弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子(ラベンダー法律事務所)の読書日記

家庭の法と裁判17号 面会交流の間接強制、扶養料、再婚と養育費減額の始期

・大阪高裁平成30年3月22日決定

面会交流の間接強制で、1回5万円とした原決定を変更し1回20万円とした高裁決定です。母(監護親)は面会交流を一貫として拒否。原決定で5万円とされた後は2回程度面会に応じている。母は歯科医師で年収約476万円、父→母の婚姻費用は月額21万円。

・大阪高裁平成29年12月15日決定

申立人(子。私立大学医学部)から相手方(父)に対する養育費では学費に不足とする扶養料請求について。原審は6年間で407万円の負担。抗告審は6年間で880万円の負担。全体の費用の把握、父母での按分方法、控除する養育費額で判断が分かれています。父は医師・薬剤師の一家、母は実家が医師、自身は薬剤師。

・広島高裁平成29年3月31日決定

二男から長男、三男に対する母の扶養料、亡父に対する過去の扶養料の求償の請求について。原審は当事者の収入で按分。抗告審は、必要の範囲+余力の範囲内として、当事者の配偶者の視力も考慮して余力を認定。

・東京高裁平成28年12月6日決定

母の再婚+相手との養子縁組による養育費の免除の始期について、申立時とした原審判を変更し、別件調停で養育費の支払義務がないと主張し支払いを打ち切ったときとした高裁決定です。