弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子(ラベンダー法律事務所)の読書日記

判例時報2443号 養育費、脳性麻痺、相続人廃除、年金分割、法人格否認

・東京高裁令和元年8月19日決定

公正証書で定めた養育費の減額審判。住宅ローンの支払合意と不可分一体で切り離して減額できないと、これを認めた原審判を取り消して申立却下。住宅ローンの支払いに関する条項は家事審判事項ではないからと。それならこの合意の変更はどこでどのようになしうるのだろうか。

・大阪高裁平成31年4月12日判決

新生児の低血糖→ショック→脳性麻痺産婦人科医師の責任肯定。血糖値データは十分ではないが、血糖値を測定しなかったという医師の注意義務違反によって生じたものであって、「血糖値の推移の不明確を当の医師にではなく患者の不利益に帰することは条理にも反するというべきである。」

・大阪高裁令和元年8月21日決定

暴力を理由とする推定相続人廃除認容例。遺言執行者からの請求。却下した原審を変更。

・大阪高裁令和元年8月21日決定

婚姻後9年同居→35年別居して離婚でも年金分割の按分割合0.5。0.35とした原審を変更

東京地裁令和元年11月27日判決

社労士が強制執行免れる目的で設立した社労士法人について法人格否認された件。

・米村滋人「医学の不確実性と医療過誤判例」vs加藤新太郎「訴訟と科学 その実務的対応」

判例時報2442号 面会交流、未成年者の監督義務

・東京高裁令和元年8月23日決定

抗告審で子の手続代理人を選任して意思確認している件。間接交流(原審の手紙交流にメールアドレス、LINEIDの通知を追加)。子(14~19歳)の拒絶意思が強いから間接交流に。面会親(父)の対応がいまいち不適切という背景がありそう(「男なら性風俗に行くことはある」「会えなくなったら寂しくて自殺しちゃうかも、死んでほしい?」と子に述べたり)。「もとより、抗告人においては、メッセージの送信によって、より未成年者らの反感を増すことのないよう、送信頻度やその内容については十分な配慮が求められる。」「未成年者ら手続代理人において、未成年者らに本決定の内容を告知・説明する際、裁判所は、抗告人と未成年者らとの直接交流が不要と判断したわけではなく、いずれ父親である抗告人との直接交流が再開されることが望ましいと期待したものである旨適切に伝えられるべきであることをあえて付言する。」と。

横浜地裁令和元年7月26日判決

殺人を犯した少年3名の親権者の監督責任。子によって責任が分かれている。

家庭の法と裁判26号 子の監護引渡、面会交流調停モデル

・鬼丸かおる「最高裁事件から省みた家事調停の重要性」

裁判離婚が容易になってきている傾向(有責含め)と

・「子の監護者指定・引渡しをめぐる最近の裁判例について」

・「東京家庭裁判所における面会交流調停事件の運営方針の確認及び新たな運営モデルについて」

PDCA回すみたいなことが言われています。

家庭の法と裁判(FAMILY COURT JOURNAL)26号