弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子(ラベンダー法律事務所)の読書日記

宮澤賢治「注文の多い料理店」

小学校の読み聞かせボランティアにて。今回は「注文の多い料理店」のかみしばいを。いちばんうしろでだらりと座っていた1年生の男の子が、「ぼくらはしんしだから、みだしなみをよくしなくちゃ。」というフレーズとともに、正座をして背すじをのばしたのだそうで、サポートしてくれてたママさんが「いいものを見た」と教えてくれました。これ…伝わるだろうか!

幼いこどもならではの物語への没入、1対多の読み聞かせであっても個のふるまいに影響を与えうること、テレビなどではこうはならないであろう人のナマ声の力。こういう瞬間に触れうるからこそ、読み聞かせ活動は古来脈々と続いてきているのかも。 

「ここで かみを きちんと して、くつの どろを おとして ください。」

と、また どこからか こえが しました。

「まったくだ。ぼくらは しんしだから、みだしなみを よく しなくちゃ。」

「山の 中だと みくびっちゃ だめだ。」

ふたりは、きれいに かみを くしで とかして、くつの どろを おとしました。 

注文の多い料理店 (かみしばい宮沢賢治童話名作集)

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