弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子(ラベンダー法律事務所)の読書日記

2020-03-01から1ヶ月間の記事一覧

判例タイムズ1469号 面会交流と要件事実論、不本意であるが真意

・「面会交流事件と要件事実論に関する一考察」 面会交流の要件事実…吉川さんがそんなこと書くの?!と驚きましたが、そうではなく納得の、要件事実「論」でした。面会交流の要件事実についてではなく、面会交流事件を要件事実で論じることの是非について。 …

村上龍「MISSING 失われているもの」

精神的な強靱さはそれ自体、本来的には不健康であって、かつ、そのようになった背景には痛ましい体験や環境が、必ず、ある、しかもその来歴を自分が強靱な精神でもって自分に隠しているので、自覚ないまま生きている、精神的に強靱である本人は、その強靱さ…

林真理子「綴る女 評伝宮尾登美子」

さかのぼると私が宮尾登美子読んでたの14年前。14年前…。梯久美子「狂うひと 『死の棘』の妻・島尾ミホ」みたいな発見や掘り下げまでは期待できないのですが、宮尾ワールドのファンとしては楽しく読めました。

江國香織「去年の雪」

庄野潤三を読んでるときのようなトリップ感。 この世にすべては並行して進行し存在するのだと、思います。

NBL1166号 新型コロナウイルス

「特集 新型コロナウイルス 現下の課題と法務の取組み」 「従業員の労務管理等Q&A」

二弁フロンティア2020年4月号 労働法

「労働契約法20条に関わる近時の裁判例の動向と分析及び今後の労契法20条の解釈論の方向性」

ケース研究337号 面会交流

「試行的面会交流の適切な活用の在り方」 熊本家裁からの報告。「それを単なる幸運な事情とするのではなく、それぞれの事案において解決に役立つ事情は全て利用するという心構えと、諦めない気持ちが大切である」

ジュリスト1542号 相続法改正

「座談会 これからの相続法」

白石一文「君がいないと小説は書けない」

週刊新潮の連載小説で、ああいうのが叙述トリックというのかな、急にSFっぽくなった感じもうまいなあと思ったので新刊を読んでみました。想が発するままに流れゆく、こだわりオジサンのごにゃごにゃ語り、ちょっと保坂っぽいんじゃないでしょうか。ネコも…

エリザベス・F・ハウエル「心の解離構造」

お勉強として、何日もかけて線引きながらゴリゴリ読みました。いままで読んできた助走(←ここにはほとんど書いてませんけど)があったからか、これだけの分厚さの本書ならではか、これまで以上にこの問題についてわかった感あり。何のことやらまったく理解で…

宇野千代「生きて行く私」

何十年ぶりに再読、のはずがいまいちおぼえてなくて新鮮に、とんでもない行動をドライな文章で。かっこいい!

金融法務事情2132号 民事執行法改正

「さんまエクスプレス第三者からの情報取得手続の運用イメージ」 書式など

秋津じゅん「再び話せなくなるまえに」

・「あるべき自己」が、「私らしい私」をねじ伏せて行動をコントロールする日々を当たり前だと思いきれなくなったときが来た。私の描いたものは「幻」だったのか。それは、一片の波に崩され、跡かたもなく消え去り、無に帰してしまった。 ←リハビリのしかた…

判例時報2429号 債務不履行で弁護士費用

大阪地裁平成31年3月26日判決 旅行会社の募集型企画旅行契約が交通規制で目的を達せず途中帰国となり、現地の通行止めの調査を怠ったとして求めた代金相当額、慰謝料、弁護士費用の支払いが認められた裁判例。債務不履行での弁護士費用は、安全配慮義務…