弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子(ラベンダー法律事務所)の読書日記

2008-09-01から1ヶ月間の記事一覧

森功「ヤメ検―司法エリートが利欲に転ぶとき」

面白かったのはいいんだけど、インタビューされてるヤメ検が事件のことを語りすぎ。だから脇が甘いって言われるんだよ…。こういう本が面白く成立するには不可欠なことといえ、いつもいつも思うんだけど(この本に限らず)みんな語りすぎです。

銀色夏生「ドバイの砂漠から」

怖いものみたさで…と言い訳しつつ、つい買ってしまいます。今回のは、楽しくなさそうなだけで、毒気は無いので、まあいいかなという感じです。写真は、息子の顔が本当〜に好きなんだな…とわかります。しかし全裸写真はいかがなものか…。あと、引っ越したらし…

ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」

もう一度読み直そうと思って手元に置いておいたんだけど、どうにもすぐには無理なのでまたいずれということにしました。長いし、最初の方の信仰心の薄い婦人とかのぐだぐだ語りが難関でしょうが、我慢して読むと読んだ甲斐があります。 実はこの物語は、陪審…

星野博美「転がる香港に苔は生えない」

こういう、女性・ひとり・内省・自虐・感受性をもてあまして不遇、という作風はひとつのジャンルとして成立している気がするんだけど(こちらとか?)、何と呼んで括ればいいんだろう。

清永聡「気骨の判決―東條英機と闘った裁判官」

戦時中の「翼賛選挙」の選挙無効訴訟で、数々の圧力にも屈せず無効判決を出したというお話しです。というか戦争中にも、裁判も期日も転勤もあったということを、考えたこともありませんでしたが、苦労しながらも営まれていたんですね。国策や世論と司法との…

桐野夏生「東京島」

これすごい好き。毛流族! いつもながら、人の心の醜い部分や、渇望・絶望の描写がすごい。夢に出そうな嫌〜〜な感じがよかった。「人質」が無駄なところが、救いも幻想もなくてよい。

家庭裁判月報第60巻第9号 遺産分割

・永井尚子「遺産分割事件の運営について−初めて遺産分割事件を担当する裁判官のために−」 処理方法、参考文献など。 ・大阪家裁平成19年2月8日審判 被相続人(認知症)に対する身上介護による寄与分を1日8000円と評価して認めた事例です。

川島蓉子「虎屋ブランド物語」

創業480年の虎屋がブランドを維持しつつ新しさを出そうとしているということなど。ちょっと長い企業紹介パンフレットという感じで、読み物としての深さなどはないのですが、羊羹を食べたくさせる本です(このごろの朝のおめざは虎屋のミニ羊羹)。

福岡伸一「生物と無生物のあいだ」

生きているのは当たり前な前提で日々活動していますが、あらためて考えると生きていること自体がすごいという素朴なことを思います。美しい文章とみるか酔っぱらった文章とみるかはギリギリかも。 #ブラックベリーの記事にアクセスが集まってしまっているな…