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弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子の読書日記

判例タイムズ1423号 遺言・介護事故・特別養子・寄与・子の引き渡し

・「遺言能力(遺言能力の理論的検討及びその判断・審理方法)」
遺言能力をめぐる事案は増えていますね。
・「介護事故による損害賠償請求訴訟の裁判例概観 過失・安全配慮義務違反の判断を中心として」
裁判例の概観だけで分析まではないですが、相談場面でもなかなか判断に迷うことが多いので参考になりそう。
・大阪高裁平成27年9月17日決定
実父母(父は認知はしてない)が養育できない事情のある子が親族に養育されており、実父母は子のことをいまいち諦め切れていないと思われる状況で、「子の利益のために特に必要がある」ことを否定して特別養子縁組申立を却下した原審判を取り消し、申立を認めた高裁決定です。
・札幌高裁平成27年7月28日決定
遺産総額約1億、子3名による相続。被相続人の事業に従事していた子につき寄与分約3割を認めた原審判を変更し、事業従事により相応の給与を得て、被相続人と同居し家賃や食費の負担を受けていたことを指摘し寄与を否定した高裁決定です。当事者は誰も弁護士つけてないようです。たしかに原審の寄与分の認定は大盤振る舞い感が。
・東京高裁平成27年2月26日決定
母からの申立による審判前の保全処分(子の引き渡し)を認めた原審判を取り消して申立を却下した高裁決定です。調査官調査も経ていない、ということが重視されているようです。「未成年者の年齢等を踏まえると、監護者の問題は早急に解決されるべきであるものの、これは本案の迅速な審理によって対処すべき事柄であり」とありますが、それならそのように本案を迅速に、是非ともお頼みしますよ、と思います…。