弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子(ラベンダー法律事務所)の読書日記

中井久夫「新版精神科治療の覚書」

「われわれはみな「自分の穴の中」にいる」

医師の万能感→患者が卑小化、彷徨的な治療

「診断書は求められれば書かねばならないという医師への強い義務には何を書いてもよいという強い権利で均衡されているのだ」(まさしく!)

「心気的な人は決してすぐれた身体感覚の持主ではない。むしろ、その逆である」

「治療という大仕事」

アスファルトの一本道を先をみながら歩くのは疲れるものですから」

急性期には美しくないものが出がちだが、それが全てではないしずっとでもない

「自分の正気を論証あるいは例証しようとする行為はすべてクレージーである」

ツリー型とループ連鎖型

あきらめるな、あせるな

「性格とはその人の問題のたて方と解き方の比較的変わらないパターン」

「患者は治ることができるが、精神科医はそうではない」

新版・精神科治療の覚書 (日本評論社ベーシック・シリーズ)

判例時報2450・2451合併号 相続放棄、子の監護者

・東京高裁令和1年11月25日決定

相続放棄申述について原審却下を取り消して受理した高裁決定です。固定資産税に関する市役所からの文書を受領してから3ヶ月経過していたものの諸事情から。

福岡高裁令和1年10月29日決定

妻(非監護)から夫(監護)に対する子の監護者指定、引渡しを求めた事件で、これを認めた原審を取り消して却下した高裁決定です。母と暮らしたいという長女(平成22年生)の発言は母への思慕を示す表現であるとしても監護者指定における位置づけについては慎重に評価・判断する必要がある、と。原審判は平成31年2月22日。抗告審でも調査官が子ら、担任と面接しているようです。

判例時報2477号 面会交流

阪高裁令和1年11月8日決定

父が求めた面会交流(前件調停条項に基づく)について、間接交流のみとした原審判を変更し、直接交流を命じた高裁決定。子は9歳、6歳。面会交流が途絶えたのは、母が父方で父の交際相手と会ってしまったことなど。中断前の面会交流自体は円滑(母もまじえた海外旅行も)。忠誠葛藤が続けば子に過度の精神的負担を強いる→直接交流を速やかに再開というロジック。

こころの科学213号 秘密と嘘

・子どもの心理臨床における秘密と嘘 秘密をもてる能力、嘘をつける能力

lieとfiction

・秘密と嘘をめぐる思春期心性 私も知らない私の秘密

・家族の暴力における秘密と嘘

・依存症をとりまく秘密と嘘をめぐって

・秘密と嘘、その精神分析的理解 発達、発達からの逸脱、そして精神分析治療における展開

こころの科学 2020年9月号 通巻 213号 秘密と嘘 ーーその深層

井上佑紀「10代から身につけたいギリギリな自分を助ける方法」「子どものこころ・発達を支える親子面接の8ステップ」

「親子面接の8ステップ」をずっと放置してて、後から買った「ギリギリな自分」と同じ著者とわかったので続け読み。

「ギリギリな自分」はSOSミニレターの返信にすごく参考にしたい。

以下は「8ステップ」から。

・たくさん我慢したこと、耐え忍んだことを強化するような発言(ひどい暴言によく耐えましたね)は避け、ネガティブな体験によって抱えることになった辛い感情を承認し、ともに抱えるようなプロセス(そんなひどい暴言を受けたらたまりません。それはさぞかし腹が立ったでしょうね)が大切

・健康な側面を把握する

・困難な状況の例外を探す

・悪いところに気づかせるよりも守りたいものに気づかせる

・感情を想像、確認、承認 想像した内容の押しつけにならないように

・問題行動は困難な状況への本人なりの対処の側面

・苦痛、無念さ、怒り、あきらめ

・正しいかどうかより、なぜそうしたのか、他にどんな方法がありえたか

・自分なりの対処の限界→みじめ、でなく支援につながった契機

・否定文の願い、肯定文の願い

・すばやいタイプ、のんびりタイプ

・外在化技法

10代から身につけたい ギリギリな自分を助ける方法

子どものこころ・発達を支える親子面接の8ステップ―安全感に根差した関係づくりのコツ

小林桜児「人を信じられない病 信頼障害としてのアディクション」

春日第三版で紹介されてたので。

・「直面化」→「動機づけ面接法」はもはや教養

・「やめさせたければ、やめろと言わない」

・「正したい反射」を抑え、説得ではなく交渉

・うそによるほかは語られぬ真実もある

・違法でもしがみつくしかない浮き輪

・リスクをとらなければ成長はない

・過剰適応のやめ方

・本人は薬物の有害性や違法性に困っているのではなく、孤独と不安という感情の対処に困っている

・「ダメ。ゼッタイ」ではなく「助けてくれる人は必ずいるので相談を」「あなたは一人じゃない」

人を信じられない病---信頼障害としてのアディクション