弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子(ラベンダー法律事務所)の読書日記

判例時報1916号 小児見落とし認容例

横浜地裁平成17年9月29日判決
息苦しい等の症状で外来受診した男児の急性喉頭蓋炎を見逃し漫然と帰宅させた医師の責任を認めた事例。
いつもと違うと訴える母親に対して、「大げさ」「お母さんまで神経質」「親子してそっくりだね。大丈夫ですから」と取り合わず帰宅させたという認定。頻出パターンです。
「息苦しい、のどが苦しいなどの自覚症状のある小児に対して診療を行う医師としては、小児の疾患が緊急を要するものか、当該病院等で診療を行えば足りるものかを鑑別するために、まず、言葉での表現能力に未熟な点のある小児だけでなく、付添の保護者からも問診を行い、慎重にその症状等を聞き出すとともに、身体状況を丁寧に聴診、触診、視診する必要がある。」と。