弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子(ラベンダー法律事務所)の読書日記

こころの科学編集部「こころの臨床を語る こころの科学対談・座談選」

・病気をきっかけに一段上の段階に持ち上げる。治すことは原状復帰ではなく成熟につなげられる。

・関与と観察。家族は観察されることを求めていない。観察から関与に構えを変えることで目の前にいる家族が変わる。

・家族の病理。病理は家族が新たな展開をするための大事な箇所。病理と正常化が表裏の二重構造。

これは中井先生の本のどこかでだっけ、暴れる、変になっている人はそうできるパワーがあり、それを生かしきれないからそうなる、むしろ希望を示すものでもある、みたいなことが書かれていたなと思いだしつつ…

・河合先生「やっぱり自分はこういうことに向いていないのではないかとか、自分がするのはクライアントに申し訳ないとか、それは何度も思いましたが、ほかにすることがないと思いました(笑)。何か運命みたいなもので、これ以外にすることがあるかと考えたら、もうない。ないのだったら死にものぐるいになるより仕方がないというふうな感じもありました。」

・僕が治しているのではなく、クライアントが自分で治る。

・いっぺん徹底的に頑張ってやるということがなくて、そこ(他力)へ行っては危ない。

・自転車のハンドルを死にものぐるいで握っているのと一緒。

・逃げ出して「ああ、またか」と「お帰り」の違い。難しくても。

・言説のレベルで言ったり考えたりできることと、振る舞いに本当ににじみ出るかの違い。伝わるのは振る舞い、なにげなさの方。

・にもかかわらず生きる力を持っている。その力を生かせる保障。

・その人が生きている現実が変わらずに症状だけがポロッととれることなどない。

・問題に気づく目より、よさや可能性を感じ取る能力。

こころの臨床を語る: 「こころの科学」対談・座談選