・広島高裁平成31年1月10日決定
消化器外科部長を解任して新設のがん治療サポート副センター長に任命する配転命令について、雇用契約上の義務がないことの仮地位仮処分を認めた(認めなかった原決定を変更)高裁決定です。経緯を読むとおもしろいです。病院側の主張がケチョンケチョンですが原審はそれを認めていたわけで、その原審に対しても何言ってんだと言わんばかりの語調の強さを感じます。1週間余で3人に重篤な合併症を生じさせた上司の医師に、しばらく手術をするのは止めた方がいいと述べたことなどが問題視されたようです。
・札幌高裁平成30年1月30日決定
公正証書で定めた養育費について再婚、養子縁組による減額申立。公正証書がもともと算定表より高かった部分の取扱が原審と抗告審で違っていて、抗告審では加算分を子の総人数の生活費指数で按分しています。
・東京地裁平成29年5月17日判決
未払賃金の請求について、当事者間の契約は労働契約ではなく共同経営の合意であるとして労働者性を否定した判決です。
・東京地裁平成29年5月26日判決
個別健診で精密検査指示の結果通知が1ヶ月遅れた(自ら受診するまで通知しなかった)ことについて注意義務違反を認め、胃がんによる死亡との因果関係は否定し、相当程度の可能性200万円とした判決です。
・平成30年5月28日審判
自閉症スペクトラムの傾向がある事件本人に対して父親と養母が接し方を改善できないケースで児童心理治療施設入所を認めた審判です。親が本人の特性への理解がなく、自身の見解に固執していることが消極評価されています。