弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子(ラベンダー法律事務所)の読書日記

2014-01-01から1年間の記事一覧

判例時報2237号 有責配偶者

東京高裁平成26年6月12日判決 妻(原告)に不貞の有責性、未成熟子ありのケースで、有責配偶者で請求棄却した原審を取り消して、離婚請求と親権者=妻を認容した裁判例です。すごくひらたく言うと、夫にそれなりの収入(約960万円)があり離婚しても…

二弁フロンティア1・2月号 ADR

「仲裁・和解あっせんその他ADRの賢い使い方」 よくあるような手続の仕組みの紹介を超えて、相談時点、契約締結時点、ADR手続にかかわる時点などそれぞれの段階での弁護士の当為が述べられています。

月刊選挙2014年12月号 与野党相乗り選挙

「迷走の福島県知事選挙」 過去の与野党相乗り3パターンの類型化と今回の特殊性と問題点と。こういう分析もっと読みたいです。

桐野夏生「夜また夜の深い夜」

桐野にしては普通。と書きかけて当ブログを桐野で検索してみたら…。前作が「桐野にしては健全」その前とさらにその前が「桐野にしては普通」の二連発。信者とか言ってたのはもう5年前なのでした。

NBL1038号 民法改正

山野目章夫「民法(債権関係)改正のビューポイント」

ジュリスト1474号 民法改正

「対談 民法(債権関係)の改正に関する要綱仮案の公表」 特に、消滅時効をめぐる問題について88頁あたり。

ケース研究321号 テイクオフ・ボード

「少年友の会会員の皆様に期待するもの 調査官に求められる倫理を参考にして」 メサイアコンプレックスに陥らないことと、テイクオフ・ボードの自己満足を目指すこと。よいお話しでした。

判例タイムズ1405号 争点整理

「民事裁判プラクティス 争点整理で7割決まる!?」 どっかの新書みたいなタイトルですが7割とは控えめというかハンパというか。「口頭議論」というのはこれまたどっかの協議会で協議したばかりの論点なので興味ぶかく読みました。

判例時報2234号 逸失利益

神戸地裁平成25年10月10日判決 後遺障害等級14級9号の逸失利益5%を67歳まで37年間分認めた裁判例です(確定)。後遺障害の内容は右膝圧痛・運動痛、右膝外傷性瘢痕ケロイド、同ケロイド部の痛み。被告は喪失期間3年を主張しましたが、右膝の…

論究ジュリスト11号 非訟事件手続法

「研究会 非訟事件手続法」 倒産事件との手続の仕分けの論点など。

二弁フロンティア2014年12月号 相続

「相続調査〜相続財産と相続人の調べ方」 いや〜知らなかった!と思うようなマニアック知識続々です!

エミリー・マッチャー「ハウスワイフ2.0」

ここで書かれている手作りマニアとか自給自足生活とか、見聞きする範囲ではそういう人が特に増えている(昔から一定数いた以上に)とは思わないので全体的にピンとこず。プチ起業とかのはやりは関係あるかもしれないけど、ちょっと違うようにも思われ。

判例時報2232号 面会交流の間接強制

東京高裁平成26年3月13日決定 面会交流の間接強制について、未成年者らの引渡方法不特定として却下した原審を取り消して間接強制を認めた裁判例です。ちなみに金額は1人1回2万円、なお養育費は1人5万円。引き渡しについてはFPIC利用が黙示の合…

小室淑恵「子育てがプラスを生む「逆転」仕事術 産休・復帰・両立、すべてが不安なあなたへ」

子育てがプラスを生む「逆転」仕事術 産休・復帰・両立、すべてが不安なあなたへ (メンターBOOKS)作者: 小室淑恵出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2014/01/21メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る突然こういう本ばっかり読んでどうしちゃ…

堂薗稚子「「元・リクルート最強の母」の仕事も家庭も100%の働き方」

「元・リクルート最強の母」の仕事も家庭も100%の働き方 (ノンフィクション単行本)作者: 堂薗稚子出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店発売日: 2014/07/01メディア: 単行本この商品を含むブログを見る直球マッチョ系。そして今の私がシンパシーを感じるのはや…

