います。