弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子(ラベンダー法律事務所)の読書日記

宮野真生子、磯野真穂「急に具合が悪くなる」

つねに不確定に時間が流れているなかで、誰かと出会ってしまうことの意味、そのおそろしさ、もちろん、そこから逃げることも出来る。なぜ、逃げないのか、そのなかで何を得てしまうのか

 

分岐ルートのいずれかを選ぶとは、一本の道を選ぶことではなく、新しく無数に開かれた可能性の全体に入ってゆくことなのです。可能性とは、ルートが分岐しつつ、その行く先がわかった一本道などではなく、つねに、動的に変化していく全体でしかないのではないでしょうか。 

などと、折ったりセン引いたりしてマークできたのははじめのうちだけで、終盤は、往復書簡ならではの行間…書かれざる部分も含めた「全体」に圧倒され続け…すごいものに触れてしまいました。

「あること」も「ないこと」もありえた「にもかかわらず」

にもかかわらず。自由な自分になってしまった記憶とともに。

急に具合が悪くなる