弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子の読書日記

小磯修二「地方が輝くために――創造と革新に向けての地域戦略15章」

地方が輝くために――創造と革新に向けての地域戦略15章 (柏艪舎ネプチューンノンフィクションシリーズ)
講演を聴く機会があってけっこう良かったのでご著書を読んでみました。学者さんの格調高い本をたまに読むと新鮮で、もっともっと勉強したいような気持ちになります(なるだけ…)。
冒頭、自分がいまちょうど考えていたようなことが書かれてあって、そのことよ!と。

地方の活性化に向けて本当に大切なことは、市民1人ひとりがやる気を持ち、意欲を持って取り組んでいくという意識をしっかり醸成できるかどうか、ということに尽きるように感じています。しかし、やる気、モチベーションの醸成というのは大変難しいテーマです。人をその気にさせて実行に結びつけるのは大変難しいことです。熱い思いを持った説得は大事ですが、ただ、頑張れと言うだけではダメで、大切なことは、説得力のある情報で説明し、共感を得ることができるかどうかということです。わたしの経験では、科学的に分析された情報やデータで将来に向かってのしっかりとした道筋、目標というものをみんなが納得できる形で、説得力ある形で示していくことが重要だと感じています。まさに「クールヘッド・ウォームハート」という言葉のとおり、冷静に地域のことを分析して理解し、熱い志で実践していくことが大事なことです。(7頁)

(1)まず自分達の商店街全体について「知ること」、(2)そして、商店の立場だけでなく商店街全体の立場にたって、将来の方向性を「一緒に考えること」、(3)さらに、一つでも具体的な取り組みを「一緒に実践していくこと」という、認識、思考、実践というプロセスを一緒に踏んでいくことが、息の長い安定した商店街の取り組みには不可欠ではないかと感じました。(略)商店街全体の状況がわかった時に、自分のなすべきことも見えてくるのです。そしてそれぞれができることを少しでも実行すれば、全体の価値が高まってくるのです。(24頁)