弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子(ラベンダー法律事務所)の読書日記

2009-03-01から1ヶ月間の記事一覧

判例タイムズ1287号 相当程度の可能性

永野圧彦、伊藤孝至「「相当程度の可能性」に関する一考察 分析と展望」 参考文献、判例一覧が整理されています。この問題を考えるときの出発点として。

家庭裁判月報第61巻第3号 年金分割

・按分割合0.5とした高裁決定2つ 名古屋高裁平成20年2月1日決定(夫側から短い婚姻期間、婚姻期間中の借金・浪費・蓄財の主張あり) 広島高裁平成20年3月14日決定(夫側から別居期間あること、財産の浪費隠匿の主張あり) ・年金分割しない旨の…

佐伯唱道「なぜ弁護士はウラを即座に見抜けるのか?」

修羅場経験の豊富な弁護士の経験談(ダーティー風味ゼロ!)ということで、特に弁護士にはとてもおもしろくためになります。ノウハウ本みたいなスタイルと内容がちぐはぐなのが残念です。

佐藤優「交渉術」

弁護士として日常づかいできる交渉術ではありません。いつもの調子で、もうだいたいわかったよという感じなのですが、「「諜報的生活」の技術 野蛮人のテーブルマナー」も帯の写真が素敵すぎるので(リンク画像は帯無しなのね…)そのうち買ってしまいそう。

アーシュラ・K・ル=グウィン「パワー(西のはての年代記 3)」

3部作の3作目。衣食足りた奴隷の自由について。制度としての支配被支配(奴隷の身分)から逃れても、力の強弱からの支配被支配、カリスマの磁場に引きつけられてしまうことでの支配被支配など(このへんで、福田恒存が「自由について」で書いていたことを…

鳥羽博道「ドトールコーヒー「勝つか死ぬか」の創業記」

日経の「私の履歴書」での怒濤の展開を毎日楽しみに読んでたので。まあ、だいたい同じなんですが、より突っ込んで語っている経営論もあり、「私の履歴書」で注目した方は読んでいいと思います。

原武史「大正天皇」、保阪正康「崩御と即位―宮中で何が起こっていたのか」

「大正天皇」は10年近く前のものですが、2冊ともなかなか良かったです。「崩御と即位」については、これも。

紛争考

・あらゆる紛争において、ゴールはただ2つといえます。すなわち、法的解決による終結(裁判官の判断、執行等強制手段)、または、当事者の意思による終結(合意または断念。局面によっては「断念も解決のうち」です)です。 ・そして、当事者が自らの意思に…

福田恒存「私の幸福論」

銀色さんが読んでいたのでというミーハーな理由で出張の友にしてみました。が、内容はたしかに同感だけどそう目新しいことでなし、調子がなんか内田樹を思い出させて、そういえば銀色さんは内田樹も好きだったな、ああいうのが好きな人はこういうのも好きだ…

椿姫彩菜「わたし、男子校出身です。」

男子校時代の写真をじっくり見返しながら読んで、すごいなあと思いました。特異な体験というだけでなく、人と違った自分の発見と克服、受容という普遍的なテーマです。

判例タイムズ1286号 民訴実務改善運動

「新民事訴訟法の10年 その原点を振り返って」 新民訴10年という対談ですが、新民訴になるまでの、常識を疑い常識を崩していく経過のふりかえりがよかったです。お題目としての口頭主義ではなく、なぜ口頭主義かの本質を考えること。直接話すことの利点…

東京弁護士会弁護士研修センター運営委員会「弁護士専門研修講座 相続・遺言」

普通の本には書いてないようなツボにはまる知識が多いので、ぜひ一度さらっておくべきです。少なくとも持っておくだけでも。というのは同じシリーズで過去に書いたのと同じ紹介ですが(これ)、同じく水準高いです。

西原理恵子「この世で一番大事なカネの話」

よかったです。子供向けのシリーズみたいで総ルビだったりするけど、子供にわかるかなあ? あと、この本の関係ではないけど、これ(勝間和代さんとの対談)とってもよかった。

ウィリアム・ユーリー「ハーバード流交渉術 仕事が100倍うまくいくNOの言い方」

「Yes! No Yes?」 …というわけです!