弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子の読書日記

小林美希「ルポ 職場流産――雇用崩壊後の妊娠・出産・育児」

ルポ 職場流産――雇用崩壊後の妊娠・出産・育児
妊娠初期の流産は、遺伝子異常などやむを得ないものだと一般に言われますが、実は無理な働き方によるものも相当ある、というルポです。この主題自体については、文献や人の発言を引用したりして熱心に書いてあるのですが、どうも読んでいると、妊娠出産関連の制度の知識があやふやっぽいのが残念です。
たとえば、会社都合退職だと会社は「割増賃金」を払わなきゃいけない(9頁。解雇予告手当のことでしょうかね…?それとも退職金が割増とかそういう話し?)とか、183頁の「育児時間」の説明が違う(「育児時間」は1日2回30分のことで、ここで書いてある「勤務時間の短縮等の措置」とかの話しとは別。あと、「勤務時間の短縮等の措置」のメニューが全て義務みたいに書かれてあるけど、義務はメニューのうちいずれか1つ)とか…。ほかにもいくつか、読みながら首を傾げる箇所が。
重箱のスミつつきすぎ? でも、職場が過酷って主張なら、妊娠出産と労働関連制度がどうなってるかって大事だと思うので、きっちり押さえてからまとめてほしかったなと思ってしまいました。統計などデータを紹介してある部分は、こちらはそのまま受け止めて読むしかないわけですが、こういうあやふやな部分が気になってしまうと、データの紹介などもほんとに真に受けていいのかな?と首かしげながら読む感じになってしまうのですよ。