弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子の読書日記

判例時報2260号 面会交流

「子ども中心の面会交流論(原則的実施論批判)」
面会交流について原則的実施論といわれるような状況になるに至るまでの流れや、そのことの問題点を指摘するものです。
原則的実施論を「ドグマ」と呼びつつ、反面、FPIC関連のとある文章について「PAS・PAのレッテル貼り」と批判する部分があるのですが、レッテル貼りと決めつけることもまたレッテル貼りの様相を帯びているように思われ、実際にはいずれの場合もありうるのであって、要は裁判所の思考停止は許すまじということに尽きるのだと思います。
同じ号で紹介されている
熊本地裁平成27年3月27日判決(調停で定めた面会交流の不履行につき妻とその代理人弁護士の共同不法行為を認めた)
福岡家裁平成26年12月4日審判(調停で定めた面会交流の不履行等を理由に監護権は母に残しつつ親権を父に変更した)
を読んでも思うのですが、裁判所って、裁判所で決めた金銭債務の不履行に対しては、無い袖は振れぬでしょ、執行してダメならしょうがないよね、というヒトゴト感がありますが、裁判所で決めた面会の不履行に対しては、その気になればできるはずのことをあえてしないと見えるのか、俺の言うこと聞かないのはケシカラン罰してやるという発想に出ているように思われ、両方が極論だし一概にどっちがどうということではないですが、バランス悪いんじゃない?と思います。