弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子(ラベンダー法律事務所)の読書日記

判例時報2355号 建物明渡と遺留分と価額弁償、面会交流の間接強制、求人票と労働契約不利益変更

・東京高裁平成28年6月22日判決

受遺者が遺留分権利者の占有する建物の明渡を求めた場面で、価額弁償を条件として建物明渡を認容すべきものとして、請求棄却の原判決を変更した高裁判決です。原審は遺留分侵害→占有者は遺留分減殺で共有持分有する→棄却に対し、原告が価額弁償を条件とした明渡の予備的請求を追加して控訴

・大阪高裁平成29年4月28日決定

15歳の子の面会交流の間接強制申立について、債務者の意思のみによって履行できず履行不能として却下した高裁決定です。原決定は不履行1回につき30万円の間接強制を命じていました。解説部分、抗告審を控訴と書き間違いが何度もあり気になります。

京都地裁平成29年3月30日判決

求人票記載の労働条件により労働契約が成立したものとして、就労開始後の労働条件通知書(原告の署名押印あり)による不利益変更を認めなかった判決です。