弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子(ラベンダー法律事務所)の読書日記

判例タイムズ1446号 移送、子の引渡、養育費減額、子の監護引渡保全処分

・「民事訴訟法17条に基づく移送について 要件・考慮要素の検討を中心に」

移送は判断ぶれるときある感じがして見通しつけづらい印象があります。何か戦うときにつかえそうです。

最高裁平成29年12月5日決定

協議離婚で親権父となったが母が4年間子の監護を続けていた状況で、父からの親権に基づく妨害排除請求としての子の引渡仮処分申立を権利濫用とした最高裁決定です。

・東京高裁平成28年12月6日決定

養育費の権利者が再婚、子の養子縁組があった後、義務者がそれを知り養育費の支払いを停止して、申し立てた減額調停について、減額の始期を支払停止時とした高裁決定です。申立時とした原審判を変更。

・東京高裁平成28年6月10日決定

9歳、7歳の子を連れて別居した父に対し母が申し立てた子の監護者指定、引渡審判前の保全処分について、これらを認めた原審判を取り消し、申立を却下した高裁決定です。判示部分の引用は略しますが、要は保全処分の認容のハードルを高くした判断です。本案では、引渡が命じられたようです。弁護士と相手方当事者(母)の生々しいやりとりが摘示されています。