仲真紀子, 久保(川合)南海子「女性研究者とワークライフバランス: キャリアを積むこと、家族をもつこと」

女性研究者とワークライフバランス: キャリアを積むこと、家族をもつこと作者: 仲真紀子,久保(川合)南海子出版社/メーカー: 新曜社発売日: 2014/09/17メディア: 単行本この商品を含むブログを見るこれも、研究者という特殊性はあるのですが、各自がどうがん…

中野円佳「「育休世代」のジレンマ 女性活用はなぜ失敗するのか? 」

働く女性系本3冊一気読み。ちょっと系統ずれますが伊藤比呂美「女の一生」も同時に読み始めてみたものの、あまりに古い観念を新しげに語られていることへの違和感で読み通せず挫折。「育休世代」のジレンマ 女性活用はなぜ失敗するのか? (光文社新書)作者: …

月刊選挙2014年10月号 18歳選挙権

「「18歳選挙権」問題の現在地を考える」 問題状況が見やすくまとまっています。法務省と総務省の見解対立の背景についてなど、報道で見ているだけではよくわからないことなので。

判例時報2230号 針遺残の慰謝料

さいたま地裁平成26年4月24日判決 手術用針が体内に遺残したこと(摘出はできず害はないという認定)につき、慰謝料700万円とした裁判例です。被告の提示額は20万円。

二弁フロンティア2014年11月号 賃貸借

「不動産賃貸借の実務〜立退き・明渡し・紛争予防〜」 立退料試算表など。

判例タイムズ1404号 医療訴訟

「医療界と法曹会の相互理解のためのシンポジウム」 院内安全管理委員会の実情、注意義務違反についての考え方。過去には噛み合っていないと感じた回もありましたが、回数を重ねたからか仕切りが良いのか、今回はすごく噛み合っていると感じます。それぞれが…

金融法務事情2004号 債権法改正+非嫡違憲

・山野目章夫「要綱仮案にみる改正項目の概要」 ・パネルディスカッション「債権法改正と金融実務への影響」 私は要綱仮案までの勉強量はゼロでしたが、先日NBLの現行条文との対照表を読んでからは頑張ってます。今回のパネルは実務に影響が出るところ、…

早野龍五, 糸井重里「知ろうとすること。」

内部被曝の実際について。なるほどです。

石井光太「浮浪児1945‐: 戦争が生んだ子供たち」

こういう本でいつも思うのですが、この時代と今とが、この時代から今まで生きている人によって連続的につながっているということの驚きにあらためて打たれます。

判例時報2229号 相続放棄

東京高裁平成26年3月27日決定 被相続人が生前、遺産は長男に譲る意向を示しており、他の相続人もこれに異論はなく、不動産の登記手続に協力した後、保証債務の存在が判明したため相続放棄の申述をした件につき、申述を却下した原審判を取り消し、相続放…

判例タイムズ1403号 免責、労働、婚費

・「東京地裁破産再生部における近時の免責に関する判断の実情(続)」 ・「東京地裁労働部と東京三弁護士会の協議会」 ・東京高裁平成24年12月28日決定 父が泊付面会の際に違約して子らを母のもとに戻さなかった3ヶ月間のあいだの婚費に関し、その期…

NBL1034号 民法改正要綱仮案

実はこれまで改正ネタはずっとスルーしつづけまったく勉強してなかったのですが、いいかげん、そろそろ。しかし要綱仮案は会議の配付資料で来てたのを読もうとしても目がすべってな〜というところだったので、NBLで載せてくれた改/現対照表から取りかか…

中島岳志、若松英輔「現代の超克 本当の「読む」を取り戻す」

例によって、すごすぎると思うと感想も書けないし適確な紹介などできないのです。いちいち引っかかって考えてしまうと読み進めなくなるんだけど、とりあえず通読してから考えようと無理矢理読み進めました。 どうやら、私が保坂的と思っている論理の進め方や…

藤井一郎「プロフェッショナル・ネゴシエーターの頭の中」

表紙や帯などの見かけからはそんなに特別よさそうに見えず期待しないで目を通したのですが、これ、よかったです。このたび、過去に読んだ交渉ものについての当ブログ記事もふりかえってみたのですが(交渉ものではあえて記事にしていないものも多いのですが…

芦原一郎「法務の技法」

個人事務所の弁護士には直接関わらないことがらも多いのですが、さっそく取り入れさせてもらった技法もいくつかあり(何かは内緒)、法務の人以外にもおすすめと思います。