弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子(ラベンダー法律事務所)の読書日記

2007-11-01から1ヶ月間の記事一覧

松浦理英子「犬身」

7年ぶりの新刊。「裏バージョン」はいまいちだったような気がする(どんなだったかもおぼえていない)けどこれはすごい! 導入部のフンリュウとヘソのゴマのくだりは、そのフェチ濃度に耐えられないひとは続きを読むべきでないという選別の役割なのか、のっ…

未読解消中・・・

・全国倒産処理弁護士ネットワーク「破産実務Q&A150問」 ML上での質問と回答をもとに書かれたもので実務的です。 ・鈴木利廣ら編「専門訴訟体系医療訴訟」 類書は多いですが・・ ・日本弁護士連合会編「法廷弁護技術」 裁判員裁判に向けたもの。各方…

年金分割問題研究会編「年金分割の考え方と実務」

離婚時の年金分割について。制度への誤解も多いので一度さらっておくといいです。これが一番詳しい本かも?

判例時報1980号 刑務所国賠認容例

前橋地裁平成18年10月11日判決 服役中に発症した脊椎カリエスにつき医師の見落としを認めたケース。旭川刑務所です。長引く腰痛の訴えに対し、医務課の医師(内科医)において、レントゲンの正面撮影のみでなく側面撮影も行うべきであったという注意義…

11月12日の記事に追記しました。

家庭裁判月報第59巻第11号 婚姻中の慰謝料、年金分割

・広島高裁平成19年4月17日判決 婚姻継続中に妻が夫と愛人に対し慰謝料請求をして認容され確定し(300万円)、その後さらに、夫、愛人に対し離婚と慰謝料請求をした事案。 前訴と後訴の慰謝料請求の関係については、訴訟物が異なり前訴の既判力は後…

判例タイムズ1249号 イソ弁の悲哀

大阪地裁平成18年12月8日判決 かつてイソ弁だった先生方、独立してから、イソ弁としての関与事件に辞任届を出してますか? 身の回りをみる限りでは、わざわざ出す慣行はないような気がしますけど・・・出してない先生は要チェックです。

ジョン・アーヴィング「また会う日まで」

最強・最長の大長編。出張に上下巻とも持って行き集中してほぼ一気に読み切りましたが、本当は物語内の数十年の歳月の経過にあわせてタラタラ読んで、記憶が薄れたりしてこれ誰だっけとか思いながら過去の再検証につきあうべきなのかもしれません。

司馬遼太郎「人斬り以蔵」

司馬の文章は読み飛ばされず味わえるので移動中向き。「どうせ俺は足軽」みたいな身分意識とか紋切型が気になるのは短編だとしかたないのか・・

判例タイムズ1248号 リピーターキープ・モデル

研究会「事実認定と立証活動 証拠・データ収集の方法と事実認定」 山浦善樹弁護士が、またリピーターキープモデルについて語っています。このことについては前も書きましたが・・率直に言って嫌悪感すらおぼえます。事案を美しく解決できたときに弁護士が受…

瀬戸内晴美「私小説」

昔を知らないと聖者みたいなイメージですが、昔は今でいうと岩井志麻子みたいな感じだったのでしょうか。

羽生善治、二宮清純「歩を「と金」に変える人材活用術―盤上の組織論」

羽生「決断力」の方が深いです。前から思ってることなんですが、将棋のルールがどうとか、サッカーのルールがどうとかいうことから人生論を導く言説はどうも語呂の論理に思えて、なんで人生とそれらのことが結びつくのかがわかりません。

大岡信「古典を読む 万葉集」

古典を読む 万葉集 (岩波現代文庫) 万葉集のすごさは大昔なのにと思うとよけいにです。人麻呂すごい。