弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子(ラベンダー法律事務所)の読書日記

2012-01-01から1年間の記事一覧

建築知識編集部「建設業者」

すばらしく渋い本です。語られていることは弁護士業にも通じるものがあります。職人という言葉にピンときてしまう者であれば必読です。

堀江貴史「刑務所なう。」

前にツイッターで、仕事中の気分転換用に最適と書いたのですが、結局、読むと邪念が湧いてしまうために中断したままとなっていたのを、日記文学つながりということで庄野潤三に続けるかっこうで←、ようやく読みえました。いろいろ述べたいことはあるのですが…

金融法務事情1960号 金融機関と照会

弁護士会照会には公的な意義があり金融機関は弁護士会照会に応じる義務がある旨を述べる「金融取引と家事事件」を掲載しつつ、同一号の「実務相談室 外部機関からの顧客との取引内容照会への対応」で、弁護士会照会には「公益性もないことから」本人の同意を…

庄野潤三「庭のつるばら」

うっかりすると「富士日記」とかと同時代のことと錯覚してしまうのですが、これでも平成の世の日常なのです。 日記文学好きにはたまらん一品でした。これまで接したことのなかった作家なのですが、これまで知らなかったこんな素晴らしい作家がいるってことは…

判例時報2165号 医事鑑定

「医事関係裁判における鑑定機能強化のための新たな取組み〜千葉地方裁判所における「鑑定書作成の手引」の試みについて〜」 こういうのあるとやりやすいというのはたしかでしょうけど、ずいぶんシステマチックに固めてきたな〜という印象です。

判例時報2164号 子の引渡の保全処分

東京高裁平成24年10月18日決定 子の引渡の保全処分について、これを認めた原決定を取り消して、申立を却下した高裁決定です。具体的な判示内容はここに引きませんが、子の引渡の保全処分の判断要素と判断基準を掲げていますので、この種事案を扱うとき…

「精選女性随筆集 第三巻 倉橋由美子」

倉橋由美子は若いころにちょっと読んだことがありますが何を読んだかも感想も記憶になく。今回は、びっくりするほど受け付けなかった! その時代のもの、という感じがすごくしました。

川上弘美「これでよろしくて?」

空港の本屋で購入。空港の本屋ってどうしてこう! それなりに楽しく読めましたが、特に残るものはナシ…

橘玲「臆病者のための裁判入門」

おもしろかったです! オススメ。額は小さいけれど争いのある事件というのは、もっとリーズナブルな解決法があればよいと思うのですが、どうしたらいいんでしょうね。

「精選女性随筆集 第二巻 森茉莉・吉屋信子」

はじめて読んだ森茉莉について熱く語った文章を書いたのに操作ミスで消えてしまい、これも定め…、われながら変な文章だったので、なかったことにしてヤケクソでもうアップ。

判例タイムズ1379号 電子カルテ改ざん

大阪地裁平成24年3月30日判決 薬剤の加療服用歴がある患者に対し、医師が薬剤を投与する際には、加療服用の場合にただちに受診するか119番通報するよう患者の夫を指導すべき注意義務を認めた裁判例です。 この判断自体もさることながら、本件はカル…

家庭裁判月報第64巻第11号 認知と親権者指定

東京高裁平成23年7月20日決定 子を認知した父からの親権者指定の申立につき、父への親権者指定を認めた原審判を変更して、申立を却下し、未成年者の引き渡し(父から母への)を命じた決定です。 ちょっといま立て込んでるので、この事案の事情を拾って…

論究ジュリスト2012年秋号 家事事件手続法

「研究会 家事事件手続法」 子の代理人の費用負担について。 各所で言われていることですが、やはり、当事者からの予納の対象ともならず、「差し当たり無報酬かつ費用を立て替えて職務を行う」ということで間違いないようです…!!!

