弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子(ラベンダー法律事務所)の読書日記

2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

湯沢雍彦,宮本みち子「新版 データで読む家族問題」

講演のネタとしてや、ネタにするための統計を知るためのとっかかりとして非常〜〜につかえるこの本、データをあらたにして新版になってます(平成20年11月刊)。

福田恒存「人間・この劇的なるもの」

「私の幸福論」があとから効いてきて意外とよかったのでほかのを読んでみたのですが、これは…まったく合いませんでした。

イリサ・P. ベイネイデック, キャサリン・F.ブラウン「離婚しても子どもを幸せにする方法」

この分野では古典という感じでしょうか。で一応というかんじで読んでみました。が、アメリカンすぎて実用的じゃないという印象です。

判例タイムズ1293号 事実認定と判断

瀬木比呂志「ケースブック民事訴訟活動・事実認定と判断」 例に挙げられた判決でわりと大胆な部分がありおもしろかったです。主張にこたえようという意識を感じます。

ケース研究299号 家裁の内在的論理2

今号も読み応えのある論稿が多く充実していました。内在的論理というか、真ん中からのものの見方というのは、一方サイドの見方とひと味違うということが、経験してみるとわかるのです。家事調停官の任期を終えて1年半余。仮に任期を延長していても(任期は…

判例時報2036号 契約の形式と実体

名古屋高裁平成20年10月23日判決 店の雇われママで形式的には代表取締役の立場にあった者について、委任関係にあることを否定し、民法651条2項の責任を否定した判決です。委任関係じゃなかったら何だろう?となりますが、「控訴人と被控訴人は委任…

スター

日弁人権委員会の全体会に出たら思いがけず菅家さんと佐藤博史先生の会見?があり、私は佐藤博史先生をスターをみる気持ちでみつめました。先生の「刑事弁護の技術と倫理」には私はすごく感銘を受けて、取り上げられてた本をつぎつぎ読んだりしましたが(コ…

破産法素朴な疑問

旧366条の13 免責は破産債権者が破産者の保証人其の他破産者と共に債務を負担する者に対して有する権利及破産債権者の為に供したる担保に影響を及ぼさず 現253条2項 免責許可の決定は、破産債権者が破産者の保証人その他破産者と共に債務を負担する…

家庭裁判月報第61巻第5号 有責配偶者

東京高裁平成20年5月14日判決 有責配偶者である夫からの離婚請求を認容した原判決を取り消し、請求を棄却した(離婚を認めなかった)高裁決定です。 同居期間16年、別居期間15年で、子らはみな成人しています。 しかし、別居後12年にわたり婚費を…

社長がけ対策

電話を職員にかけさせて相手が出てからおもむろに自分が通話口に出る、という流儀の弁護士がいます。こういうのって何と呼ぶのかわかりませんが、幾人かの人とこのことについて情報交換したときに、ある人が「社長がけ」と呼んでいたのでとりあえずそれに倣…

桐野夏生「IN」

前情報なしで移動中に読んでて、これって「死の棘」だよねえ?とモヤモヤしてたのを、戻ってやっと確認できたのでスッキリ。すごい、すばらしい、さすが桐野です。わたし信者かもしれません。矛盾する部分もわざとに違いありません。 村上春樹「1Q84」と…

村上春樹「1Q84」

うっかり事務所履きのdanskoサボのまま出かけた名古屋への行き帰りで読みました。よかったです。ラストが放り出しすぎかもしれないけど、これくらい決着つけすぎないのがむしろいい。普通のミステリは決着つけすぎなんです。