弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子(ラベンダー法律事務所)の読書日記

2008-01-01から1ヶ月間の記事一覧

判例時報1986号 物損の慰謝料・カテーテル感染

・東京地裁平成19年2月15日判決 大手百貨店催事場で真正なダイヤ指輪のリフォームを依頼したところ、リフォーム後に人工石にすりかわっていたという事件です。百貨店側はすりかえを争っていますが、判決ではすりかえが認定されました。ダイヤの財産的損…

横田由美子「ヒラリーをさがせ!」

新書は買わない主義なのですが、紹介ページで本文の一部を見て、そのことよ!(←池波正太郎)とすぐ買って読みました。私も、我と我が身やその周りを見回しつつ、女のキャリアと生きざまについて考えを巡らすことは多く、でもほとんど披露することはありませ…

野田聖子「不器用」

おもしろかった! 駆け引きといえば「腹芸」や「根回し」でありつつ、男女の駆け引きにはウブという、オヤジと乙女の同居した人物像が身の回りにもすごく思い当たります。結婚するときなんて、ちょろすぎるんだもの・・。それはともかく。当事者を見ててもい…

山田昌弘「少子社会日本―もうひとつの格差のゆくえ」

女性が仕事のために結婚しないから少子化という言説に異を唱えるなど、感覚的に言われていることを掘り下げていきます。たしかに、具体的な選択の場面であえて仕事を選んだという人は身の回りでみたことありません。傍目にはそうみえても、内実は単に相手を…

リジー・コリンガム「インドカレー伝」

カレーのなりたちについての本。歴史や文化など、おもしろく読めました。

本田直之「レバレッジ人脈術」

この系のははじめて読みました。たとえば年賀状のくだりとか、感覚的なことだけで、「俺はこうしてる」の域を出ておらず、「術」というような普遍的なものとはいえないんじゃないかと思ってしまいました。

池波正太郎「真田太平記」

池波正太郎をはじめて読みました。よかったです。長いのに雰囲気が変わらないのもすごい。前後矛盾する箇所をいくつか見つけてしまって気になったけど・・角兵衛の出生を知ってる人の範囲とか、秀忠が家康に目通り叶ったのがいつなのかとか、右近が上田に戻…

判例タイムズ1253号 有責配偶者

・東京高裁平成19年2月27日判決 有責配偶者である夫からの離婚請求の棄却例です。 別居9年、同居14年。成人している長男について、四肢麻痺で妻の介護下にある事情から未成熟子と同視。妻の年齢(54歳)から離婚後の経済的自立も困難と認定。離婚…

西田章「弁護士の就職と転職―弁護士ヘッドハンターが語る25の経験則」

弁護士ヘッドハンティングを専門とする弁護士による就職と転職の心得です。最後の方がヘッドハンターとしての営業になってるのはご愛敬として、就職も転職もする気がない私にもとてもおもしろかったです。

アーシュラ K.ル・グウィン「ヴォイス (西のはての年代記)」

ギフトの続きです。地味ですが、ライトノベルに毛が生えたたぐいに当たりたくないばかりにこの系から遠ざかっているような向きには、安心してどうぞと言えます。

壇一雄「火宅の人」

イメージだけで知った気になっていましたが、こんなにかわいらしい感じの小説とは思いませんでした。武練りとかかわいすぎるんですが、狙ってる感でもないところがまた良いです。