第一章に作品としての文章があって、第二章以下で素に近い文章が並ぶと、作品としての文章は素に見えて作り込まれているとわかります。題材も文章もいかにも自然体に見えてそうではないことのすごさ!
「どうせ大したことは見も、感じも出来るわけではないということを胸に刻みこむこと。その代り、「当たり前のことで、何も珍しいことではないかも知れないが、自分はいっておきたいことがある。どうもよくは分からんが、自分には話すだけの価値のあることのような気がするから。別に誰が聞いてくれなくてもいいことだが」ということは、しっかりと書きたい。つまり、そいつこそ私の打つべき羽根に間違いないだろうから。」