弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子の読書日記

破産法素朴な疑問

旧366条の13 免責は破産債権者が破産者の保証人其の他破産者と共に債務を負担する者に対して有する権利及破産債権者の為に供したる担保に影響を及ぼさず
現253条2項 免責許可の決定は、破産債権者が破産者の保証人その他破産者と共に債務を負担する者に対して有する権利及び破産者以外の者が破産債権者のために供した担保に影響を及ぼさない。
「破産者以外の者が」という言葉はどうして入ったのでしょう。破産者自身が供した担保はどうなのでしょう。ふとひっかかって、この部分の新旧対照を持ち歩いて幾人かに聞き回ってみましたが、解決しませんでした。この疑問、変でしょうか。何か前提を見落としてるのかなあ?
このこと、改正関係の文献をみても特に言及されていません。改正後に出てる教科書的文献をみても・・・条文を引いていながら「破産者以外の者が」を落としている(改正がちゃんと反映されてない)ものすらありました。
ご承知のとおり免責の効力については、自然債務説と債務消滅説とあり、どちらも、旧法366条の13の存在を根拠のひとつにしています。366条の13について、自然債務説は自然債務であることを確認的に示したものであるとし、債務消滅説は附従性の例外を定めたものであると。でも、「破産者以外の者が」が加わった253条2項は、自然債務であることを示したものといえるのでしょうか。
オーバーローンの不動産があり同時廃止・免責後に抵当権が実行されるような場合に、債務消滅説→253条2項の反対解釈→附従性により抵当権は消滅という理論構成を誰かチャレンジしてみませんか(それが通っちゃえば、オーバーローンだからって同時廃止にならないことになって変ですが)。