弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子の読書日記

野中広務・辛淑玉「差別と日本人」

差別と日本人 (角川oneテーマ21 A 100)
辛淑玉の本ははじめて。この対談すごくよかった。「人権は好きだけど当事者が嫌いな人はいっぱいいる。」という言葉はすごく思い当たるしすごく言い当ててる。
辛「私たちにとって、政治というのは遠いんですよ、すごく。」野中「敵だと思ってるから。」/辛「法務省って、日本人以外に対して最も人権侵害をしているじゃないですか。」野中「いや、それはそう思うからだ。法務省の中だっていいとこもあるんだ、それは。」というあたりのふたりの温度差、噛み合わなさ。野中氏のこの答え方が私は意外と好きだ。
あと、野中氏がきのう石原慎太郎と昼飯食べたという話しをして、辛氏から拒否反応を示されてるくだりはつい笑っちゃうところですが、辛氏が理解できないそういう野中氏の態度は、「私の理想とするのは、互いが足りない部分を補い合っていく温かみのある社会だ。それが実現されてはじめて豊かな社会が築かれる。だからあらゆる差別問題は解決していかなければならないのだ。」という前書きでの表明とつながるものだと思います。辛氏の理想の社会には石原慎太郎はいないんだろうけど、野中氏の理想の社会には足りない部分(感受性とか?)を持つ者として石原慎太郎の席もあるんだろう。