弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子の読書日記

家庭裁判月報第61巻第5号 有責配偶者

東京高裁平成20年5月14日判決
有責配偶者である夫からの離婚請求を認容した原判決を取り消し、請求を棄却した(離婚を認めなかった)高裁決定です。
同居期間16年、別居期間15年で、子らはみな成人しています。
しかし、別居後12年にわたり婚費を支払っていなかったこと(調停成立後は支払)、妻には資産も安定した住居もなく長女方に寄宿していること、妻は高齢、更年期障害、腰痛、抑うつ症で就労困難であること、長男は先天性の障害があり妻の配慮が必要と考えても無理からぬこと、夫の長男に対する態度が愛情を欠き、離婚してしまうと親子関係の回復がほぼ不可能であること、等の事情を指摘し、「苛酷」と認めて離婚請求を棄却すべきとしました。
夫の有責性は不貞とかではなく、夫の母と一緒になって妻と長男をいじめ、別居を余儀なくさせたというものです。