弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子(ラベンダー法律事務所)の読書日記

春日武彦「援助者必携 はじめての精神科 第2版」

家にあったのをなんとなくめくってたらどーしても線を引きながら読みたくなりそのまま我が物とし、すぐもう1冊買って償いとした本書。強く勧めます。

「Ⅰ手を出す前に考えておくこと」「Ⅱかれらの苦しみ」「Ⅲわたしたちの困難」という章題からしてしびれます!

他者理解の補助線→無力感、面倒くさい、存在価値、相反する感情、論理的に間違える。

声をひそめる。

他人の助言を拒絶することによってささやかな自意識を確認。屈折した自己肯定。オープンエンド。

苦労した者だけが味わうことのできる感興。

かれらがそう信じているという事実を受け入れ、その結果の感情に共感する。

困りが生ぬるい場合は待つしかない。腰を据えて事態を見守る。待つための度胸。タフさ。腰が座れば事態は展開する(ほんとうにそう!)。

自信のなさと一体となったコントロール願望。当事者とパワーゲームを繰り広げてしまう。

共依存という膠着。相手に関心があればあるほど、相手をコントロールしたくなってしまう。時間を動かす触媒。

ハンディキャップという座標軸。

精神を病んだ人でも優先順位の99%は同じ。

やさしさの演技。介護者もまた変わっていく。変化、向上がなければただの汚れ仕事。

脳内の不安感違和感を納得するための妄想。妄想の当否は受け流し気持ちに共感する。損得勘定を持ち出す。

人格水準の低下→生きることの不器用さ。

屈託のない態度、状況や気分をナレーションするような語り口。

回り道をしてしまったという無念さ。

労力と優先順位。スタンスを決め不全感を貯めない。

家族の現状に甘んじてきたツケが本人に回る。

相手が踏み込んできたときは、なんでも期待に添えるとは限らないと教えるチャンス。

自覚さえしていれば事なかれ主義でも構わない。気合いで乗り切るときもある。

怒りよりも好奇心。

相手なりの事情、人間の弱さや醜さ。

ないものねだりには付き合わない。

本人の運命。援助者の運の強さ。

電話相談は精神衛生上よろしくない。

ベストの答えが「ないことを知っている」ことでくくれる腹。腹をくくることで馬鹿力や予想外の展開。

練習してみよう。中間的フレーズ。

誠実・真摯・品性。

性格に問題のある人との出会い→やさしさ、善意、良識、品位への疑いが生じるダメージ。

「待つ」と言っても視野狭窄的にそれだけを待つのでなく、他のケースもあるのだからある程度忙しく充実していれば脇に置いておいたケースも展開する。見つめる鍋は煮えない(←これは書いてあったわけでないけど思い出した言葉)。

邪悪は「まとも」で希釈する。

はじめての精神科―援助者必携