弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子(ラベンダー法律事務所)の読書日記

2008-10-01から1ヶ月間の記事一覧

川田悦子「龍平とともに」川田龍平「日本に生きるということ」

B肝の集会に川田氏が講演でみえたときに販売した本を自分でも買ってみました。薬害エイズ訴訟での弁護団とのやりとりが緊張感あり、いろいろと考えさせられます。

判例タイムズ1275号 明治における執行倒産

園尾隆司「明治期における民事執行・倒産手続(上)」 業務に関係なさそうなので読み飛ばそうかと思いつつ、つい目が引きつけられて読んでしまいました。江戸時代の裁判は判例法主義で民刑手続同一の原則とか、おもしろいです。(下)も楽しみ。

岩澤倫彦「薬害C型肝炎女たちの闘い―国が屈伏した日」

下書き放出3。 B型肝炎は最高裁で勝ったのになぜ解決できなかったのかがほんと残念ですが、がんばらなくてはと思います。

川上弘美「風花」

下書き放出2。これはあまりに普通すぎて何も思わなかった。この人のは当たり外れが激しいなあ…

保坂和志「カンバセイション・ピース」

下書きが溜まってるので放出1。 途中まで読んでは放置して冬になって、この本は夏に読みたい感じなので夏にまたはじめから読み返してというのを3年くらい!繰り返して、ようやく読み終わりました。あわただしい気持ちのときには読めない本なので放置しがち…

加藤幸子「心ヲナクセ体ヲ残セ」

読み切らなかった本についてはこれまで書いたことはなかったのですが、自分のための記録、教訓として書いておきます。「野鳥愛好家として知られる著者が鳥と人間を同位置で観察し、生きものの心と体の有りようを鋭敏に、ユーモラスに描き出した新機軸の傑作…

津島美知子「回想の太宰治」

妻であるこの人もただ者ではなかったのだとわかります。津軽の家でお経を唱和して感心な嫁だと褒められたけど、娯楽のない田舎でコーラス気分で声を出していただけとか、宮尾登美子自伝みたいなとぼけた愉快なかんじもあり、また、戦中のとぼしい時代から戦…

伊坂幸太郎「モダンタイムス」

「魔王」の続編、一気に読みました。よかった!! 作中の伊坂の言葉、読んだ人に何かが沁みるような小説というように、おもしろいだけでなく残るものがあるのが良いです。一隅を照らす、という言葉は使われていないですが、そういう着地点。

江國香織「左岸」

またもや空港の書店で本をさがすはめになって…これを。このときは○○なことが起きるとは夢にも思わなかった、みたいな思わせぶりな引き方が頻出するのが、こういう人だっけと違和感ありつつ、しかし全体的に楽しく読めました。オシャレさと毒気は控えめ、不思…

丸田祥三「廃電車レクイエム―昭和の空地にあった不思議なのりもの」「廃車幻想―ポンコツ車からみえた「昭和」」

なんと8歳からこんな写真を撮りためてきたとはあまりに早熟。廃墟ブームの先駆者となるのも道理です。今では廃墟もある意味で愛でられるようになりましたが、かつては古いものなど懐かしくなく忌まわしくて、それに注目する著者はいやがられたということな…

森重昭「原爆で死んだ米兵秘史」

原爆投下時に米兵捕虜も犠牲になったそうです。よくここまで調べる・・執念を感じます。墜落した米軍飛行機で作ったフライパン?なんかが現存しているのもすごい。記述が前後するのは謎解き風味にしたいんだろうけど、それがうまくいっておらず単にわかりづ…

判例タイムズ1274号 元従業員の情報持ち出し

東京地裁平成19年1月26日 同業他社に転職する従業員が退職時に顧客情報を持ち出し、顧客に勧誘メールを送付した件について、元従業員の不法行為責任と転職先の使用者責任を認めたケースです。訴訟にまでなることは少ないかもしれませんが、こういう相談…