弁護士ラベンダー読書日記

札幌弁護士会所属・弁護士田端綾子(ラベンダー法律事務所)の読書日記

2007-10-01から1ヶ月間の記事一覧

島村英紀「私はなぜ逮捕され、そこで何を見たか。」

平成18年2月に逮捕され、平成19年1月に執行猶予付有罪判決を受けた地震学者の著者が、逮捕・勾留の経験を語ったものです。北海道版「国家の罠」なんていったら乱暴でしょうか。佐藤優氏とはまた趣が違いますが、やはり知的な文章で綴られ、誤認も少な…

スコット・スターン他「考える技術 臨床的思考を分析する」

拾い読みだけで通読してないですが、症状から診断へのプロセスが論理的に説かれていて良さそうな本です。

藤原伊織「シリウスの道」

続編ということでいちおう。ハードボイルド文体というのはひとつの様式美として、こんなやついないとか思わないで楽しめばいいんでしょうけどうまくいきません。

ジーン・ゼラズニー「マッキンゼー流プレゼンテーションの技術」

定番で一度さらっておくべきと思います。プレゼンに限らず、コミュニケーション一般にも有益。

刑務所シリーズ2

・三浦和義「弁護士いらず」 獄中からの本人訴訟マニュアル。よくできてます。 ・藤田公彦「大阪拘置所粛正刑務官」 読み物としての完成度は残念な感じです。 ・海渡雄一編「監獄と人権」 95年刊と古い刊ですが。進行中の訴訟について意気高く紹介されてい…

判例タイムズ1247号 セクハラ大逆転

福岡高裁平成19年3月23日判決 原判決がこちら。おやっと思うくらい心やさしかった原判決とうってかわって、セクハラの主張が厳しく排斥されています。大逆転。裁判の怖さを感じますね。

瀬戸内寂聴「晴美と寂聴のすべて」「老春も愉し」

随筆を書いた年代ごとに編んだもの。 ふりかえって書いているのではなく、そのときのものが再録されているため、そのときなりの勢いや揺らぎがみえておもしろい。 後半は追悼文が多く、無常を感じます。

東京弁護士会弁護士研修センター運営委員会「平成17年度専門弁護士養成連続講座家族法」

第一人者による講演ならではの、普通の本には書いてないようなツボにはまる知識が多いので、ぜひ一度さらっておくべきです。少なくとも持っておくだけでも。

刑務所シリーズ

固い本から柔らかい本まで。 ・菊田幸一+海渡雄一「刑務所改革 刑務所システム再構築への指針」 現状と将来について現段階ではいちばんまとまった本と思います。 ・福島瑞穂「福島みずほの刑務所の話」 ・坂本敏夫「死刑執行人の記録」 1人の刑務官が主人…

判例時報1973号 馴合訴訟

・東京高裁平成18年12月7日判決 スキー事故のケース。加害者の加入する保険会社が、馴合訴訟であるとして独立当事者参加したことについて、被害者と加害者が通謀した詐害的訴訟と認めています。参加の趣旨の書き方や、通謀による自白の撤回の処理なども…