弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子(ラベンダー法律事務所)の読書日記

2011-09-01から1ヶ月間の記事一覧

島崎今日子「〈わたし〉を生きる――女たちの肖像」

これまで知らないでいた立派な女性がいることを知ったのはよかったのですが、よくもわるくも「アエラ」っぽい切り口、文章という印象。みんな鬱屈屈折を抱えすぎてる(ように書かれすぎてる?)。これの前に読んだ「和子の部屋」の中で「喜怒哀楽のなかでベ…

阿部和重「和子の部屋 小説家のための人生相談」

この作家の本は読んだことなかったけど、なにかの書評で興味を持って買ってみた。男の人としてはありえないほどに、女性作家の悩みについての問答が噛み合っていて、驚きに打たれた。だからこそ「和子」という設定なのだけど…それにしても本当にこんなことが…

石倉洋子「グローバルキャリア」

友人が読んでたからというのと、これから世の中に出ていく息子を育てるにあたり時流はおさえておこうというような軽い気持ちで読みました。わたし自身がキャリアをグローバル化するつもりは毛頭ないのですが。

小林美希「ルポ 職場流産――雇用崩壊後の妊娠・出産・育児」

妊娠初期の流産は、遺伝子異常などやむを得ないものだと一般に言われますが、実は無理な働き方によるものも相当ある、というルポです。この主題自体については、文献や人の発言を引用したりして熱心に書いてあるのですが、どうも読んでいると、妊娠出産関連…

ケース研究第308号 任意後見、面会交流の間接強制

・奥林潔「任意後見契約の実務とその利用の実情」 実情がつっこんで書いてあり、契約作成の際の留意点などもよく分かります。 ・磯雄俊明「面会交流事件と間接強制について」 実際の決定例をもとに、間接強制できる給付条項と解釈されるための要素を分析して…

家庭裁判月報第63巻第9号 子の監護者等の裁判例の傾向

松本哲弘(サンズイに弘)「子の引渡し・監護者指定に関する最近の裁判例の傾向について」 こういう基準があると言われるがそればかりで決められない、というコメントの繰り返しで、結局なんなの!と言いたいけど実際の実務がそういう状態なのだからしかたな…

勝間和代「勝間和代責任編集 すごい女子会」

心が弱っててミーハー的な気持ちで買ってしまった本。そういうのは読んでもここで書かないことも多いんだけど、意外とおもしろかったので。 西原とくらたまはいつもの主張でわたしはわりと同感。 小室淑恵さんについては、わたしはワークライフバランスとい…

桐野夏生「緑の毒」

クリニックの職員のつらい感じが、いろんな実例が思い浮かぶようで「あるある」と。全体的に桐野にしては普通・・。

河野裕子、永田和宏「たとへば君―四十年の恋歌」

「家族の歌 河野裕子の死を見つめた344日」のときより、若いときの歌があるので、夫婦の歴史…ときには有形力が出たり刃物が出たりおだやかでない時代もあったこともわかります。

ロバート・A.ハインライン「月は無慈悲な夜の女王」、ジェイムズ・P・ホーガン「星を継ぐもの」

これも夏休みっぽい読書。SF欲はたまに高まるのですが、美形が出てきたりあざとい萌えがあったりするライトノベルっぽいのには間違っても当たりたくないので、なかなか実際に手に取るに至らないのです。革命ものの前者はいまいち私の趣味からは外れるけど…

NHK「東海村臨界事故」取材班「朽ちていった命―被曝治療83日間の記録」、吉村昭「三陸海岸大津波」

夏の課題読書的に、時事ものをすこし。この夏は戦争ものを読まなかったな…