判例タイムズ1378号 労働事件とエクセル

和久田斉「労働事件等におけるExcelの活用について」 こういうの待ってました!!! 実際に入力を試しながら、たいへん参考にさせてもらいました。 ただ、わたしの勘違いかもしれませんが、別表2のL2の式はそのとおり入れてもエラーになってしまうのです…

滝澤孝臣「民事法の論点 その基本から考える」

たぶん登録10年にかこつけてだったと思いますが、おそまきながら我妻民法を新品で入手できるぶんは全部そろえて、業務のなかでなにか論点が出てくると拾い読みするなどしているのですが、いまさら言うのもなんですけど我妻民法って特別なものがあって、そ…

保坂和志「魚は海の中で眠れるが鳥は空の中では眠れない」

2012年05月14日(月)「この数日、保坂のエッセイ集よんでるんだけど、あらゆる文章が意味不明風味なのに意味が直接脳に入ってくる感じがしてドキドキしていっぺんによみすすめられない。全部引用して、ね、ね、意味不明でしょ!ってやりたいくらい。」 と5月…

國井修「国家救援医 私は破綻国家の医師になった」、瀬谷ルミ子「職業は武装解除」

どちらもすごい本です。思いこみ力のちからはすごいなあ、という読後感。

クルム伊達公子「進化する強さ」

読んだら妙にやる気がみなぎってもてあましてしまいました。

坂本光司「日本でいちばん大切にしたい会社」

労働事件は労働者側も使用者側も扱う私ですが、労使の意識の違い、紛争自体はとりあえず解決できても、根本的な歩み寄りの不可能さぐあいには、どうしたものやらといつも思っています。話しは飛躍するけど、おなじ弁護士でも、雇われ根性なのか自主独歩が基…

榎本まみ「督促OL修行日記」

新卒で正社員として就いたのが督促業務で…というところからのサバイバルの記録です。 ブログもありました。 http://ameblo.jp/tokusokuol/ ネタとしておもしろおかしいだけではなく、試練をどう受け止めて前向きに立ち向かっていくかということとか、仕事へ…

判例タイムズ1376号 遺産分割

「遺産分割事件の運営 東京家庭裁判所家事第5部(遺産分割専門部)における遺産分割事件の運用」 「寄与分の主張を検討する皆様へ」「寄与分主張のポイント」という当事者向けのペーパーは、手取り足取り感があり、こちらにも参考になりそうです。

江國香織「犬とハモニカ」

短篇集。いつもどおり巧みな感じです。

山本志乃「女の旅―幕末維新から明治期の11人」

幕末から明治期にかけて旅をした女性を、手記などを手がかりに11人取り上げています。 どうでもいいですが、鹿児島藩とか高知藩とか書かれると違和感があるのですが、こういう呼び方もあるのですね。

松浦理英子「奇貨」

[asin:4103327219:image:small] このひとを読むとふだん思わないようなことを思い出させられます。不穏当なことを書きそうなのであとはカット。 カップリングの短編はなんと30年近く前の作!

NBL984号 管財業務

「破産手続と集合物譲渡担保」 管財人が任意売却をめざすべきこととその手法など。

北杜夫「青年茂吉」

歌の鑑賞は、やっぱり本職の人のを読んだ方が読みごたえがあるかなーと思ってしまった。フツウに書いているところと、ちょっとお脳の調子が悪くなっているらしいところが混在しているのが面白い。

判例時報2154号 内縁と財産分与、不倫と貸金と不法原因給付

・大阪高裁平成23年11月15日判決 内縁解消後、財産分与の審判手続中に分与義務者が死亡した場合には、財産分与義務は相続人に相続されるという裁判例です。 財産分与義務一般の相続性については判断が定まっていないものの、請求意思が明らかになった…

吉本隆明・糸井重里「悪人正機」

吉本隆明ものを読むのははじめてです。こないだ、ある先生の講義をきいたかえりみちに物思いしながらこの本を開いたところ、ちょうど同じことが書いてあって、ここからしばらくはこのことをわたしのテーマにしようと思いました。それがなにかは、内緒。

ケース研究312号 離婚公正証書、同居中の婚費、家事事件手続法

奥林潔「離婚契約公正証書の利用の実際」 ケース研究「同居中の夫婦関係調停」 同居中の婚費の計算例など 「家事調停委員のための家事事件手続法Q&A」

金融法務事情1952号 相続分指定・特別受益と遺留分減殺

潮見佳男「相続分指定・特別受益と遺留分減殺」