弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子の読書日記

家庭裁判月報第63巻第10号 婚費裁判例

・広島高裁岡山支部平成23年2月10日決定
子らが毎週金曜夕方から日曜夕方まで義務者のもとで過ごしており、その期間中の子らの食費等を義務者が負担しているケースで、算定表による金額から義務者が負担している費用相当額を控除して婚姻費用を定めた裁判例です。原審の月額5万円を4万5000円に減額しています。
東京家裁平成22年11月24日審判
義務者が住宅ローン16万円を払っていることから、算定表上の婚費30万円から、権利者の総収入に対応する標準的な住居関係費相当額の3万円を控除した27万円を婚費と定めた裁判例です。住宅ローン全額分を控除すべきという義務者側の主張が排斥されています。ちなみに、権利者は大学院卒の学歴があるものの実収入が年間84万円とのこと。義務者は権利者の年収をセンサスで算定すべきと主張しましたが、裁判所は、義務者が「現にその学歴等を生かして大学の非常勤講師として稼働しているのであるから、その潜在的稼働能力に従った努力を怠っているとは言い難く」と、実収入で算定しています。