弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子の読書日記

保坂和志「考える練習」

考える練習
カフカ」はまだ読み終われないでいるのですが、こちらは出張に連れ出したので一回で読み切ってしまいました。というか、「カフカ」や「鳥魚」などきちんと刻んでくれた文章と、しゃべりを編集者がまとめたものとは、文章の迫力が違いすぎるのです。
あと、時事について喋ると、○○はダメ、みたいな言い切りが多くなりがちだけど、この人の真髄はあやふやで掴みきれないもののあやふやで掴みきれないさまをそのままあらわすところにあると思うので、そんなに宴席のオヤジみたいに時事を語ったりいろいろ言い切ったりしないでほしい。
「文章が「深く来る」とはどういうことか?」というくだりがあって、カフカの文章は読みながら「深く来る」感じがする、と語られているんだけど、それってまさに私が保坂氏の文章を脳に直に来ると感じるのと同じことについてなので、この脳に直に来させる文章は意図して書かれてるんですよね。
それにしても、「カンバセイション・ピース」の感想を読み返すと今も、読んでるときの興奮がそのまま思い起こされて、早く長編の新作が読みたいです。