「教誨師」の、「原爆供養塔」の、「死刑の基準 永山裁判が遺したもの」の、堀川惠子さんとくれば間違いはないのですが、どうもちょうど脳が弱っていたタイミングだったし、タイトルや見た感じでは読もうかと思えず、しかし必読という強いプッシュを受けて読んだらやっぱり必読の書でした。
戦時中の作家への弾圧は知ってる気がしてましたが、演劇界への弾圧、戦争利用がどうだったか。投獄されてた者は戦後に出てくれば身綺麗ですがそこまでいかず生き抜いてきた者の背負った業。あと一歩の終戦まで生き抜けなかった者の悲惨さ。
こんな時代だからとかそんな大仰なことはあれなのですが。うもれた歴史がすぐれた作家によってこうしてまとめられ残されることの幸運、読めることの幸運を考えると、広く読まれてほしいのです。