私は鉄ではないけど秘境駅とかが好きなのでその流れで買ったのですが、思いがけぬ掘り下げの深さ。すごい労作ですごいよかったです。無人駅を切り口に北海道そのもの、というか北海道に象徴される地方という存在に迫っています。この本のインパクトを伝えるのは難しい…北海道以外の人にも広く読んでほしい。
あと、後書きに執筆中の8年間さわやかな朝を迎えなかったというようなくだりがあるのが何か本歌があるなと気にかかっていたのですが、太宰の「晩年」でしたね。「私はこの短篇集1冊のために、10箇年を棒に振った。まる10箇年、市民と同じさわやかな朝めしを食わなかった。」わかってスッキリしたので追記。