弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子の読書日記

家庭裁判月報第63巻第4号 家事調停、相続放棄

・石田敏明「家事調停の運営について」
所長時代に調停委員研修会でされた講演の加筆修正です。
読んでちょっとびっくりしたのですが(ここまで率直におっしゃったかと)、男性調停委員には特に耳が痛いであろう部分が多いです。
「(略)どうもぎくしゃくした進行になっているところを、女性調停委員が、時々言葉を挟みながら必死に軌道修正しようとしていることもあるようです。」など、「男性調停委員は」と明示していろいろ指摘している部分があります(なんて刺激的なとこをつまみぐいで載せてごめんなさい。よい内容なのでこの紹介を読んで興味をもった方はぜひ全体を読んでください)。
本当に耳を痛めてほしいたぐいの人は研修に来ないしこういうのも読まないので響かないのでしょうけど、苦労させられている相調停委員が読んで「ああ、彼のああいう態度はやっぱりよくないことなんだわ」と自信をつけて、多少なりとも強く出られるようになればいいと思います(ちなみに、調停現場以外では耳慣れない用語かもしれませんが「相調停員」とは相方の調停委員の意味。「アイチョウ」と略して呼ぶこと多し)。
そして、所長らしい調停への取り組み姿勢や柔軟な考え方が示されているのですが、もし調停委員がこれらを真に受けて行動したら裁判官に「はぁ?」と冷たく対応される悲劇も起きそうです(実際には多くの調停委員はそのへんの機微はわきまえて読まれると思いますが)。その意味ではむしろ裁判官に読んでほしい。ちなみに裁判官向けには、石田敏明「家事調停の運営と裁判官の役割について」家庭裁判月報第59巻第8号も。